安倍前総理「一部の新聞社たちが、いわば流言のようなことを流布していた」~日米同盟の信頼回復における労苦を振り返る
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年6月15日 13時23分
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(6月15日放送)に安倍晋三前総理大臣が出演。総理大臣在任時に悩み、実行したさまざまな事柄について語った。
政権奪回時のテーマ~「経済の立て直し」と「中国への向き合い方」
安倍前総理が特別インタビューとして6月14日(月)~18日(金)のニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に毎日出演。ここでは政権奪回した当初に立てた2つのテーマについて訊いた。
飯田)これまで、ご自分の政治生命、政権の力を削りつつ、いろいろなことをやって来ました。そのなかで外交安保というと、平和安全法制について。当時、左派からものすごいバッシングを受けました。あのときは官邸のなかにいて、「これは抜けられるかな」というような気持ちはありましたか?
安倍)2012年、「日本を取り戻す」というキャッチフレーズの下に我々は政権を奪還しました。そこには大きく2つのポイントがあります。1つは、経済を立て直す。仕事をしたい人に仕事がある状況をつくる。そのために我々は、金融政策を含めたアベノミクスを発動しました。
飯田)経済の立て直し。
安倍)もう1つは、台頭して来ている中国とどのように向き合って行くか。これが、今世紀の日本、あるいは世界最大のテーマだと考えていました。中国の経済成長は日本にとっても大きなプラスになって行く。隣国でありますから、安定的な関係をつくって行く。これは日本の国益にもなります。しかし、中国は軍事力をすさまじいスピードで増強しています。東シナ海、南シナ海で一方的な現状変更の試みがあるなか、この地域を平和で安定した地域にするためには、日米同盟を強化して行く。しかし、当時は日米同盟の強化どころか、日米間の信頼も失われていました。有名な「トラスト・ミー」発言もありましたね。
批判を受けた「特定秘密保護法」と「平和安全法制」~日米同盟の信頼回復には必要だった
安倍)そこで、まずは日米同盟を強化し、ASEANの国々の信頼を得るなかで、ヨーロッパとの関係においても意思の疎通をしっかりして行く。そしてバランスを取りながら、中国が世界の求める方向で発展して行く。そのような外交展開をして行きたいと思いました。そのためには、何と言っても、日米同盟の信頼回復をしなければいけない。
飯田)日米同盟の。
安倍)まず取り組んだのは、「特定秘密保護法」です。つまり、情報を共有し、それを活用して行く。秘密が守れない国に情報を渡してくれる国は、世界中のどこを探してもありませんから、しっかりとした仕組みをつくりました。それが特定秘密保護法でした。しかし、名前が少し悪かったのかも知れませんが、批判を受けました。
集団的自衛権の行使を可能にしている国こそ、平和と安定が守られているということは歴史が証明している
安倍)そして次に取り組んだものが、「平和安全法制」ですが、この中核的なものは、集団的自衛権の行使の一部容認なのです。「日本を守るためには、集団的自衛権の一部を行使しますよ」ということなのです。助け合える同盟が強くなるのは当然ですよね。ですから、そのための解釈の変更を行う。これには相当の批判がありました。「戦争を始めるのではないか」あるいは、「徴兵をするのではないか」というような。特定秘密保護法のときには、「映画がつくれなくなる」というキャンペーンすらあった。
飯田)「居酒屋で飲んでいてもしょっ引かれるぞ」というようなものもありました。
安倍)そのようなこともありましたね。けれど、そのようなことはまったく起こっていませんよね。大きな一部の新聞社たちが、そのような報道の展開をしていました。さすがに自分たちの社説で書けないことは、有識者と言われる人たちに喋らせるという手法を取りながら、いわば、流言のようなことを流布していたのだろうと思います。しかし、そのようなことは、まったく起こっていない。むしろ、集団的自衛権の行使を可能にしている国こそ、平和と安定が守られているということは歴史が証明しているだろうと思います。孤立している国ではないのですから。ただ、強い反対もありましたので、なかなか大変でしたね。
飯田)総理ご自身もいろいろなメディアに出て、模型も使って説明されていたり。
安倍)模型を使った説明もさせていただきましたね。
飯田)あのようなことはご自身で考えられたのですか?
安倍)周りの人たちといろいろ考えながら、わかりやすい説明は何かとみんなでブレインストーミングしながら考えました。
飯田)執務室に模型を持って行って、「こうやったらどうかな」というようなリハーサルをしたのですか?
安倍)それは現場でやりました。
飯田)現場でしたか。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
岸田総理「税収増を国民に還元する」→財務大臣が「真っ向から否定」した結果…財務省が“総理大臣よりも偉い”日本の権力構造の不可解【森永卓郎の見解】
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年9月23日 12時0分
-
【2015(平成27)年9月19日】参院で安保法制可決、集団的自衛権容認
トウシル / 2024年9月19日 7時30分
-
自民党を「ビッグモーター」にしたくなかった…石破茂が「裏切り者」と言われても"自民批判"を躊躇しないワケ
プレジデントオンライン / 2024年9月10日 10時15分
-
安倍晋三氏の「天性の人たらし力」だけではない…トランプ氏との外交を成功させた"影の立役者"の正体
プレジデントオンライン / 2024年8月29日 8時15分
-
「憲法9条」でも「人員不足」でも「サイバー領域」でもない…私が考える日本の防衛上の最大の弱点
プレジデントオンライン / 2024年8月26日 9時15分
ランキング
-
1「ドーンという音がして黒煙が…」物流会社でガソリンを運ぶ大型トレーラー7台が焼ける 香川・坂出市
KSB瀬戸内海放送 / 2024年9月23日 9時40分
-
2【山陽新幹線】運転再開 保守作業による車両トラブルで一時、一部区間運転見合わせ
広島テレビ ニュース / 2024年9月23日 12時36分
-
3琵琶湖で男女2人乗る水上バイクが風波で転覆 男性1人が今も行方不明 滋賀・大津市
ABCニュース / 2024年9月23日 9時20分
-
4JR在来線の線路脇崩落「復旧には相当な時間がかかる」記録的大雨で被害も 新潟・村上市
BSN新潟放送 / 2024年9月23日 13時40分
-
5立憲民主党の新代表に野田佳彦・元首相…決選投票で枝野幸男氏を破る
読売新聞 / 2024年9月23日 15時43分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください