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自身や家族の終末期を考える「ACP」を解説……元気なうちに話し合うべき大切なこと

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年5月28日 11時20分

自身や家族の終末期を考える「ACP」を解説……元気なうちに話し合うべき大切なこと

東京都医師会理事で「葛西中央病院」院長の整形外科医・土谷明男氏が5月21日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。終末期を含めた今後の医療や介護を、あらかじめ話し合って決めておくというプロセス・ACP(アドバンス・ケア・プランニング)について解説した。

モーニングライフアップ 今日の早起きドクター

飯田浩司アナウンサー)2025年には、いわゆる「団塊の世代」800万人全員が75歳以上の後期高齢者となります。2025年問題については、「医療費もかなり上がるのではないか」など、いろいろなことが言われています。先生の病院でも、患者さんは団塊の世代の方々が多いのですか?

土谷)そうですね。団塊の世代の方たちは増えています。コロナ禍で焦点が当たりにくいのかも知れませんが、以前から「ACP」という話があります。「人生会議」という言葉もありますが、自分が将来どのような医療や介護を受けたいのか、そのときになってから考えるのではなく、前もって元気なときに考えて欲しいということです。

特に、いわゆる終末期に関してですね。お亡くなりになる瞬間は、誰にでも訪れます。ただ、「考えてください」と言っても、「縁起でもないから嫌です」と言われてしまう場合もあると思います。けれど、元気なときにこそ考えていただきたいし、自分1人だけではなく、家族や周りの方にも話して欲しいのです。周りの方と話すことで、実際にそういう場面になったとき、ご家族の納得感もまったく違います。

土谷明男氏、飯田浩司アナウンサー

飯田)何も話していなければ、ご家族としては「1分1秒でもいいから、この命が永らえて欲しい」となりますよね。

土谷)例えば、お母さんが「自分には延命的な処置はしないでくれ」と思っていても、家族がそれを知らなければ、「自分の親が1分でも1秒でも生きていて欲しい」と願うのは当然だと思います。でも事前に話をしていれば、「お母さんは延命治療が嫌だと言っていたな」となり、選択する治療も変わる可能性があります。本人にとってどんな治療がいいのか、どんなケアがいいのかということを、事前に話しておくのが「ACP」です。

飯田)意識があって自分らしくいられるうちはいいけれども、まったく意識がなくなってしまって、指先1つ動かせない。でも心臓は動いているような場合、「生きていたほうがいいのかな?」「いや、それだったら……」と思います。しかし、親を看取るという立場で考えると、同じ判断ができる自信はないですね。

土谷)そのように悩まれる方は多いです。しかし、悩んで当然だと思うのです。自分の場合と、親の場合とは違います。死ぬことを考えるということは、裏を返せば生きることを考えることだと思っています。ACPを進めることで、よりよく生きることにつながるのではないかと、私は思います。話すタイミングもあるかも知れません。早過ぎるACPは問題だという部分もありますけれど、それほど重い話から始めなくていいと思うのです。軽い話から考えていただきたいと思います。

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