町亞聖が明かす アナウンサーをしながら母の介護ができた理由
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年6月15日 8時35分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(6月8日放送)にフリーアナウンサーの町亞聖が出演。仕事をしながら介護をするということについて語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。6月7日(月)~11日(金)のゲストはフリーアナウンサーで報道キャスターの町亞聖。2日目は「仕事と介護の両立」について—
黒木)お母さまへの介護を10年間なさって、それで日本テレビのアナウンサーからフリーアナウンサーへとなられ、仕事をしながら介護をやられていらっしゃいました。アナウンサーというと忙しいと思うのですが、実際はどうだったのですか?
町)アナウンサーが決まった瞬間に、「社会人になったら家のことはまったくできなくなるな」と思いました。でもアナウンサーの仕事が始まったら、当時からアナウンサーはフレックスだったのですね。最初の仕事は夜のスポーツ番組でした。早いときは午前中から働くのですが、遅いときは昼過ぎに行けばよいのです。そのときは買い物に行って、ご飯をつくり置きして、会社に行って夜、番組をやって、夜中に帰って来ました。
黒木)時間は比較的自由だったのですね。
町)その後、妹も働き出したのですが、妹は朝8時に家を出て、夜7時に帰って来るという時間帯だったので、むしろ私の方ができる日が多かったのです。介護と仕事のポイントは、柔軟に働けるかどうかということです。体力的には介護する家族に負担はあるのですが、バランスの取れた働き方ができれば、何とかなるのです。
黒木)バランス。
町)そういう面でも、アナウンサーを選んでよかったなと思いました。週4日くらいは家のことができて、妹と役割分担をしながらやりました。鍵はフレックスだったということでした。
黒木)アナウンサーになられて、テレビにお出になるわけでしょう。お母さま嬉しかったのではないですか?
町)そうですね。内定の電話をもらったときの風景は、いまでも忘れられないですね。当時は携帯電話がなかったので、「きょうかかって来るだろう、かかって来なかったらダメだろう」という日に、みんなで電話を見つめながら待っていました。かかって来て、「何日に来てください」と言われた瞬間に、もう泣いていました。そのあとも母からは、「きれいにするときれいになるものだね」と言われたりしました。
黒木)女子アナブームの真っただなかだった95年に日本テレビに入社されたのですものね。入社以来、やりたいことを聞かれると「弱者の視点に立った取材をしたい」とおっしゃったそうですが、最初はそういうような現場ではなかったわけですよね。
町)そうですね。当時は「バリアフリー」という言葉も知っている人はあまりいないというような時代でした。新人の私が「介護や福祉の仕事をしたい」と言うと、「急ぐな、慌てるな」と言われました。
町亞聖(まち・あせい)/ フリーアナウンサー 報道キャスター
■1971年8月3日生まれ。埼玉県さいたま市出身。
■立教大学文学部を卒業後、1995年、日本テレビにアナウンサーとして入社。スポーツ、お天気情報番組、クラシック、ニュースなど様々な番組を担当。
■その後、報道局に活動の場を移し記者、キャスターとして活躍。
■主に厚生労働省担当記者としてがん医療、薬害肝炎、医療事故、不妊治療、臓器移植、難病問題や年金などの社会保障問題など様々なテーマを取材。
■肩書きにとらわれず、「自分で取材し、自分の声で伝える」アナウンサーを目指し、さらに活動の幅を広げるため、2011年6月にフリーへ転身。
■私生活では10年間にわたって母親の介護を続けてきた。その母と父をがんで亡くした経験から、医療を自身の生涯のテーマとして取材活動を続けている。
■ニッポン放送『ウィークエンド・ケアタイム 「ひだまりハウス」 ~うつ病・認知症について語ろう~』ではパーソナリティを務め、うつ病、認知症の専門家と共に役立つ情報を分かり易く伝える。
■著書に『十八歳からの十年介護』。介護や医療がテーマの講演も行われている。
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