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旧ソ連の共和国はソ連共産党にかなりひどい目に合わされていた ~ウクライナ情勢を辛坊治郎が解説

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年2月18日 21時30分

旧ソ連の共和国はソ連共産党にかなりひどい目に合わされていた ~ウクライナ情勢を辛坊治郎が解説

キャスターの辛坊治郎氏が2月17日、自身がパーソナリティを務めるニッポン放送「辛坊治郎 ズーム そこまで言うか!」に出演。緊迫するウクライナ情勢と、その背景にある旧ソビエト連邦時代の歴史について解説した。

冷戦終結後の国境の変化 PD

ウクライナ情勢をめぐりアメリカの政府高官がロシアの軍隊撤退は嘘と批判

ロシアは2月15日、ウクライナとの国境付近に展開していた軍の一部が演習を終えて撤収を始めると発表した。また16日部隊が撤収しているとする映像も公開した。これに対し米政府高官は「発表は嘘だ。ロシアがここ数日でウクライナの国境近くに7000人の兵士を増やしたことを確認した」と述べロシアを批判している。

辛坊)兵士の数がどうなっているかは、いまはもう衛星で見れば一目瞭然なので、ロシアがそんな嘘をつくメリットはほとんどないのだけれど。

飯田浩司アナウンサー)ロシアはそれこそ2014年のクリミア占領のときなどもそうでしたけれども、「ハイブリッド戦」と呼ばれる情報戦をかなり駆使してくるというところがあります。

辛坊)いまウクライナで15~16日辺りから戦争と関係がないのかあるのかわからないけれども、インターネットその他のハッキングとかがありました。前回2014年のときも侵攻の直前にハッキングとかが多発したので、今回もその兆候ではないかみたいな報道もされていましたけれど。

飯田)17日に(『飯田浩司のOK! Cozy up!』で)ウクルインフォルムという国営通信の日本語版の編集者、平野高志さんと電話をつないだのですが、あれは夜中に起こって朝方には復旧していたので大半の市民は「そんなことがあったのか」というような受け止め方をしていたということです。極力日常を維持しようとしているけれども、戦争は怖いというような方もいらっしゃるという話です。

辛坊)改めてウクライナを見たら、いちばん東の端の南の方はクリミアと一緒に実質ソ連に割譲されてしまっているようなところがあるのですよね。

飯田)ドネツクとルガンスクという2つの州に武装勢力等々が人民共和国を作ったとしているのですが、もちろんこれは国際的にも承認されていません。しかしここに特別的な地位を設定してほしいというのが、ロシアの要望としてあるという。

辛坊)かなり無茶苦茶ですよね。いま21世紀のこの時代に、武力で他国に入っていって。ただ武力というのもやり方が巧妙です。昔は例えばプラハの春のときにチェコスロバキアに戦車で大通りに入ってくようなシーンが全世界に報道されたけれど、そういうやり方ではないのですよね。内通者みたいなものをその国内に増やしていって、「うちは何もしてないけれども、その国の皆さんが勝手にやっているのだ」と言って、うしろから黒覆面の人たちを送り込んでという。ただ正規軍を正面から投入して侵略するというやり方ではないだけに巧妙ですよね。

飯田)そうなのですよね

2022年1月29日、領土防衛隊の訓練に参加する人々=ウクライナ・キエフ近郊(共同) 写真提供:共同通信社

旧ソ連時代の共和国の多くがロシア人、旧ソ連に対してものすごい怒りをずっと抱えている

辛坊)その専門家の見立てとしては、今回ロシアはやらかすのかやらかさないのかどっちなのだろう。つまり脅迫というのは脅しているあいだが役に立つわけです。ナイフをチラチラさせて刺すぞと言っていると脅迫になるけれども、刺してしまえばそれで話は終わってしまうのでそこまでやらないのではないか。結局ウクライナがNATOに入らないという確実な確約みたいなものが感触としてでも得られたら、それでもうロシアとしては十分利益があるわけなのです。実際に刺してしまったらもう終わりだから、刺すフリだけをしているのではないかという意見の方が、最近私が聞いた専門家のなかでは優勢なのだけれど。飯田くんの聞いた専門家はどのような感じでした?

飯田)そこのところはそれこそ2014年より前からずっとプレッシャーをかけ続けているところがあるからという話もあるのですが。一方でアメリカが結構今回に関してはインテリジェンスで得た情報などを積極的に開示する形です。「16日に起こるかもしれないぞ」とか、「ウクライナ軍が撃ってきたというふうに見せかける偽旗作戦というものをやってくるのではないか」とか、具体的な話をいろいろ出して牽制をしているという。

辛坊)でもいまのところそれは当たってないわけでしょう。

飯田)逆に、当たってないということは、抑止になっているのだというような話もあるのですよね。やろうとしてたことをズバリ言い当てられてしまったから、やるにやれなくなってしまったというような分析もなかにはあります。それはどこまでが本当かわからないのですけれども。

辛坊)ものは言いようですね。

飯田)ものは言いようです、確かに。昔、それこそ2014年のときとかに比べると、アメリカは相当情報を具体的に出してきているというのが変化として挙げられているようですね。

辛坊)別の情報だとバイデンは基本的に腰が引けているから、いろいろロシアに対する言い回しみたいなものを総合するとロシアがウクライナに軍事侵攻を仕掛けても、アメリカは本気でそれを軍事力で止める気はないのではないかというニュアンスもありますよね。

飯田)そこでNATOとして武器供与等々でなんとか抑えられるかどうかみたいな話になっています。

辛坊)今回のことでもよくわかりましたが、ソ連のときには我々は名前も知らなかったバルト三国というのがあるではないですか。

飯田)エストニア、ラトビア、リトアニア。

辛坊)確かに言われてみればそこにそういう国があるのだけれど。現実問題としていまは3つ独立国になっているけれども、旧ソ連のころはソ連の一部ということでした。我々の歴史知識からするとあまりそこにかなり特色のあるそれぞれ違う文化を持つ3つの国があるという認識はなかったのだけれど、そういう国も含めて旧ソ連時代の共和国の多くがロシア人、旧ソ連に対してものすごい怒りみたいなものをずっと抱えているのだというのが改めてよくわかります。今回の騒動を見ても、旧ソ連だったころの旧東欧圏とかソ連圏だったところが、どれだけソ連共産党にひどい目に合わされていたかという話です。

飯田)その前の歴史的経緯からもというような話があります。

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