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「比較認知発達科学」専門家が語る、オンライン化が進むことで起こる子どもの脳への影響

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年8月4日 12時10分

「比較認知発達科学」専門家が語る、オンライン化が進むことで起こる子どもの脳への影響

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(8月1日放送)に、「比較認知発達科学」が専門の京都大学大学院教授・明和政子が出演。子どもの脳の発達について語った。

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」

淵澤由樹(アシスタント):前回の放送では、人の脳の発達について、「大人の脳になるまで25年かかる」と教えていただきました。その際、「前頭前野」の進歩が最もゆっくりというお話でしたが、前頭前野の成長は幼少期に関係があるのですか?

明和:動物実験でも、人を対象にした研究でも明らかになっているのですが、幼少期に不適切な環境……例えば虐待されるような環境で育つと、脳の発達が異様に早くなります。つまり思春期の訪れが早くなるのです。

自見はなこ:確かに、困難を抱えているお子さんと話すと、よくしゃべりますし、お母さんのような対応をするお子さんもいます。それと似ていますね。

明和:そもそも人の脳は、大人になるまでに25年かかります。25年の間、前頭前野の役割を果たすのは親を中心とする他者なのです。つまり感情の爆発が起こったときに、例えば抱きしめてもらったり、肩を抱いてもらう、ハグしてもらう。他人の体を前頭前野の代わりとして使うことにより、感情を抑えて行くのが私たちの体の仕組みです。虐待などを受けているお子さんがどんな生存戦略をとるかというと、自分の脳を過剰に早く発達させます。つまり25年かけるのではなく、早く成熟させることによって、自分の体を保とうとするのです。

自見:ハグや前頭前野の代わりをしているボディタッチの役割の意味など、いまの日本社会では認識されていないですよね。

明和:特にコロナ禍では、オンラインでのコミュニケーションが主流になって来ています。この流れはコロナが収束しても変わらない、むしろ進んで行くと思います。大人にとっては便利です。でも子どもは、環境の影響を受けて脳を発達させる存在だと考えたら、やはり幼少期に体の接触を他者とつないで行くということを、もっと大事にしなければいけないと思います。

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