世界のトップアスリート約190人が山下公園で熱戦!「2021ワールドトライアスロンパラシリーズ横浜大会」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年5月27日 11時45分
-新行市佳のパラスポヒーロー列伝-
ニッポン放送アナウンサー・新行市佳が、注目選手や大会の取材などを通して、パラスポーツの魅力をあなたと一緒に発見していきます
5月15日・16日に、「2021ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会」が行われました。
去年(2020年)は新型コロナウイルスの影響で開催できませんでしたが、今年はスポーツ庁を通じて関係省庁と協議を行い、二木芳人昭和大学客員教授監修の「海外選手受入計画」を策定。
入国時を含めて複数回のPCR検査等を実施し、入国後も行動管理を徹底した上で、38の国と地域からエリート・エリートパラトライアスロンの選手約190人が参加して、レースが繰り広げられました。
毎年、この時期になると山下公園で「ワールドトライアスロンパラシリーズ横浜大会」を取材するのが恒例でしたが、今回はオンラインで取材をしました。最近ではスポーツ大会を取材するにあたり、現地取材の人数制限もあるため、オンライン取材を併用するところが多くなって来ました。
現地取材をする場合は、直近2週間の健康チェックシートや検温の記録を記入した書類の提出、また72時間以内のPCR検査陰性証明の提出を求められることもあります。
今回はオンライン取材ということで、レースの模様を「Triathlon LIVE」の中継で観戦し、ZOOMをつないで競技を終えた選手にインタビューする形で取材をしました。
朝6時50分、パラトライアスロンのレースがスタートしました。画面越しに見える横浜はくもり空、山下公園のバラがすっかり見ごろを迎えていました。選手にとっては気温も水温もベストだったと言います。
「負けちゃいました」
女子・運動機能障害PTS2の秦由加子選手は、アメリカのメリッサ・ストックウェル選手に敗れ、タイムは1時間25分43秒で2位。悔しさと、友人と久しぶりにレースができた感動を報道陣に語りました。海外選手とのレースは2020年2月のデボンポート大会以来、1年3ヵ月ぶりでした。
「1年以上SNSでやりとりしていて、お互いにそれぞれの場所で頑張っているというのを感じていたんですよね。自分にとっても彼女(メリッサ・ストックウェル選手)の存在が励みになっていました。きょうレースができたことがすごく嬉しかったし、楽しみにしていました。だから一緒にスタートするとき、感慨深いものがあって……ああ、やっと彼女と再会できてレースに戻って来たんだ、という気持ちでスタートできました」
デボンポート大会では、バイクで差を広げ、そのままランに持ちこんでメリッサ選手に勝利した秦選手でしたが、今大会ではスイムで先行されて、バイクもランも姿が見えなかったそうです。
秦選手は、2019年9月に行われたパラトライアスロンのプレ大会をきっかけに、バイクは義足ではなく片足でこぐようになりました。あまりの暑さのため、汗で義足が外れそうになったからです。
「同じクラスには(バイクのときに)片足の選手も、義足を使う選手もいて、それは選手の選択だと思います。同じ障害のなかでどう戦うかということなので、義足を使わないと決めた以上は、片足でこぐことを強化しないといけないと思っています」
「(スイムで)氷川丸まではトップ集団に食らいついて行きたい」と意気込みを語っていた、男子・運動機能障害PTS4の宇田秀生選手は、1時間2分22秒で3位に。
「スイムで遅れましたが、バイクとランで取り返せたのでよかったです」
女子・運動機能障害PTS4の谷真海選手は、1時間15分33秒で2位になりましたが、東京パラリンピックでは障害の度合いがより軽いPTS5とコンバインドで一緒に競うことになるため、PTS4・5合わせての順位は5位になりました。
バイクの強化を課題に挙げ、現状について「私が強化して来たというか、選手みんなが選考に向けて(レベルが)上がって来ているなと思っているので、4・5合わせてギリギリのボーダーラインで競っているという感じです」と話しました。
大会前の記者会見で、横浜大会にエリートパラトライアスロン部門で出場するのが最後になることを明かした、女子・視覚障害PTVIの円尾敦子選手は、1時間18分18秒で3位になりました。
パラトライアスロンのオンライン取材のあとは、エリートの部をテレビで見ていました。山下公園や赤レンガ倉庫など、横浜の名所を走り抜けて行く選手の姿に心が熱くなりました。
■2021ワールドトライアスロンシリーズ横浜大会
https://yokohamatriathlon.jp/wts/news_210511-1.html
■『コロナ禍での開催にあたって』 https://yokohamatriathlon.jp/wts/safety_measure.html)
■大会結果 https://triathlon.org/results/result/2021_world_para_triathlon_yokohama
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