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新型コロナで始まり、新型コロナで終わった医療界の2021年 ~東京都医師会副会長・猪口正孝

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年1月3日 11時20分

新型コロナで始まり、新型コロナで終わった医療界の2021年 ~東京都医師会副会長・猪口正孝

 新型コロナウイルスの感染拡大が止まらず、中等症や重い症状の患者を受け入れる病院では病床の逼迫(ひっぱく)が続いている。川崎市多摩区の川崎市立多摩病院では、今月上旬に30床に増床したが常に満床に近い状況で、ワクチン接種が進んでいない30代から50代の患者が目立つ。院内では患者の血中酸素飽和度の低下を示すアラームが絶え間なく鳴り響き、防護服を着用した看護師らが休む間もなく病棟内を動いていた。治療に当たる本橋伊織医師(36)は「先週末くらいからまさしく『医療崩壊』の状況、患者がねずみ算式に増えピークが見えない」と厳しい現状を嘆いた=11日午後

東京都医師会副会長で「平成立石病院」理事長の猪口正孝氏が12月27日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。新型コロナと闘った医療界のこの1年を振り返って語った。

川崎のコロナ病棟 病床逼迫、ピーク見えない=2021年8月11日午後 写真提供:共同通信社

川崎のコロナ病棟 病床逼迫、ピーク見えない=2021年8月11日午後 写真提供:共同通信社

新型コロナで始まり、新型コロナで終わった

飯田浩司アナウンサー)いよいよ2021年が終わります。この1年間はどのような1年でしたか?

猪口)苦しかったですね。コロナで始まり、収束せず、まだ続いています。いろいろなことが起きましたから、医療界全体が苦しかった。

飯田)2021年の年明け前から感染者が増え始め、第3波を迎え、春は第4波、そして夏は猛烈な第5波でした。そしていま、オミクロン株が来ている。2020年の年末から対応をし続けて来たということですか?

デルタ株により、それまでの方法が使えなくなった

猪口)そうですね。年明けのところで山が1つありました。そのときは高齢者中心の感染で、かなりひっ迫した状況になりました。高齢者施設でクラスターが発生して、医療機関は一気に患者さんを抱えなくてはなりませんでした。

飯田)高齢者施設でのクラスターで。

猪口)同じ轍を踏まないように、第4波のときは早めに手を打ち、うまく抑えられたのですが、その方法は第5波のときには使えませんでした。感染の形が違うデルタ株によって、中高年層の働き盛りの人たちの感染が増えたのです。

飯田)デルタ株によって。

猪口)医療として違う形を取らなければいけなかった。波の形が1つ1つ違うというのは、辛かったですね。予想していたことと違うことが起こる。「備えておこう」という経験値が乗り越えられてしまうのです。

新行市佳アナウンサー、猪口正孝氏、飯田浩司アナウンサー

一気に進めることができた日本のワクチン接種

飯田)ワクチン接種がある程度終わっていた高齢の方々はケアできたけれども、まだ接種していない現役世代に波が来てしまった。現場の先生たちは「走りながら考える」という感じでしたか?

猪口)途中からワクチンが若者層にも広がり、国民全体の接種率が上がり、第5波が収まりました。「ギリギリ間に合った」という感じです。日本のワクチン接種は、打ち始めたのは欧米よりも遅かったのですが、一気に打つことができました。

医療従事者や高齢者から先に打つワクチン接種は日本独特のやり方

飯田)日本のように医療従事者や高齢者など、リスクの高い方から順に打つということは、諸外国では、あまり行われていないのですよね。

猪口)日本がワクチンを打とうとした時期は、第5波が来ようとしているときでした。その際、いまから打つのであれば、お年寄りの方から先に打って、守るべき方を守って行くという方法で行いました。途中から若い人も含めてワクチン接種率が上がって行きました。行動範囲の広い人たちにあとから打って、効果が絶大になったわけです。

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