コロナ禍に総理になってしまった菅総理の不運 ~総裁選先送りも
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年9月1日 11時30分
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月1日放送)にジャーナリストの佐々木俊尚が出演。菅総理が党役員人事と小規模な内閣改造を行い、衆院選の日程を10月5日公示、17日投開票とし、自民党総裁選を先送りする意向であるというニュースについて解説した。
菅総理、9月中旬に解散の意向~総裁選先送りも
菅総理大臣は8月31日、党役員人事と小規模な内閣改造を9月6日にも行い、9月中旬に衆議院解散に踏み切る検討に入った。衆院選の日程を10月5日公示、17日投開票とし、自民党総裁選を先送りする意向だということだ。
飯田)総裁選はすでに日程が決まっておりますので、それをどうするかということです。
感染者が増えれば支持率は下がる~誰がやっても同じ
佐々木)総裁選を乗り切れるかどうかがよくわからない、という話になっているのですが、菅総理は、やっている政策はそれほど悪くないので、もう少し菅総理の評価があってもいいのではないかと思います。コロナ対策で右往左往しているように見えますが、コロナについては、誰がやっても同じ結果になっていたのではないでしょうか。
飯田)誰がやっても。
佐々木)第2次安倍政権末期のころから、感染者が増えると支持率が下がり、感染者が減ると支持率が戻るという繰り返しです。これは政治に対する評価というよりも、単に国民の不安がそのまま支持率に反映されているだけなのです。
コミュニケーションを上手く取ることができない菅総理~国民との対話が苦手
佐々木)ただ、最大の問題は、菅総理はいわゆるディスコミです。ディスコミュニケーションと呼ばれますが。こういう大変な状況が来たときに、どのようにコミュニケーションを取って国民や専門家と対話するかというところで、欠けている部分があるのではないでしょうか。喋るのがあまり上手ではない。どちらかと言うと、昔からいる政治家のパターンで「寝技師」というタイプです。裏で根回ししてやりくりするのが上手なのだけれども、記者会見は得意ではない。コロナ禍のタイミングで総理大臣というのはかわいそうな気がします。
飯田)総理大臣は仕事をする面と、スポークスマンとして発信する面があって、どちらかと言うとスポークスマンの面が有事では強調される部分があります。
佐々木)かと言って、喋ることだけが上手な人は、それはそれで困るのですよ。ニューヨーク州知事のクオモさんなどは喋るのがうまくて、評価されたのだけれど、蓋を開けてみたら怪しいことで告発されたり、コロナの死者を隠していたり、ボロボロでした。喋るのが上手なスポークスマンとしての能力と、政策実行能力のバランスが政治家にとっては大事だと思います。
政局だけの報道は物足りない
飯田)かつてであれば、価値観としては「男は黙って」というところで、どちらかと言うと仕事の部分が評価されていましたが、そういう時代ではない。
佐々木)よく政局報道と言われるのですが、「派閥はどう動くのか」とか、「二階幹事長は誰と密談しているのか」というような報道があります。こういう報道も言ってみれば、昔の選挙や政治がエンターテインメントだった時代の名残だなと思います。まるで映画の『仁義なき戦い』を観るように、誰と誰がつながっているのが面白いという。
飯田)政治がエンターテインメントだった時代の。
佐々木)ただ、いまはコロナ禍や不況が長引き、生活に政治が直結しているという状況のなかで、あまり政局エンターテインメントを取り上げても意味がないと思います。菅政権も末期に近いのだとすれば、次は誰が総理、総裁になるかによって、どのように政策や政治理念が変わるのかというところを、きちんと見て行かなければいけないのではないかと思います。
飯田)そうですね。
佐々木)例えば、高市早苗さんが総裁候補として注目されています。彼女の場合、理念としてはウルトラ保守なところがあるのだけれど、経済に関しては、財政出動を積極的にやりましょうと。「インフレにならない限り、財政出動してもいいのではないか」という発言をされていて、評価されています。どうやって彼ら、彼女らが自分の政治理念を実現して行くのかというところを、議論した方がいいのではないでしょうか。政局だけの報道は物足りない感じがします。
就職や失業に関わるような必要な情報を提供するべき
飯田)これだけ不況が長引いている。特に若年層にとっては、経済政策が大事だということは身に染みていますよね。
佐々木)就職率が維持されるのか、失業率は改善されるのかというところをみんな気にしています。それをやってくれる人かどうかというのを見極める。その見極める情報を提供するのがメディアの役割だと思います。二階さんが誰と密談していたかなどということは、私はどうでもいいいと思うのだけれど。
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