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「いざ」というとき、患者がどのような最後を迎えたいか~「アドバンス・ケア・プランニング」の重要性

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年7月29日 11時20分

「いざ」というとき、患者がどのような最後を迎えたいか~「アドバンス・ケア・プランニング」の重要性

東京都医師会広報委員で国立国際医療研究センターの徳原真氏が7月22日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。「アドバンス・ケア・プランニング」の重要性について解説した。

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

新行市佳アナウンサー)コロナ禍で急に入院したり、入院していても家族と会えないという機会が増えています。何かあったときのためにも、治療方法などを話し合っておくことは必要ですよね。

徳原)倒れてしまって意識がないなど、自分の意思が伝えられないときがあります。そういうときに、自分がどのような治療をして欲しいか。残念な結果として、死につながることとなった場合に、どういう形で最後を迎えたいか。そういうことを事前に話し合っておくことは、本人にも家族にとっても大事なことだと思います。

新行)家族と事前に話し合っておくという形になりますか?

徳原)自分のことをいちばん理解してくれている人。家族がいる方ばかりではありませんので、家族がいない方はそうでない方でもいいですし、そこに医療者が入ってもいいかも知れません。長い間入院されていて、主治医がいて、看護師さんがいるという場合は、その人たちを交えて、そういう話をしてもいいでしょう。

新行)よく「人生会議」という名前にもなっていますが、事前に家族と話し合っておく。そして、その話し合いは1回だけで終わってはいけないものなのですか?

徳原)そうですね。人生会議、「アドバンス・ケア・プランニング」という言葉をお聞きになった方もいらっしゃるかも知れません。それは1回で決まるわけではないと思います。「自分はこういう最後を迎えたい」ということは、そのときはある程度決まるかも知れませんが、半年経ち、1年経てば変わることもあります。ですので、何回も話し合うことが必要だと思います。

徳原真氏、新行市佳アナウンサー

新行)患者さんと見守る家族、また、家族のなかでも意見が割れることがあると思うのですが、そういう場合はどのように折り合いをつけるのでしょうか?

徳原)信頼できる家族など、患者さんが「誰」と決めていただければいいと思います。病院のなかではよくある話なのですが、容体が急変した場合に、いつも見ている、側にいる患者さんの家族ではなく、たまたま遠くからやって来た親戚がいらっしゃって、「なぜこんなことをしているのだ」と言われることがあります。これは日本だけではなく、“Daughter from California Syndrome”と言って、アメリカでもそういうことがあるようです。そういう問題が出るので、それは患者さんご本人に、「誰がいちばん自分のことをわかっているか」ということを決めていただくのがいいと思います。「お父さんはこのように生きて来たから、こういうことを望むのではないか」といちばんわかっている人がいいと思います。

新行)事前に文章化するなど、形として残しておくことは大切ですか?

徳原)そうですね。最近、病院では「事前指示書」と言い、「どういう処置をする、しない」という約束を決めることが多いです。アドバンス・ケア・プランニングは事前指示とは違い、その人の生き方まで関わって来るので、ある程度、文章にして残しておくことは必要だと思います。証明というわけではありませんが、わからなくなってしまいますよね。お父さんがどういうことを望んでいたかというのは、ある程度残しておいたほうがいいでしょう。

新行)意思表示をしておくということですね。

徳原)最終的には証明書という形ではなくても、ある程度「お父さんがこのように望んでいた」とわかるようにしておくことが大事だと思います。

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