新しい防音材「一人静」 その幅広い防音効果と多機能性
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年7月19日 8時10分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」に騒音対策を手がける企業、株式会社静科の代表取締役の高橋俊二が出演。株式会社静科について、また、同社で開発した商品について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。7月12日(月)~7月16日(金)のゲストは騒音対策を手がける企業、株式会社静科の代表取締役の高橋俊二。1日目は、株式会社静科で開発した商品「一人静シリーズ」について—
黒木)騒音対策を手がける企業ということなのですが、つまり防音ということですよね。
高橋)そうですね。私たちの事業は音に携わることすべてをやっているのですが、工場の騒音や、集合住宅の問題など、音に関する問題を解決するための商品を開発し、販売しています。
黒木)もともとはお父様がおやりになっていた会社で、2代目でいらっしゃるのですよね。
高橋)そうですね。
黒木)騒音対策をトータルとしてサポートしていらっしゃるのですが、「一人静シリーズ」というのが大活躍しているということで、それについてぜひお話を教えてください。
高橋)いままでの防音の技術は厚さや重さがあるのですが、私たちの開発した「一人静」は薄くて軽いのです。しかし、低い音から高い音まで幅広く吸音できるような構造体になっていまして、そこが新しい技術になります。もう1点は、いままでのグラスウールやウレタンを使った商品は湿度に弱いので屋外では使えませんでした。
黒木)屋外では。
高橋)外では使えない商品がほとんどでした。しかし、「一人静」は屋外でも屋内でも、どこでも使えます。水に強いもので構成しているので、従来のものだと厚くて重くて仮設ができないのですが、「一人静」は軽くて薄いので、仮設でも置くことができます。
黒木)高い音と低い音は、どちらかが防音しにくいというのがありますよね。
高橋)いままでのグラスウールやウレタンを使ったものは、高い音が得意なのです。低い音は振動を伴うので、吸音することができませんでした。私たちの商品は、建物を揺らすくらいの強いエネルギーを持った低音を吸収することによって、音の大きさを柔らかくできる構造体なのです。防音という技術があり、そのなかに音を吸う吸音材という材料があって、もう1つ、音を遮断する遮音材があります。それを平たく防音材と言うのですが、吸音材で音のエネルギーを吸い、静かにさせる方法を吸音と言い、遮音は厚さや重さなど重量を持たせることで音のエネルギーが外に出ないように遮断する方法です。
黒木)防音の会社でいらっしゃいますけれども、音の公害や音害から人を守るためにというのと、もう1つ、「本当の音を聴くために」という両方の役割を担っていらっしゃるのですよね。
高橋)ブランドで分けています。音響系は音楽スタジオや収録スタジオなどでは、「どのように音を綺麗に録れるか」という演出をしなくてはなりません。
黒木)ステージなどをやるときに、初めての小屋で「ここの小屋は音響設備が本当に素晴らしい」と思える会場があるのですが、そういうところで素材が使われているということなのですね。
高橋)箱の大きさや形によって音の反射の仕方が変わるので、そこを設計されていますね。
高橋俊二(たかはし・しゅんじ)/ 株式会社静科 代表取締役
■騒音・防音対策を手がけるスペシャリスト企業「株式会社 静科」。
■特許技術によって開発された薄型軽量の防音素材「一人静(ひとりしずか)」を活用し、顧客の環境・目的に応じたオーダーメイド製品を作成。
■これまでに「土木学会・環境賞」「発明大賞本章」などを数々の賞を受賞している。
■導入されている顧客は 工場からオフィス・一般家庭まで幅広い。
■もともとは高橋俊二さんの父・邦雄氏が創立した鉄道車両の床材などを製造する企業だったが、社会に持続的に貢献できる製品を開発したいとの思いから、騒音対策製品を開発。新しい独自の遮音材「一人静」の開発に成功。セラミックを染み込ませた紙製のハニカムに発泡材を封入し、高い遮音性を実現した。
■2代目社長の高橋俊二さんは17歳のときに高校を中退。有名歌手の付き人となり、テレビ・舞台などを経験したのち、30歳で引退を決意。
■美容業界などを経験した後、家業を手伝うようになり、株式会社静科に入社。従来の取引先や営業手法の見直しなど、経営手腕を発揮し、売上を20倍に伸ばした。
■現在は2代目社長に就任。アスリートやスポーツチームのスポンサーになったり、聴導犬育成費用の支援を行うなど、社会貢献活動も積極的に行っている。
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