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コロナ禍で急増する胃の病気「機能性ディスペプシア」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年6月15日 11時20分

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医師で医療ジャーナリストの森田豊氏が6月8日、ニッポン放送「​モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。コロナ禍で急増している胃の病気、「機能性ディスペプシア」について解説した。

ニッポン放送「​モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

コロナ禍で胃の不調を訴える人が約4割

飯田浩司アナウンサー)今回は胃の痛みがテーマなのですが、コロナ禍で胃が痛くなってしまう人が増えているのですか?

森田)ある会社の調査によりますと、「コロナ禍で胃の不調を訴える人が約4割いる」というデータがあります。胃もたれが約50%、胃の痛みが約32%、胸やけが約30%です。胃の不調から胃カメラで検査をして、胃炎、胃潰瘍、胃がんなどが見つかることがあるのですが、最近注目されているのが、胃の不調から胃カメラで検査をしても、何ら異常が認められないという状態です。これを「機能性ディスペプシア」と呼んでいて、コロナ禍で多くなったと考えられています。

飯田)機能性ディスペプシア。どういう病気ですか?

胃カメラでは発見できない

森田)2013年に診断名として認められた新しい病気です。主にストレスが原因で胃の動きの異常や、胃粘膜などの知覚過敏が起こると考えられています。胃炎や胃潰瘍、胃がんなどの場合は、胃カメラの検査をすれば特徴的な所見が得られるのですが、機能性ディスペプシアの場合は、胃カメラで異常を認められないということなのです。

飯田)胃カメラの映像を見ると、「きれいですね」と言われるような感じですか?

森田)そうです。この病気がわかる前は、「異常がないのになぜこんなに辛いのだろう」となっていたのです。こうして「あなたは機能性ディスペプシアです」と言われるようになってから、患者さんも納得するようになりました。

飯田)理由がわかって。

森田)症状としては、すぐにお腹がいっぱいになる感覚や、みぞおちに焼けるような感覚が生じます。市販の胃薬などを飲み続けても改善せず、症状が1週間に2回~3回以上起こって、1ヵ月以上このような症状が続いた場合、この病気を疑うということです。医療機関で胃の不調を訴えた人の半数がこの病気だったというデータもあります。

新行市佳アナウンサー、森田豊氏、飯田浩司アナウンサー

原因はストレス

新行市佳アナウンサー)機能性ディスペプシアの原因はどこにあるのですか?

森田)大きな原因はストレスにあると考えられています。胃はストレスの影響を受けやすい臓器ですので、ストレスがかかると交感神経が高ぶって胃酸が大量に出たり、胃の壁の血流が悪くなったりして、このような症状が出ます。

飯田)ストレスで。

森田)最近はコロナ禍でマスク生活をしていますので、マスクをしていると相手の表情が読めない。また、リモート会議で意思の疎通が取れないということで、ストレスになっている可能性もあります。「自分はこれでストレスを発散している」というものはありますか?

飯田)私は昔の野球が好きなので、昔の野球の動画を観ていると感動します。いまはなくなってしまった球団の応援しているスタンドが映っている映像があって、それを観るだけで泣くのですよ。懐かしいなと。近鉄、あったなぁ、みたいに。

森田)わかる気がします。泣くのはいいですね。泣くと体のなかのストレスホルモンが少なくなるという研究結果もあります。

飯田)そうなのですね。

森田)食生活の改善も大事だと言われています。揚げ物、辛いもの、コーヒー、炭酸などは胃腸を刺激しますので、胃酸が過剰に分泌されることがあります。食生活を見直すことで、機能性ディスペプシアが改善されると考えられています。

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