体調不良の多くは「自律神経の乱れ」から
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年11月22日 11時20分
東京都医師会理事で順天堂大学医学部教授の小林弘幸氏が11月15日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。「結局、自立神経がすべて解決してくれる」というテーマについて解説した。
集大成となる書籍『結局、自律神経がすべて解決してくれる』
飯田浩司アナウンサー)先生の最新刊『結局、自律神経がすべて解決してくれる』が大変売れているということですが、タイトルにはどのような思いが込められているのでしょうか?
小林)20年間、自律神経について研究して来ました。もともと移植の研究をしていたので、「神経の再生」ということに関して、特に自律神経に関しては興味があったのです。ただ、それだけではなく、ちょうど20年前に、体調が自分でコントロールできなくなったのです。
飯田)コントロールできなくなったのですか。
小林)若いときから野球、ラグビーと運動をやって来たものですから、体力のある人間にすると考えられないような、エネルギーが枯渇して来るという状況になったのです。自律神経の知識が入って来れば入って来るほど、「やはり間違いないだろう」ということで、興味を持ってやって来ました。それを最終的にまとめたものがこの本です。
飯田)ある意味の1つの区切り、集大成のようなものと考えていいですか?
小林)そうですね。
慢性疲労症候群 ~自律神経が乱れるとなる
飯田)30代から40代にかけて?
小林)そうですね。30代から40代にかけては、「自律神経が乱れると、こうなってしまうのだな」と。スポーツで言えばオーバートレーニングですね。私たちが患者さんに説明するときは「慢性疲労症候群」と言いますが。やはりそういうものがあるときに、よく症状が出ますね。
飯田)慢性疲労症候群。
小林)気付かないうちに疲れてしまって、「よくわからないけれど、結果が出ない」ということですね。
新行市佳アナウンサー)「気持ちに身体がついて来ない」ということでしょうね。
人間の体をコントロールしているもの
飯田)男性の場合は40歳辺りになると厄年があって、「歳を取ったからだな」と思ったりするのですが、そうではなくて、自律神経の部分が大きいのですか?
小林)そうですね。研究して行けば行くほど、昔から言われていることに当てはまる感じがありました。
新行)研究して行くなかで、「これは自律神経が原因なんだな」と気付いたきっかけは何だったのですか?
小林)現在は自律神経を測定できるようになっていて、その値が相関して来ます。風邪を引いているときにはやはり悪いし、元気なときにはいいし、天気がいいと高いし、天気が悪いときには低いというように。人間の体はそれでコントロールされているのです。自律神経自体のことを考えると当たり前なのですけれども、そういうことです。
自律神経が悪くなるといろいろな病気につながる
飯田)単なる不調から病気につながって行くことがあるのですね。
小林)特に女性では更年期障害、男性でも40歳を超えたころに更年期障害があります。これも1つのポイントです。もう1つは免疫です。コロナで免疫が有名になりましたけれど、やはり自律神経が悪くなって落ちて来ると、免疫力も落ちて来るので、ウイルスにも感染しやすくなります。
飯田)感染しやすくなる。
小林)それから悪性腫瘍もできやすくなってしまう。そういうところでつながって来ます。
飯田)いろいろなものにつながって行くのですね。
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