参院選へ向け「有権者の皆さんに届くような訴え方、戦術の工夫が必要」 ~立憲代表選立候補の西村智奈美氏
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2021年11月24日 17時30分
ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」(11月24日放送)に立憲民主党・西村智奈美衆議院議員が出演。立候補した理由、また、「日本版マグニツキー法」の整備について言及した。
立憲民主党の代表選挙、福岡で討論会
11月30日に投開票が行われる立憲民主党の代表選挙に立候補した逢坂誠二元総理補佐官、小川淳也元総務政務官、泉健太政調会長、西村智奈美元厚生労働副大臣の4人は、福岡市で討論会などを行った。
飯田)昨日(11月23日)は街頭演説や討論会などが行われ、メディアでも報じられましたし、祝日ということもあり、たくさんの人が集まりました。立憲民主党の代表選に立候補されている方々に日替わりでお話を伺っていますが、今回は西村智奈美衆議院議員に伺います。昨日は福岡での討論会があり、街頭演説もされていらっしゃいました。街の方々の反応などはいかがでしたか?
西村)多くの方が街頭演説や討論会に集まってくださり、立憲民主党を立ち直らせ、みんなでまた国民生活のために頑張って欲しいと、そういう思いを強く感じました。
立候補した理由 ~ボトムアップの政治を再起動させる
飯田)演説のなかでもおっしゃっていましたが、「ボトムアップの政治を再起動させたい」ということを訴えていらっしゃいます。立候補の理由として、ここは大きいですか?
西村)いま何よりも必要なのは、かき消されがちな声、埋もれている声、小さい声、弱い声、こういう声にしっかりと耳を傾けて、本当に困難に直面している方々に対し、政治の力で助けになるということだと思います。上からものを見て、上から政策を押し付けるだけでは、いまのコロナ禍で困難な状況にある方を助けることはできないと思います。ですので、そういう声を今度は力に変えて行きたい。それがボトムアップの政治です。
困窮している方に必要なのは現金給付とサービスとしての現物給付
飯田)力に変えるということは、具体的な政策に落とし込んでやって行くことになると思うのですが、いま、経済面で困窮されている方が多いと思います。どのような政策が考えられますか?
西村)やはり現金給付と現物給付、サービスの方ですね。これをとにかく包括的な仕組みに変えて行くことが必要だと思います。これまでの政府の支援策は、ある一定の方には支援策として届くのだけれども、取り残される方が出てしまうような仕組みでした。いまは第5波が収まっている状況ですので、この時期に見直さなければいけないと考えております。
飯田)そうすると、年収などの線引きというよりも、まずは配り、あとから税金で調整するような形に変えるということですか?
西村)そこは制度設計の目的とバランスだと思います。私は現金給付を決して否定はしません。やらなければならない対象の方々もいらっしゃるのです。
飯田)現金給付を。
西村)しかし、それには自治体のコストや労力が多くかかりますので、社会保障などのサービス面で、誰もがアクセスできる医療や介護、保育、教育。こういうサービスの部分を充実させることを重視して行きたいと思います。
中国の有名テニス選手の問題 ~日本の人権外交の一環としてやる必要がある
飯田)リスナーの皆さんからも質問をいただいています。横浜市の“都会の農夫”さん、農業をされている67歳の方から。「中国の有名テニス選手の問題について、どうお考えでしょうか? 東京オリンピックでは森喜朗さんの発言に関して、さまざまな批判が出ました。今回の件も女性の人権、あるいは性暴力の問題が出て来ている話なのに」といただいていますが、いかがでしょうか?
西村)強く懸念しています。とにかく1日も早く実態を明らかにできるように、日本の人権外交の一環として、外交努力をしっかりとやる必要があると考えています。
北京五輪への外交的ボイコットは諸外国と連携するべき
飯田)スタジオには数量政策学者の高橋洋一さんもいらっしゃいます。
数量政策学者・高橋洋一)北京五輪に関して、外交的ボイコットという話がいろいろな国から出ていますけれど、西村さんでしたらどのように対応しますか?
西村)まずは五輪ボイコットなどという議論が出なくても済むように、日本の外交努力でしっかりと対応する必要があると考えています。もちろんアスリートのこと、あるいはオリンピックの持っている「平和・スポーツの祭典」という意味を考えても実施できるということ、そして日本もそこに参加するということが大事だと思います。いまボイコットなどという話が出て来ているのは、本当に残念です。そうならないように、とにかくいまは人権外交をしっかりと行う。日本は世界に名だたる人権を尊重する国であると見られていますので、まずは外交の力で切り開いて行くべきだと思います。
高橋)いま議論になっているのは本当のボイコットではなくて、外交的ボイコットなのですけれど、これについてはどのようにお考えですか?
西村)そうですね。そこは私も諸外国と連携してやって行く必要があるのではないかと、現時点では考えています。
「日本版マグニツキー法」の整備は前向きに取り組むべき
飯田)人権の大切さというところに絡んで、前の国会で成立までは至らなかった中国に関しての非難決議や、超党派でマグニツキー法の日本版をつくるべきではないかという議論もあります。いまの政権はそれに対して前向きではないのではないか、という懸念もありますが、立法府として、人権に対してどのようなアプローチができますか?
西村)私たちはマグニツキー法についても、ぜひ前向きに取り組んで行くべきだと考えています。次の臨時国会ないしは通常国会で提出して、しっかりと審議ができるように、私が代表になった場合は取り組んで行きたいと考えています。
若者政策へのアプローチ ~有権者にどう届けるか
飯田)昨日の討論会でも若者政策について議題になりました。若者からの支持がどうして低いのかという質問も、会場から飛んでいましたけれど、どのようなアプローチをされますか?
西村)私は今回の総選挙を通しても、立憲民主党が訴えて来た若者への政策、あるいは若者を取り巻く環境についての政策、持続可能な社会をつくるということなどについては、決して否定されていないと思います。しかし、それを有権者の皆さんに届けきることができなかった。ここは反省して、次の大きな国政選挙は参議院選挙ですので、そこに向けて訴え方、あるいは戦術などについて工夫しなければいけないと考えています。
野党共闘について
飯田)今回の総選挙について、いろいろな方がいろいろな分析をされています。「届けきることができなかった」とおっしゃいました。野党共闘や共産党との連携というところで、立憲民主党の政策が見えづらかったのではないかという指摘もありますが、ここに関してはどうお考えですか?
西村)立憲民主党の主張が他党との協力、あるいは選挙区の候補者調整などによって変わったということはないのです。しかし、やはり政策のフレーズなど、1つ1つをもっとクリアに、有権者の皆さんに届くような工夫はできたのではないかと思います。
飯田)最後に、お聞きの皆さんに訴えたいことをお願いします。
西村)私は今回の代表選挙を通して、生活感に寄り添った、生活感に近い政治を実行して行く。それは取りも直さず、いま本当に困難な状況に置かれている方の命や暮らし、これを守るために立憲民主党が野党第一党として、もう一度皆さんに力を与えていただくことが必要だと思っております。頑張りますので、どうぞご支援よろしくお願いします。
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