葉加瀬太郎「ウイスキーのブレンダーか、香水の調香師になりたかった」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年10月4日 12時10分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(9月23日放送)にヴァイオリニストの葉加瀬太郎が出演。音楽と香水の関係について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。9月20日(月)~9月24日(金)のゲストはヴァイオリニストの葉加瀬太郎が出演。4日目は、音楽と香水の香りについて—
黒木)8月18日にリリースされました、アルバム『SONGBOOK』。このアルバムに収録されているなかでは、いちばん古いのが……
葉加瀬)1995年くらいにつくった曲ですね。「Bosporus」という曲です。
黒木)ボスポラスと言えば、海峡。
葉加瀬)そうです。2019年に初めて行きました。沢木耕太郎さんの『深夜特急』という小説が大好きなのですが、そのなかで印象的に描かれているのが、東洋から西洋に渡る「ボスポラス海峡」なのです。
黒木)『深夜特急』の。
葉加瀬)自分の心のなかを見て書いているような曲です。トルコには、ヨーロッパ的なところもあれば、アジア的なところもあります。そしてフランスやイタリア、スペインの人とは全然違うマインドがある。割と日本人に似ているのです。娘の小さいときからのベストフレンドがトルコ人で、親密にお付き合いさせていただきました。
黒木)でも、この曲を書かれたときはまだ行ったことがなくて、沢木さんの小説を読んで、それだけで心のなかの風景を曲にしたのですよね?
葉加瀬)「ボスポラス」という響きが好きでたまらなかったのです。つくってから4半世紀経ちますが、53歳の自分が弾いても面白い曲だなと思います。変な作曲家だなと。
黒木)ご自分のことを。
葉加瀬)こんな曲、なかなか思いつかない。「いま、こんな曲、書けるのかな」と問いかけなければいけないくらいの面白い才能だなと思います。
黒木)西洋と東洋と融合したということですが、私が好きな香水がやはり、その西洋と東洋の融合された香りで……。
葉加瀬)どこの何ですか?
黒木)マダムロシャスの「ビザーンス」という香水です。
葉加瀬)知っています。香水マニアなのですよ。キゾチックな香りですよね。
黒木)この曲を聴くと、その香りを感じます。
葉加瀬)自分では、香水の香りとしては、この曲はシャネルの「エゴイスト」だったのですが。
黒木)これからビザーンスに。
葉加瀬)そうですね。合うかも知れません。
黒木)ただ、製造中止されているのです。
葉加瀬)本当ですか。でも、有名な香水ですよ。
黒木)どうして中止するのだろう。
葉加瀬)世界的にムードとしては、ライトな感覚のものが多くなっているので、パウダリーなものやウッディなものはムスクも含めて、減っているのです。すべてのメーカーがそうです。
黒木)香水マニアでいらっしゃる。
葉加瀬)ウイスキーのブレンダーか、香水の調香師になりたかったのです。未だに香水は普段から3つくらい持っているし、家に帰ったら100、200くらいあります。
黒木)そのときの気分でつけられる。
葉加瀬)シーズンや装いにも合わせます。時間によっても替えます。朝と昼と夜と。服も好きだから、できるだけ着替えて、そのときに香水も替えたい。
黒木)お洒落。
葉加瀬)自分が楽しいだけです。
葉加瀬太郎(はかせ・たろう) / ヴァイオリニスト
■1968年1月23日 大阪府生まれ。
■1990年、KRYZLER&KOMPANYのヴァイオリニストとしてデビュー。セリーヌ・ディオンとの共演で世界的存在となる。
■1996年、KRYZLER&KOMPANYを解散後、ソロ活動を開始。
■2002年、自身が音楽総監督を務めるレーベルHATSを設立。2007年秋から、原点回帰をテーマにロンドンへ拠点を移す。
■ワールドツアーや全都道府県ツアーなどを行い、日本・世界に向け音楽を発信。年間100本近い公演を毎年行い、2018年、ソロのヴァイオリニストとしては史上初となる単独公演での日本武道館公演を成功させた。
■2020年、世界中が未知のウイルスと戦う中、フルアルバム『FRONTIERS』を発売。また全大陸を応援するべく「葉加瀬太郎コンサートツアー2020 FRONTIERS」を開催。
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