楽曲制作における海外と日本の「マインド」の相違点 ~音楽プロデューサー・Yaffle
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年8月12日 22時30分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(8月5日放送)に音楽プロデューサー・作曲家・編曲家のYaffleが出演。海外と日本の楽曲制作の違いについて語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。8月2日(月)~8月6日(金)のゲストは音楽プロデューサーのYaffle(ヤッフル)。4日目は、海外と日本の楽曲制作の際の違いについて—
黒木)きょうはどの曲を聴かせていただけますか?
Yaffle)2020年に出したアルバムから、「Nothing Lasts feat. Stella Talpo」です。
黒木)(曲を聴き終わって)海外の方のアレンジと日本の方のアレンジでは、つくっている側の人間として、何か違いはありますか?
Yaffle)海外でもいろいろあるとは思うのですが、西欧圏に関して言えば、日本の人よりも議論慣れしているところがあると思います。
黒木)議論慣れですか?
Yaffle)何かものがあって、それに対して意見をぶつけ合うことに対して抵抗がないのです。「これは間違っている」とか、「君の案よりこっちの方がいいのではないか」などと言いますね。慣れていないと、それが自分の人格攻撃だと思ってしまう人もなかにはいると思います。その案がよくないと言っていることが、「自分がよくない」と言われているように感じてしまうでの、怒ってしまう人もいます。人によって、言い方は気をつけるのですが、西欧圏の人ははっきりものを言うので、こちらが思っていることを「ワッ」と言っても、それほど空気が悪くならずに、「そのような考え方もあるのか」という感覚です。いい悪いではなくて、作家性が日本人の方が強いなとは思います。
黒木)作家性が強いというのは?
Yaffle)1人で籠って自分の世界観をつくり上げるというのが、いまの日本の現状に近いと思います。そこには通底した個人の意思が入るので、個人のパーソナリティが一体になりやすい。アメリカやイギリスなどのヨーロッパ系だと、アイディアなどをすべてシェアするので、1人で最後までつくり上げて、「これは自分の子供です」という日本のような考え方とは、少し違うマインドで音楽をつくっているなと思います。いろいろな人のいろいろなものを入れてみて、最後にいいものができたらいいという感じですね。
黒木)その方がいいものができそうな気もしますけれども。
Yaffle)これは一長一短だと思います。黒木さんと2人でお話しさせていただいているときにあるテーマが出たとして、2人で「結論を探しましょう」というときと、この場に 50人の人がいて、50人の人がみんな意見を言い合って結論を出しましょうということになったときでは、人が多い方が、誰も文句を言わないような結論が出ると思います。それが2人や3人になったときには、それぞれの個性が入って来るので、極端な意見が出やすいし、それが面白い場合もあります。どうしても、集団でやると早くできて意外性のあるアイディアも出るのですが、1歩間違えると、80点のものができてしまう危険性もあります。
黒木)そう言われると、本当に一長一短ですね。いろいろな状況で音楽づくりをされているわけですが、大学を卒業されてからやっているのですか?
Yaffle)そうですね。大学を卒業したときに、どのように音楽活動をやって行くのか自分でもわからないまま、小袋成彬というアーティストと一緒にレーベルをつくりました。そのときにはインターネットの波がもう来ていて、インターネットだけで音楽を流通させることが当たり前になりつつあったタイミングだったので、自分たちでアーティストを見つけて来て、アーティストのために曲を書いて、流通、宣伝、在庫管理もすべてやりました。それが始まりです。それを聴いて、「うちのアーティストの曲もやってくれませんか」と言ってくれる人が現れ出したのです。
Yaffle(小島裕規)/ 音楽プロデューサー・作曲家・編曲家
■東京都出身。
■大学在学中の2010年末から作曲家・編曲家としての活動をはじめ、2014年、クリエイティブカンパニー「Tokyo Recordings (現・TOKA) 」を設立。
■その感度の高いプロデュースワークで、小袋成彬、藤井 風、iri、SIRUP、SANABAGUNの高岩遼、Capeson、柴咲コウ、Adieu(上白石萌歌)らのアレンジや楽曲提供、またCM音楽のほか、映画『響』『ナラタージュ』『映画 えんとつ町のプペル』『地獄の花園』『キャラクター』などの映画音楽を制作。
■2018年からは自身のアーティスト・プロジェクトを始動。海外アーティストとのライティング・セッションで生まれた楽曲をリリース。2020年9月にはファーストアルバム『Lost,Never Gone』をリリースした。
■6月11日から公開されている菅田将暉Fukase出演の映画『キャラクター』では、主題歌「Character」を手掛けた。「ずっと真夜中でいいのに。」のACAね、ラッパーのRin音と奇跡のコラボ―レーション。作品の劇中音楽も担当されている。6月9日には映画『キャラクター』のオリジナル・サウンドトラックもリリース。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
クレイジーケンバンド・横山剣「いつも最後のアルバムと思いながら作ってますよ」
ananweb / 2024年9月10日 20時0分
-
「ローカリズムをグローバルにという点で、Number_iにはめちゃくちゃ可能性を感じている」
ニューズウィーク日本版 / 2024年8月28日 14時40分
-
LiSAが語る、13年にわたり大切にしてきた、人と混ざり合うことで生まれる化学反応
Rolling Stone Japan / 2024年8月24日 12時0分
-
眞栄田郷敦とWurtSが語る、「表現の世界」で生きる決心をした瞬間
Rolling Stone Japan / 2024年8月23日 9時0分
-
LUSSとMori Calliopeが語る、タイの気鋭サウンドとVTuberが生み出す化学反応
Rolling Stone Japan / 2024年8月19日 17時0分
ランキング
-
1有働由美子 紅白でのSMAPへの“暗黙のルール”ぶっちゃけ「制作側の勝手な忖度で…」
スポニチアネックス / 2024年9月14日 20時40分
-
2「大人になるって、素敵」菊池桃子、年を重ねて気づいた“本物”になるということ
週刊女性PRIME / 2024年9月14日 21時0分
-
3香取慎吾 SMAP解散直後の草なぎ&稲垣と3人での会話明かす「重い話よりも凄い盛り上がっちゃって」
スポニチアネックス / 2024年9月14日 20時2分
-
4伊藤蘭「自宅の前にも普通に…」 キャンディーズ時代のファンとの関係にナイツ驚き「凄い時代だな」
スポニチアネックス / 2024年9月14日 18時48分
-
5サンド伊達みきおが持論 テレビ局は「Xとかの意見を大事にしすぎじゃないですか?」
スポニチアネックス / 2024年9月14日 17時25分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください