SDGsのために個人ができる身近なことは「買い物を考える」ということ
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年6月9日 11時10分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(6月2日放送)に、一般社団法人 SDGsアントレプレナーズ 代表理事の青柳仁士が出演。SDGsのために1人ひとりができることについて語った。
黒木)今週のゲストは元国連職員で一般社団法人SDGsアントレプレナーズ 代表理事の青柳仁士さんです。個人での取り組みは何をすればよいのでしょうか?
青柳)SDGsは、持続不可能になってしまった世界を持続可能にするための人類みんなでの協力活動ということなのですが、個人でやれることでいちばん簡単なのは、手洗いうがいをしっかりやる、コンビニ募金をやる。またはマイボトルを持参するなどの身近な活動だと思います。
黒木)個人でできることがいろいろあるのですね。
青柳)たくさんあると思います。
黒木)新型コロナウイルスが世界的に流行いたしましたけれども、貧困層へも大きく影響しています。地球レベルで見ると、「5億人の方々が貧困に落ちる」と試算されているという事実があります。日本でも8万人の方がすでに失業なさっている。どのように考えていらっしゃいますか?
青柳)日本がこれまで世界に対して発信し続けて来た「人間の安全保障」という考え方なのですが、普段、何事もないときには、一見、みんな健康に暮らしているけれど、その健康で楽しく暮らしている人のなかには2種類の人がいるのです。1つは何かが起きても、ある程度蓄えも余裕もあって何とかなる人。もう1つは水際にいる人たちです。普通の状態であれば、みんなと同じようにニコニコ楽しくやっているのですが、何かが起きると、ボーダーラインの下に落ちてしまう人たちがいる。そのボーダーの方々が、まさにコロナが起きたことによって、問題が生じてしまっているのです。
黒木)コロナによって。
青柳)これは私のかつての上司で、亡くなられた緒方貞子さんという国連の難民高等弁務官を務められていた方が言い続けていたことですが、平時からきちんと社会課題に取り組んで、そういう問題が起きないようにするということも1つのSDGsなのです。
黒木)平時から取り組む。
青柳)コロナは最初に中国で起きて、各都市に感染が拡大してしまいました。大気汚染のせいで、世界の都市に住んでいる人口の9割は汚染された空気のなかで暮らしているので、免疫力が下がった状態にあり、我々東京に住んでいる人間もそうなのですが、それが結局コロナを首都で必要以上に拡大させてしまったのではないか。
黒木)大気汚染のせいで。
青柳)各国のパートナーシップが足りないので、それを食い止められなかったのではないかとか、医療体制の整備にしても、普段から有事のときに備えられるような十分な健康と福祉の体制を備えられていないから拡大してしまったのではないということなどが言われています。いま私が申し上げたことは、すべてSDGsに書いてある社会課題なのです。ですから、そういうことにきちんと取り組んでおけば、コロナのようなことが起きなかった可能性もある。起きたとしても、もっと軽く食い止められた可能性もあるのです。そういう意味でも、「コロナ禍によってSDGsを改めて認識した」とおっしゃる方も増えていると思います。
黒木)人任せ、政治任せだけではダメだという。1人ひとりの意識を変えて行かなければいけないということですよね。個人でできることがたくさんある。まずは始めてみることということですね。
青柳)個人ができることでは、買い物が大事だと思います。現在は「持続可能な商品」はたくさん売っております。途上国で森林伐採をしながらつくられている油を使った商品と、そういうものを使わない製品を両方扱うようなスーパーや小売業者が増えています。「なぜそういうことをするのか」と彼らに話を聞くと、「並べることによって、消費者に選んでもらいたい」と。彼らは「買い物はある意味投票だ」と言うのです。「自分が何を買うか」ということは「将来、どのような会社に盛り上がってもらいたいか。どんな会社に成長してもらいたい」か。あるいは「将来の世界をどうしたいか」ということを意思表示する行為だと言います。ですから、そういう意識で、ぜひ普段の買い物を考えていただくことが大事だと思います。
青柳仁士(あおやぎ・ひとし)/一般社団法人 SDGsアントレプレナーズ 代表理事
■1978年生まれ。早稲田大学政治経済学部、デューク大学国際開発政策学修士卒。
■2001年から国連開発計画(UNDP)、国際協力機構(JICA)、プライスウォーターハウス・クーパース株式会社(PwC)にて、日本・米国・アジア・中東・アフリカ諸国で社会課題解決型事業・ビジネスの実践に携わる。
■2012年に国連本部のあるニューヨークでSDGs創設の国際議論に参画。
■SDGsが始まった2016年から国連開発計画(UNDP)駐日事務所の広報官として日本の政府機関・民間企業・教育機関・メディア・市民社会などへの初期のSDGs普及の責任者を務める。初期のSDGs普及に従事。
■SDGsにビジネスで取り組むための国連初のプラットフォームを設立。2019年にSDGsアントレプレナーズを立ち上げ、社会起業家として活動。
■SDGsの理解を深め、現状よりも一歩進んだSDGsの取り組みができるように企業などを後押ししている。
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