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なぜ騒音をシャットアウトするのか 防音・吸音材「一人静」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年7月20日 8時10分

なぜ騒音をシャットアウトするのか 防音・吸音材「一人静」

黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」に騒音対策を手がける企業、株式会社静科の代表取締役の高橋俊二が出演。「世のため人のために尽くす」という思いが生んだ技術と商品について語った。

ハニカム構造 ※イメージ

ハニカム構造 ※イメージ

黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。7月12日(月)~7月16日(金)のゲストは騒音対策を手がける企業、株式会社静科の代表取締役の高橋俊二。2日目は、「世のため人のために尽くす」という思いが生んだ技術と商品について—

黒木)独自に開発された防音パネル、「一人静」を活用して騒音対策、静かな環境づくりを実践されている高橋さんの会社なのですけれども、もともとは違ったものをつくっていらっしゃったということですが。

高橋)そうなのです。先代たちはヘリコプターの壁や新幹線の床材などをつくる下請けの会社でした。

黒木)それも防音技術には関係があったのですか?

高橋)そのときは関係ないです。単純に床材、壁材をつくっていた会社です。そのなかにハニカム材というものが使われているのですが、何か世の中に残せる技術がつくれないかということを考えていたのです。

黒木)お亡くなりになられた初代社長が、「世の中のため、人のために尽くせる何かを」というモットーでいらしたということで。

高橋)企業理念にも入っているのですけれど、「静かさを科学することで、世のため人のために尽くしましょう」ということが企業理念になっています。当時は防音材とは違うものをつくっていたのですが、なかなか流通には乗りませんでした。そこで、でき上がった構造体を何かに使えないかと、産業技術センターというところに出したら、「音にいいのではないか」というヒントをいただいたのです。そこから、「この構造でどう音に対応すればいいのか」ということを考えてでき上がった商品が「一人静」です。

黒木)私の目の前にAタイプというものがあるのですけれど、これがそうなのですか?

高橋)そうです。

黒木)軽いですね。10センチくらいの正方形なのですけれども、軽いので持ち運びも楽ですね。

高橋)しかも、素材が全部電動のこぎりで切れる構成にしてあるので、加工が簡単にできて、汎用性が広い商品でもあります。

黒木)これがAタイプということは、いろいろなタイプがあるのですか?

高橋)そうです。

黒木)それは用途によって違うということですか?

高橋)「低周波」という言葉を聞くと思うのですけれど、低周波専用のパネルがあります。また、クリーンルーム専用のパネルもありますし、熱を囲うと機械が止まってしまうので、「音は逃がさないけれど、熱は逃がせる」というものもあります。お客様の環境に対応できるラインナップが揃っています。

黒木)この「一人静」、蜂の巣構造が使われているということですが、どういうことなのですか?

高橋)ハニカム材というのがそうです。蜂の巣は六角形でできているのですけれども……。

黒木)これも六角形でできているのですか?

高橋)それが強度的に強いのです。ハニカム材は先代たちがやっていた下請けのときに、床や壁に使う心材に使っていたものです。

黒木)「一人静」の構造には、生け花も関係があるということですけれども。どういうことなのでしょうか?

高橋)ハニカム材のなかに入っている発泡材の原料が、生け花に使う給水スポンジの原料と同じなのです。

黒木)似ていると思いました。

高橋)触ると簡単に潰れると思うのですけれど、そのくらい気泡が細かくできているので、音を吸うには持ってこいなのですよね。

株式会社静科 代表取締役 高橋俊二

高橋俊二(たかはし・しゅんじ)/ 株式会社静科 代表取締役

■騒音・防音対策を手がけるスペシャリスト企業「株式会社 静科」。
■特許技術によって開発された薄型軽量の防音素材「一人静(ひとりしずか)」を活用し、顧客の環境・目的に応じたオーダーメイド製品を作成。
■これまでに「土木学会・環境賞」「発明大賞本章」などを数々の賞を受賞している。
■導入されている顧客は 工場からオフィス・一般家庭まで幅広い。

■もともとは高橋俊二さんの父・邦雄氏が創立した鉄道車両の床材などを製造する企業だったが、社会に持続的に貢献できる製品を開発したいとの思いから、騒音対策製品を開発。新しい独自の遮音材「一人静」の開発に成功。セラミックを染み込ませた紙製のハニカムに発泡材を封入し、高い遮音性を実現した。

■2代目社長の高橋俊二さんは17歳のときに高校を中退。有名歌手の付き人となり、テレビ・舞台などを経験したのち、30歳で引退を決意。
■美容業界などを経験した後、家業を手伝うようになり、株式会社静科に入社。従来の取引先や営業手法の見直しなど、経営手腕を発揮し、売上を20倍に伸ばした。
■現在は2代目社長に就任。アスリートやスポーツチームのスポンサーになったり、聴導犬育成費用の支援を行うなど、社会貢献活動も積極的に行っている。

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