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「戸別所得補償制度」の復活が必要な理由

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年9月21日 17時40分

「戸別所得補償制度」の復活が必要な理由

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(9月21日放送)にジャーナリストの有本香が出演。戸別所得補償制度の復活について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」

戸別所得補償制度

立憲民主党の枝野代表は9月19日、秋に予定されている衆議院選挙の公約の第3弾となる地域政策を発表した。このなかで枝野氏は「戸別所得補償制度」の復活など、農林水産業の収入安定策を掲げた。

飯田)お米などの農産物の価格が生産コストを下回った場合、つまり赤字が出てしまう場合に、その部分を生産農家に補償するという制度のことです。随分と懐かしい名前が出て来ましたね。

有本)懐かしいですね。いま自民党は総裁選をやっているではないですか。事実上の総理を決めるということで、国民的にも盛り上がっていますけれど、これは本来、野党がもっと頑張らなければいけないことです。特に枝野さんには、野党第一党として、もっと反省してもらわないといけないのですよね。

飯田)そうですね。

有本)立憲民主党が出して来た政策を見ると、どれもこれも「前の焼き直しなのか?」とか、あるいは「何でそういう狭いところに行くのか?」というような話ばかりです。

戸別所得補償制度~価格が安くなり、余った分は輸出する

有本)民主党政権のときの政策のなかで、唯一評価できると思って期待していたのが、農家に対する戸別所得補償制度です。

飯田)そうですか。

有本)きちんとやれれば、いい政策だと思います。諸外国はこれを導入しているのです。どういう違いがあるのかと言うと、いま、お米でも何でも、農家が損しないように価格で縛っているではないですか。

飯田)そうですね。

有本)それは健全ではないのです。やはり自由に置くべきなのですよ。

飯田)努力した分がきちんと報われるよう。

有本)しかし、農産物はコントロールが効きづらいところがある。実り過ぎてしまったり、天候などの影響を受けて生産できなかったりすることがあるわけです。人力でコントロールできない面がある。諸外国では、農家が貧困に陥らないように、そこを補償しています。

飯田)補償する。

有本)農産物をたくさんつくり、余れば価格が下がって農家が損をするという、いままでの流れになってはいけないということで、価格縛りをしていたわけです。しかし、そうではなく、たくさんつくると価格が安くなるではないですか。でも、「農家は損をしない」ということで、どんどんつくればいいのです。それで余って返った分を輸出すればいい。

すべてのものを補償するのではなく、国家戦略として優先順位を決める

有本)ただし、すべて補償するのではなく、よく言われる「食料安全保障」のような国家戦略と絡めて行くべきです。「これは絶対に自国で賄うのだ」と。積極的に生産し、余って返った分は輸出して、輸出産品として外貨も稼いで行く。そういう流れにするのは、「これとこれですよ」と決める。それをつくる農家に関しては、所得補償をしますよと。

飯田)なるほど。

有本)それ以外の、贅沢な商品作物のようなものについては、なかなか補償は馴染まないわけです。だから、それはそれで別の農業という形にする。非常時も含め、みんなが食べられて、「これは必ず国産で賄わなければいけない」というものを確保し、なおかつ外にも売って行くための体制をきちんとつくらなければいけない。そのためにはやはり、優先順位を決めることです。

飯田)優先順位を。

有本)その優先順位を決めるのが、イコール戦略ということなのですけれど、その辺りの対策がいままで全然ないのですよ。

ある作物を世界中に輸出することは安全保障にもつながる

飯田)EUを見ても、フランスはジャガイモなどに補助金の形で入っている。

有本)やはりフランスは大きな農業国ではないですか。

飯田)そうですね。

有本)周りの国々や世界中に輸出することによって、みんなの胃袋を握っているわけです。これが「イコール安全保障」でもあるわけです。覇権を獲ると言った方がいいかも知れないですね。そういう戦略が日本にはなさ過ぎます。だから農業と国際関係、あるいは一種の国際覇権のようなものを絡めて、戦略を立てて行くということが、いままで日本にはなかったのです。そこに戸別所得補償制度を絡めるのであれば、とてもいいと思います。

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