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「糖尿病によって足を切断」はどうなると起こるのか

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年3月10日 11時20分

「糖尿病によって足を切断」はどうなると起こるのか

東京都医師会監事で「さいとう医院」院長の斎藤寛和氏が3月3日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。糖尿病が進んでしまうことの怖さについて解説した。

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

2型糖尿病と1型糖尿病の違い

飯田浩司アナウンサー)糖尿病には2種類あると聞いたのですけれども、どのような違いがあるのですか?

斎藤)一般に糖尿病と言うと、2型糖尿病のことを指します。糖尿病全体のなかで90%ぐらいは2型と言われています。糖尿病は、血糖を利用する「インスリン」というホルモンの作用が不足している状態なのですが、1型の場合はインスリンをまったく、あるいはほとんどつくることができなくなってしまう病気です。

インスリンを体内でつくることができない1型

斎藤)膵臓には、インスリンをつくる「ランゲルハンス島」というところがあります。「島」という名前が付いていますが、小さい細胞のかたまりのようなものが膵臓のなかにたくさんあると考えてください。そこで「ベータ細胞」という細胞がインスリンをつくっているのですが、その細胞が自己免疫でやっつけられてしまうのです。

飯田)ベータ細胞が。

斎藤)そうするとインスリンを全然つくらなくなってしまうので、インスリン注射をしないと、患者さんたちは生きて行けないのです。主に小児期、思春期ぐらいまでに発症することが多いと言われています。ですから、子どもさんたちを集めて「糖尿病キャンプ」をやっていることをご存知の方もいらっしゃるかと思います。

飯田)患者さんたちはインスリン注射を定期的に「この時間で」と決めて、打たなければいけない。

斎藤)非常に自分を律して行かなければいけないということで、小さいころから大変な生活をすることになります。

飯田)血液中の糖を細胞に取り込んで、エネルギーに変えて行くことそのものができなくなる、あるいはあまりできないということですものね。

斎藤)大変な状態ですね。そういう方は糖尿病患者の1割に満たないぐらいです。大部分の方はいわゆる「入って来る糖分の量に対して、インスリンが相対的に足りない。そのために血糖が高くなって糖尿病になってしまう」。それが2型糖尿病になります。

斎藤寛和氏、飯田浩司アナウンサー

糖尿病が進むと足を切断する場合も

飯田)糖尿病が進むと「足の指がなくなる」とか「切除しなければならなくなる」と言われたりするのですけれども、どういうメカニズムなのですか?

斎藤)糖尿病というのは、主に高血糖によって血管の細胞が傷つけられます。それによって血流が途絶えてしまったり、出血してしまったりするわけです。そういう状態は心臓から最も離れたところに表れやすいのです。

飯田)心臓から離れた場所に。

斎藤)足の指は心臓からいちばん遠いところで、いちばん血が足りなくなりやすいところだと考えてください。血液が行かなくなると、その部分は死滅してしまいます。死んだ細胞をそのままにしておくと、そこに菌が付着して全身にまわってしまうこともありますから、そういうところは切ってしまわなくてはいけません。場合によっては足1本、腿の部分から切らなければいけない場合もあります。ですので、気をつけていただかなくてはいけないと思います。

飯田)足を1本切らなければならない場合もある。

斎藤)糖尿病は神経の方も傷つけますので、痛みを感じにくくなってしまうのです。そうするとやけどをしたり、けがをしたりしても「あれ、ここが何かおかしいけれど、ちっとも痛みを感じないな」というようなことになってしまいます。そうすると、知らないうちにそういうところの傷が膿んでしまい、悪くなってしまうこともあります。

飯田)放っておくと大変なことになるのですね。

斎藤)血糖が高いせいで、細菌感染症に罹りやすくなってしまうのです。ですから、肺炎になっても糖尿病の方は治りにくい。

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