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中国の太平洋進出に世界各国が懸念~日米豪印が合同演習

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年7月16日 21時48分

中国の太平洋進出に世界各国が懸念~日米豪印が合同演習

 19日、清華大学で行われた教師や学生代表との座談会で重要演説を行う習近平氏。習近平(しゅう・きんぺい)中国共産党中央委員会総書記・国家主席・中央軍事委員会主席は19日、間もなく創立110周年を迎える清華大学を視察した。(北京=新華社記者/鞠鵬)= 配信日: 2021(令和3)年4月20日、クレジット:新華社/共同通信イメージズ

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(7月16日放送)に外交評論家で内閣官房参与の宮家邦彦が出演。7月14日からオーストラリア東部の沖合で始まったアメリカとオーストラリアの軍事演習「タリスマン・セーバー」について解説した。

習近平氏、清華大学を視察(北京=新華社記者/鞠鵬)= 2021(令和3)年4月20日 新華社/共同通信イメージズ 写真提供:共同通信社

日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4ヵ国が合同演習

オーストラリア東部の沖合などを舞台とした2年に1度のアメリカとオーストラリアの軍事演習、「タリスマン・セーバー」が7月14日から始まった。この演習には日本も自衛隊を派遣し、インドはオブザーバーで参加。日本、アメリカ、オーストラリア、インドの協力枠組み「クアッド」を形成する4ヵ国が集結した格好で、演習を偵察する中国とのにらみ合いになりそうだ。

飯田)日本からは、「日本版海兵隊」などとも言われている陸上自衛隊の「水陸機動団」が参加しています。

宮家)イギリスも参加しているし、私の記憶が間違っていなければ、同僚の話では韓国も来ているはずです。

飯田)韓国も来ているのですね。

宮家)これはクアッドだけでなく、太平洋地域を中心とした各国の海兵隊部隊が集まっての合同演習です。もともとはアメリカとオーストラリアが始めたことだけれども、徐々に参加国が増えているのです。韓国は中国のことを考えて、中国の近くでは、こういうことをやらないわけですが。

各国が中国の太平洋への進出に懸念を持っている証拠

宮家)別に、文在寅政権の肩を持つわけではないけれども、彼らだって米韓関係は重要視しているわけです。安全保障の世界では、アメリカとお付き合いをきちんとしています。これ以外にもいくつか韓国が参加する合同軍事演習がありますけれども、今は中国の近海や南シナ海ではやりません。オーストラリアの近くというような、中国から遠いところであれば、しれっと参加するのです。

飯田)なるほど。

宮家)単にクアッドだけではなく、それ以外の多くの国々が、「韓国ですら」と言っていいでしょうが、中国の太平洋における進出、活動について、ヨーロッパの国々も含めて関心もしくは懸念を持っている証拠だと思います。具体的に、彼らが一緒になって戦うということは、いまの段階ではないと思いますが、それに向けた準備をしているということ自体が、1つのメッセージになり、中国への抑止力になると思います。

対中国を想定して大改造をしているアメリカ海兵隊

飯田)インドなどのオブザーバーも含めて全部で11ヵ国、約1万7000人規模です。これは相当な規模ですよね。

宮家)過去20~30年、アメリカ海兵隊は中東の陸上で戦っていたわけです。しかし、元々彼らは水陸両用部隊でした。最近は中国が西太平洋でずいぶん頑張っているようだから、「我々も戦い方を変えなければいけない」と、いまアメリカの海兵隊は大改造をやっています。それも当然、関連して来る大きな演習だと思います。

飯田)まさにルーツである海と陸の両方で、そこをつなぐような戦い方に戻ることになるのですか?

宮家)水陸両用と言っても、昔のように上陸用舟艇で上陸するということではなく、まったく違った戦い方になると思います。

飯田)着上陸作戦とは違う。

宮家)それもやるかも知れませんが、中国の軍人の頭の中には、沖縄からフィリピンの横を抜けて南シナ海まで線を引いている第一列島線があるわけです。我々はそのなかに中国を封じ込めるとまでは言わないけれども、そこから簡単に出られないようにするということです。ですから、空母のような大きなものではなく、小さな船で敵のレーダーに映らないようにして活動しながら、中国でもどこでも、第一列島線から船が出て来そうになったら、「危ないですよ、こっちにはミサイルもありますよ」と抑止する。そのような戦い方をアメリカ海兵隊は目指しているのでしょう。

次に起こる戦争はいままでとはまったく違う戦争になる

飯田)この演習で言われているのが、実働部隊も動かすけれども、それだけではなく、サイバーや宇宙なども含めての演習をやるというのは、そういうところですか。

宮家)海兵隊の人たちが実際に出て行くときというのは、戦争としては中盤です。最初はサイバーと宇宙と電磁波の戦いです。我々が知らないうちに戦争は始まっているのです。いまもサイバーの世界では毎日戦っていると言ってもいいと思うのですが、これから戦争のやり方は変わります。我々が70年間考えて来た戦争とは違う戦争になる。起こしてはいけないけれども、次に起きるとすれば、まったく違う戦争になると思います。

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