映画『鳩の撃退法』での藤原竜也の新境地 タカハタ秀太監督が語る
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年9月2日 11時40分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(8月25日放送)に映画監督・映像ディレクターのタカハタ秀太が出演。映像の仕事に就いた経緯について、また映画『鳩の撃退法』の主演俳優である藤原竜也について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。8月23日(月)~8月27日(金)のゲストは映画監督・映像ディレクターのタカハタ秀太。3日目は、映画『鳩の撃退法』での藤原竜也の演技について—
黒木)いろいろなジャンルの監督、演出を手掛けていらっしゃいます。ご自分で脚本も書かれています。何年か前に初めてお会いしたときに、「映画をお撮りになっているのですか」とか、「どんなテレビをお撮りになっているのですか」と伺ったら、「何でもやります」とおっしゃっていましたよね。
タカハタ)軽いですね。実際、何でもやらせてもらっていたのですよ。
黒木)ディレクターデビューというのはテレビ番組の『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』なのですか?
タカハタ)その番組がアルバイトでやらせてもらっていた制作会社で始まったのです。いちばん末席のスタッフだったのですが、1年目のときに、「お前ディレクターやれ」と当時の総合演出のテリー伊藤さんという方に言われたのです。それが「失恋傷心バスツアー」シリーズのコーナーだったのです。
黒木)奇才ぶりはいろいろな方がおっしゃっていますけれども、私は音楽ですね。音楽については感性なのですか?
タカハタ)ミュージシャンを目指していたとか、そういうことはまったくありません。普通のノンポリの高校生が大学に行ったような感じで、特に映画が好きだったということでもないのです。テレビ関係に入りたいとも思ったこともなくて、たまたまアルバイトで入ってそのままという感じなのです。
黒木)その方が、いまや全国劇場公開映画『鳩の撃退法』の監督でいらっしゃる。
タカハタ)フラットにいるから、自分ではバランス感覚がいいと思っているのです。
黒木)藤原竜也さんの新境地というか、いままでにないキャラクターですね。
タカハタ)竜也さんはよかったですよね。黒木さんにドラマをお願いしたときも、それまで見たことのない黒木さんを見せたいわけです。だから、見たことない藤原竜也というものを見せたいなというのがずっとありました。そして彼も彼なりに考えて来るわけです。衣装合わせのときに「どんなふうにします?」と語りかけをしたら、「監督の言う通りにしますよ」などと言うのですが、私はそのときに一言だけ、「例えば早口の男ってどうですか」と言ったら、一拍置いて「それは面白いかも知れないですね」という、それだけの会話だけしました。あとは、彼が自分なりに現場に行くまではつくって来たという感じです。
黒木)そういうキャラクターになっていましたよね。
タカハタ)なっていましたよね。
黒木)あの辺りは昇華していますよね、ちゃんとその役になって。
タカハタ)後半もカウンターのなかで喋るシーンがあるのですが、そこは噛まずにスラスラ言えるわけではないですか。言える一方で、俯瞰で見ている自分がいるのですって。「これ、ぺちゃくちゃ言っているけど、『本当にこれで面白いのかな』と思っている自分もいるんですよ」とおっしゃっていました。冷静ですよね。
黒木)彼のように上手い方がセリフをおっしゃると、脚本のセリフの文字が見えて来ないのですよ。ときどき台本が見える方もいらっしゃるではないですか。俯瞰で見ているとおっしゃっているということは、2面性を持ってやっていらっしゃるのか。
タカハタ)藤原竜也さんもラジオをやっていらっしゃいますが、ラジオで喋る藤原竜也さんが、今回の津田真一という役に近いなと思ったのです。ラジオの竜也さんは、もちろん素の竜也さんではなく、ラジオパーソナリティを演じているのかも知れないのですが、ものすごく適当で、あのシェイクスピアを演じるような藤原竜也とは思えない、いい加減な男に見えるのです。それに近いなと思っていて、そういう話もしたのです。黒木さんもラジオでは、朝の爽やかで綺麗な声を出してやっていらっしゃるではないですか。
黒木)綺麗ではないけれど。
タカハタ)これもラジオパーソナリティの黒木さんを演じているのですよね。俯瞰で見ると、「早くシャンパン飲みたいわ」みたいな感じでしょう。実際は。
黒木)いや、そんなことはないです。聴いていてくださっている方が、『鳩の撃退法』を1人でも多く劇場に足を運んでいただけたら、私も本当に嬉しいなと思っているだけです。
タカハタ)いまセリフが見えました(笑)。
黒木)ハハハハ、セリフ書いていないじゃないですか。
タカハタ秀太(たかはた・ひでた)/ 映画監督・映像ディレクター
■1962年・富山県出身。青山学院大学法学部中退。
■伝説のバラエティ番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』でディレクターデビュー。その後、『ASAYAN』『SmaSTATION!!』『チョナン・カン』など数々の番組を担当。ミュージックビデオ・CM・ドキュメンタリーなどさまざまな映像制作を手掛け、黒木瞳主演のドラマシリーズ『黒い十人の黒木瞳』では脚本・演出を担当。ドラマ『赤めだか』ではギャラクシー賞のほか、ドラマ界の賞を総なめにした。
■映画では2004年公開の『ホテルビーナス』でモスクワ国際映画祭コンペティション・パースペクティブ(新人監督部門)最優秀作品賞を受賞するなど、数々の作品を監督。
■最新作は藤原竜也主演作の『鳩の撃退法』(8月27日より公開中)。直木賞作家・佐藤正午の同名小説が原作。ある天才小説家が書いている新作小説が、小説と現実、そして過去と現在を目まぐるしく交差して行く予測不能の話題作。
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