東京都の新規感染者数が減少しても、緊急事態宣言を延長する理由
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年9月6日 17時35分
新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、中等症や重い症状の患者を受け入れる病院では病床の逼迫(ひっぱく)が続いている。川崎市多摩区の川崎市立多摩病院では、今月上旬に30床に増床したが常に満床に近い状況で、ワクチン接種が進んでいない30代から50代の患者が目立つ。院内では患者の血中酸素飽和度の低下を示すアラームが絶え間なく鳴り響き、防護服を着用した看護師らが休む間もなく病棟内を動いていた。治療に当たる本橋伊織医師(36)は「先週末くらいからまさしく『医療崩壊』の状況、患者がねずみ算式に増えピークが見えない」と厳しい現状を嘆いた=11日午後
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月6日放送)にジャーナリストの須田慎一郎が出演。政府が首都圏などで緊急事態宣言を2週間程度延長する調整に入ったというニュースについて解説した。
緊急事態宣言、首都圏などで2週間程度の延長を検討
21都道府県に発令されている緊急事態宣言について、政府は9月12日までの期限を東京・神奈川・埼玉・千葉の首都圏4都県で延長する調整に入った。また、岐阜・愛知・三重の東海3県と、京都・大阪・兵庫の関西3府県でも延長を検討。今週半ばにも対策本部を開いて対応を決めるとしている。
飯田)延長の幅が2週間程度ということで、三大都市圏で延長という話になるのでしょうね。
須田)「東京の感染者数が下がって来ているのに、延長か」ということで違和感を持たれている方も多いのだろうと思います。しかし、医療提供体制、病床使用率、特に重症者向けの使用率を見ていると、かなりひっ迫していることは間違いありません。新規感染者を100%捕捉できているかと言うと、無症状者や軽症者も含めて、すべてができているわけではありません。
新規感染者数よりも医療提供体制が重要~医療体制が脆弱なために延長せざるを得ない
須田)「医療崩壊」とよく言われますけれど、保健所の機能自体もいま崩壊状態になっているのです。かつてやっていた積極的疫学調査、クラスター対策はまったくできない。感染者に対して、もう発症、発熱しているのに聞き取り調査もできないという状況になっている。そういう意味では、新規感染者数が毎日報道されますけれど、あまり意味がないのです。
飯田)新規感染者数は。
須田)病床使用率や医療提供体制が、最も重要なのではないでしょうか。ここが脆弱でものすごい不安があるから、延長せざるを得ないという判断になったのだろうと思います。
ワクチンを2回接種していれば、ブレイクスルー感染しても重症化は避けられる~ワクチン接種をいかに進めるか
飯田)ワクチン接種率は徐々に上がって来ていて、間もなく国民の50%が2回目の接種を終えようとしています。ワクチンによって、重症化はかなりの確率で予防できるとされています。そうすると、ワクチン接種率が上がれば、病床も楽になって来るのですか?
須田)そうですね。ただ、1つ言われているのはブレイクスルー感染です。ワクチンを2回接種しても感染するのではないかと言われていて、それに対する心配があるのだけれども、ワクチン接種の先進国と呼ばれているアメリカなどを見てみますと、ブレイクスルー感染しても、ほとんど重症化しないのです。
飯田)ワクチンを2回接種していれば。
須田)ですので、「ワクチン接種をいかに進めるか」というところがポイントなのだと思います。
飯田)ワクチン接種を。
須田)アメリカの場合は、1日あたり15万人くらい感染者が出るのですが、南部を中心としたワクチン接種が進まない地域に限っています。その関連性も大きいのだろうと思います。
飯田)その辺りを見越したのか、専門家の分科会では、行動制限の緩和策など、基準の一部見直しが出て来ています。
首都圏から遅れてその影響が出る地方の問題
須田)10月以降にどう出口へ向かって行くのか、出口戦略に向けての協議がもう始まっているのです。その一方で、静岡などを見ると、東京の感染者の増減から、だいたい2週間遅れでその影響がやって来るのです。
飯田)2週間遅れで。
須田)東京だけ改善したところで、そのように地方の問題が出て来ます。47都道府県全体を見て行く必要があるのだと思います。
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