中国が“胸やけ”を起こすほど嫌がるクアッド、その「2つの意味」 ~2022年にクアッドの会合を日本で開催へ
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年11月23日 20時40分
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月22日放送)に朝日新聞編集委員の峯村健司が出演。2022年に日本で開催される見込みというクアッドの会合について解説した。
2022年、クアッドの会合を日本で開催へ
日本、アメリカ、オーストラリア、インドの4ヵ国による外交安全保障の枠組み「クアッド」の会合が、2022年に日本で開催される見込みであることがわかった。米国家安全保障会議(NSC)のカート・キャンベル氏が明らかにした。実現すれば、バイデン大統領が就任後初めて日本を訪れることとなる。
飯田)NSCでアジア政策を統括するカート・キャンベル氏。いまはインド太平洋調整官というポストについていますが、オンラインイベントのなかで明らかになりました。
峯村)キャンベルさんは私も何度も取材したことがありますが、サービス精神の旺盛な方です。キャンベルさんはクアッドの総責任者なので、この方が「来年(2022年)日本でやる」と言ったということは、ほぼ決まりだと思います。
飯田)ほぼ決まりであると。
峯村)クアッドの会合が日本で行われるということは、非常に大きな意味があると思います。先日の習近平氏とバイデンさんの首脳会談のなかで、キャンベルさんが「アメリカがしていることに中国は胸焼けを起こしている」と言いました。その胸焼けに関して、天丼とかつ丼を合わせたくらいの重みがあるのが、クアッドだろうなと思います。
中国にとって「クアッド」が頭の痛い存在である2つの意味
峯村)そこには2つ意味があります。中国にとって、多国間で圧力を掛けられることが嫌だというのが1つ。あとは、アメリカとの関係が悪かったとされていたインドがある意味、アメリカ側についてしまったということが、中国からすれば頭の痛いところだと思います。
飯田)「そこで組まれたか」という。
峯村)しかも、来年には会合を日本でやり、そこにバイデンさんが初来日するということは、中国にすれば「日本に先を越されてしまう」ということで、2重、3重の痛手になるだろうと思います。
経済安全保障であればクアッドに入り、組めると判断したインド
飯田)クアッドの枠組みは、「外交安保の枠組み」と冒頭でもご紹介しましたが、その部分で言うと、インドがロシアから兵器を買うというニュースも出て来ています。インドとしては、丸々コミットとまでは行かないという感じなのですか?
峯村)もともと軍事面で言うと、インドへの兵器供給について、冷戦期はソ連からの提供がいちばん多かったので、そこは変わりません。ただ、ロシアにべったりだったところが、アメリカへ近寄って行ったということが重要です。
日本がアメリカとインドの橋渡しとなり、クアッドの枠組みを強める
峯村)軍事的な枠組みというよりは、経済安全保障。安全保障のなかでも経済安全保障です。例えばサプライチェーン、半導体などの見直しについて、サプライチェーンをクアッドの4ヵ国で強化するという意味合いが強いので、インドとしてもコミットしやすかったのです。「純粋な軍事的枠組みだと入りづらいけれども、経済安全保障であれば組める」というところがあったのだと思います。
飯田)なるほど。
峯村)日本とインドの関係は伝統的にいいので、アメリカとインドの橋渡しになり、クアッドの枠組みをさらに強めるということが、日本が頑張ればできる役割でもあります。
飯田)医薬品や、これから先は半導体もそうですし、インドとのつながりが大事になります。あるいはそこを介しての東南アジアとのパイプという意味でも、経済安全保障では重要になって来ますか?
峯村)大きいですね。どうなるかはわかりませんが、コロナの第6波を考えると、特にインドはコロナのある意味いちばんの被害者の1つです。一方で医療品、ワクチンの原材料の提供で言うと、インドは力を持っているので、こことアメリカの技術、日本の技術が合わさると、かなり強いサプライチェーンができる可能性があります。
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