大阿闍梨・塩沼亮潤 相手が言おうとしていることがわかるようになった苦行「四無業」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年10月31日 17時35分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(10月1日放送)に福聚山・慈眼寺住職、大阿闍梨の塩沼亮潤が出演。四無業の修行の様子について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。9月27日(月)~10月1日(金)のゲストは福聚山・慈眼寺住職、大阿闍梨の塩沼亮潤が出演。5日目は、四無業という修行のなかで塩沼が体験したことについて—
黒木)塩沼さんは「大峯千日回峰行」という、48キロを険しい吉野の山を歩いて万行をした。その後に、「食べない、飲まない、眠らない、横にならない」という「四無業」という修行をされましたが、そのようなことは可能なのですか?
塩沼)「10日目を迎えたら死ぬ」と言われているのですが、9日でも「生きてお堂から出て来る確率は50%」だと言われています。
黒木)「飲まない、食べないは嘘でしょう」と思ってしまいます。人は72時間水を飲まなかったら危ないと言われていますよね。
塩沼)私も実際に体験したのですが、人間は何もしなくても1日1リットル、体の水分が抜けて行くらしいのです。3日だと3リットル。3リットル水分がなくなるとかなり血液がドロドロになりますよね。そうすると血管をつまらせたりする危険もある。千日回峰行をした人しかこの四無業をしてはいけないというのは、千日間歩いていると、心臓や血管などがすべてきれいになり、少しぐらい負荷をかけても大丈夫な状態になっているからこの業に耐えられるのだなと、あとから勉強してわかりました。
黒木)情報がなかったから。
塩沼)ネットがなかったのでわからなかった。お師匠さんも「死なないようになっているから大丈夫だ」と言っていました。千日回峰行のときも、毎日ほとんどおにぎりと水で生活するのですが、「米を食べていれば大丈夫だ」とお師匠さんが言うので「大丈夫なのだろうな」と思っていました。カロリーは毎日マイナスなのですがね。勢いというのはすごいなと思います。
黒木)四無行では、3日で死臭が漂って来て、それから弱って行って、体重は毎日1キロずつ減って行く。このなかで真言を十万遍唱えていた。不動明王の御真言も十万遍。
塩沼)それを数珠で1個ずつ数えていくのです。これで十万回数えて行きます。
黒木)どのように十万回数えるのですか?
塩沼)数珠は108つなのですが、それで1周すると百回だと見立てて。百回をクリアすると、あとは1000、2000、3000と数えて行って1万まで数えられます。1万数えたら十個ある石を右から左に置いていくのです。そうやって十万回数えます。
黒木)そういうことなのですね。しかも眠らないということは可能なのですか?
塩沼)できました。9年前から千日回峰行は始まっているのですが、将来の9日間を想定して食べ物に気を付けたり体に気を付たり、長い下準備が私は成功したので、意外と3日目からは楽でした。睡魔も襲わずに一定して、非常にいい修行ができたなと思います。ただ、水だけは厳しかったですね。血がドロドロになって行くので。
黒木)特別な力のようなものが人には備わっているのですね。
塩沼)そう思いますね。四無業のときは特に、衝立の向こうで作業している人が匂いで誰だかわかりました。あとは、遠くの物音が聞こえたり、5日目くらいには誰かが伝言で入って来ると、言うことがわかるので、答えを自分から先に言っていました。
黒木)何と言うかがわかるのですか?
塩沼)はい。おそらく、人間というのはそのような能力を誰でも持っていると思うのです。それが眠っているのかも知れません。
黒木)そうは言っても荒業はできないので、日々に感謝して過ごしたいなと思います。
塩沼亮潤(しおぬま・りょうじゅん)/ 慈眼寺住職 大阿闍梨
■1968年(昭和43年)、宮城県仙台市生まれ。
■小学生のとき、テレビで酒井雄哉大阿闍梨の比叡山千日回峰行を見て行を志す。
■1987年、高校卒業の翌年に吉野山金峯山寺で出家得度。1999年、金峰山寺1300年の歴史で2人目となる大峯千日回峰行を満行。
■2000年に四無行を満行、2006年に八千枚大護摩供を満行。
■2003年には故郷の仙台市秋保に慈眼寺を開山し現住職。大峯千日回峰行大行満大阿闍梨。「心の信仰」を国内外に伝えている。著書に『人生生涯小僧のこころ』『縁は苦となる苦は縁となる』ほか多数。最新刊は『幸いをいただきまして このひとときを大切に』。
◎大阿闍梨…弟子の模範になれる位が高い僧侶であり、中でも深い学識や高い徳を備え、千日回峰行などの厳しい修行を乗り越えた僧侶のみが「大阿闍梨」となる。
◎千日回峰行…数ある仏教の修行の中でも荒行中の荒行と言われ、比叡山や吉野・大峯山の山中を、悟りを求めて1000日歩き続ける。
◎四無行…「断食・断水・不眠・不臥(横にならない)」を9日間続ける。現代では千日回峰を果たしたものにしか許されない命を懸けた難行。
◎八千枚大護摩供…五穀と塩を断ち、100日間に渡り護摩を焚き上げる。
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