スーパーで買うつもりなかったものを「つい」買ってしまう理由 ~『消臭力』CM生みの親・鹿毛康司
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年8月30日 6時50分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(8月20日放送)にクリエイティブ・ディレクターの鹿毛康司が出演。現場から感じ取る横のつながりについて語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。8月16日(月)~8月20日(金)のゲストはクリエイティブ・ディレクターの鹿毛康司。5日目は、モノづくりへの原動力について—
黒木)マーケティングの仕事の魅力というのは、鹿毛さん自身どのように考えていらっしゃいますか?
鹿毛)人に喜んでもらって「ありがとう」と言われるお仕事。これがマーケティングの醍醐味だなと思っています。
黒木)企業に入っていらしてから、CMのクリエイティブ・ディレクターをやられるようになったのですけれども、もともと制作というのはご縁がなかったわけですよね。
鹿毛)まったくなかったです。自分でやらなければいけないことがたくさんあって、必然的にやるようになりました。曲も自分でつくった方がいいしと。
黒木)そうそう。作詞作曲もしていらっしゃるのですよね。
鹿毛)プロにも手伝ってもらいますけれど、8割くらいは自分でつくっています。つくってみたら、うまく行ったのですよね。
黒木)才能が次々と開花している感じですね。
鹿毛)いや、子どもの精神で鼻歌を歌っているようなものです。酔っ払って鼻歌を歌ったときに、「嫌な虫から~♪」と歌っていると、「これはコマーシャルになるな」と。
黒木)なるほど。いまもたくさん手掛けていらっしゃると思いますけれども、これから取り組みたいと思っていらっしゃることや目標などはございますか?
鹿毛)お客様のことがわからなくなるので、なるべく現場に行こうと思っています。いまは田中れいなちゃんが主役をやってくれていますが『赤毛のアン』というミュージカルをやっているのですよ。これ、現場に行かないとわからないことがたくさんあって、例えばみんなで「おもてなしをしよう」と言っているけれど、「おもてなし」についても、お客さんの列に並んでみてわかったことがあります。ときどき自分がやっているミュージカルの列に並ぶのです。
黒木)ご自分がクリエイティブ・ディレクターをなさっているミュージカルに。
鹿毛)並んでみると、風景が違う。これはトイレに行っていいのかなとか。スタートは何時になるのだろうとか、後ろはどこまで並んでいるのだろうとか、不安が出て来るのです。お客さんの列に並んだときに見えることがたくさんある。だからなるべく現場に行って、西川(貴教)さんのライブもなるべく行くようにしています。そこのお客様とお話をすると、いろいろなことを教えてくれますよね。これは、ずっと続けていこうと思っています。
黒木)スーパーなどにお買い物に行ったときに、「こんなもの買うつもりなかった」というものを買ってしまうではないですか。
鹿毛)買ってしまいます。
黒木)その心理は何ですか? それも潜在意識なのですか?
鹿毛)潜在意識ですね。「合理的に買っている」と言う人も、潜在意識で合理的に買っているのです。自分の不安をなくすために、「合理的に考えて買った」と思っているけれど、本当は違うところで買っていたりするのです。
黒木)それは無駄なものを買うというのとは違うのですか?
鹿毛)無駄なものを買うのも、また違う心理が働いているはずです。
黒木)そういうことを鹿毛さんは日々探求して、調べてお客様のなかに入っていろいろなことを思ったり考えたり、そして新しいもののモノづくりへの糧にしていらっしゃる。原動力は、やはりお客様の笑顔でいらっしゃるのですか?
鹿毛)そうですね。1度だけ、数千人のお客様から「ありがとう」と言われたことがあります。福島で西川さんのライブでCMを撮ったときに、ミゲルと島谷ひとみさんがそこにサプライズで出てCMを撮ったことがありました。撮影が終わったその直後に、観客の人たちがステージを見るのではなく、袖にいる私の方に向かって「部長〜! ありがとう〜!」と手を振ってくれたのです。涙が出そうになりました。
黒木)そのなかから生まれた横のつながりの「ありがとう」だったのですね。
鹿毛)そうですね。ありがたいです、それ。
鹿毛康司(かげ・こうじ)/ マーケター・クリエイティブディレクター
■株式会社かげこうじ事務所代表 マーケター、クリエイティブ・ディレクター。「お客様の心に向き合う」をテーマにマーケターとして活動中。同時にクリエイティブ・ディレクターとしてCM監督、プランニング、コピー、作詞作曲を手掛ける。
■早稲田大学商学部卒。ドレクセル大学MBA。
■雪印乳業を経て、2003年にエステー入社。
■エステーを日本有数のコミュニケーション力のある企業に導く。
■エステー執行役を経て、2020年に独立。かげこうじ事務所を設立。
■代表作は「消臭力」CM。2011年震災直後の「ミゲルと西川貴教の消臭力CM」で一大社会現象を起こす。
■現在、グロービス経営大学院教授、エステーコミュニケーションアドバイザー、日経クロストレンド・アドバイザリーボードメンバー/Ad-tech 東京ボードメンバー。
■受賞歴:マーケターオブザイヤー、WEB人貢献賞、ACCゴールド、フジサンケイ広告大賞ほか。
■最新の著書:『「心」が分るとモノは売れる』(日経BP)
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
【エステー】「消臭力 Premium Aroma 玄関・リビング用」から輝きと温かみを持つ女性像がテーマの〈シャイニーソレイユ〉を新たにラインナップ
PR TIMES / 2024年9月11日 15時15分
-
スタバの“消臭剤の説明”がホラーすぎて17万いいね 「帰るまでに命があるかわからん」「お客様どうなってしまうん?」
ねとらぼ / 2024年9月4日 20時30分
-
Snow Man深澤辰哉、“1番天使”なメンバーは佐久間大介 宮舘涼太が“褒めたい”のは岩本照
ORICON NEWS / 2024年9月3日 4時0分
-
西川貴教「盛り上げましょうよ」関西万博公式絵本にイラスト登場!?…今田がキラキラ目で大ボケ
日刊スポーツ / 2024年9月1日 12時12分
-
【エステー】~心地よい空間づくりをサポートする寝室用フレグランス~「消臭力 Premium Aroma For Sleep 寝室用」から、〈ヒーリングカモミール〉の香りを新たにラインナップ
PR TIMES / 2024年8月21日 14時15分
ランキング
-
1「地方消滅」はイコール「観光消滅」…人手不足が加速する人気の観光都市が直面する厳しい現実
集英社オンライン / 2024年9月14日 8時0分
-
2ヨーカドー「大量閉店」で晒された本質的な"弱点" 食品中心の店舗でも透ける「消費者の見えてなさ」
東洋経済オンライン / 2024年9月13日 22時0分
-
3“もう彼とはやっていけない”と思いました… 夫から送られてきた「最悪のLINE」3つ
ananweb / 2024年9月13日 20時45分
-
4驚愕の粘り腰を発揮する斎藤知事を見ていて得られた4つの気づき
NEWSポストセブン / 2024年9月14日 16時15分
-
5腸がどんどん汚れる?注意すべき卵の食べ方3つ
つやプラ / 2024年9月14日 12時0分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください