日本チームを引っ張った「主将・村岡桃佳の存在」 ~日本は7つのメダル獲得
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年3月14日 11時42分
3月14日のニッポン放送「北京2022パラリンピックインフォメーション」(朝6:32~)では、3月13日に閉幕した北京パラリンピックでの日本勢の活躍について、ニッポン放送・新行市佳アナウンサーが解説した。
日本勢は7つのメダルを獲得
第13回冬季パラリンピック北京大会は3月13日夜、国家体育場(通称「鳥の巣」)で閉会式が行われ、障害者スポーツの冬の祭典が幕を閉じた。
新行)日本は金メダル4個、銀メダル1個、銅メダル2個、計7つのメダルを獲得しました。今大会、日本チームを引っ張ったのは、日本選手団主将のアルペンスキー・村岡桃佳選手でした。滑降、スーパー大回転、大回転で金メダル。スーパー複合で銀メダルに輝きました。
飯田浩司アナウンサー)大活躍でした。
東京パラリンピックでは陸上で出場という驚異のスケジュールの村岡桃佳
新行)村岡選手は東京パラリンピックでは陸上で出場しました。陸上に挑戦したことでターンの正確性が上がり、平昌からさらにパワーアップした滑りを見せました。
飯田)相乗効果のようなものがあるのですね。
新行)スキーは坂があれば滑って行くではないですか。でも、陸上は何もないところから滑り出すので、その分、使う筋肉がスキーと違っているのですよね。そこで鍛えられ、筋肉量が増えたということもあったようです。
飯田)なるほど。
新行)東京パラリンピックが1年延長になったことで、東京パラリンピックから約半年で北京パラリンピックになったではないですか。そう考えると、このスケジュールで調整して来たのは本当にすごいなと思います。
飯田)肉体的にも精神的にも。
滑降とスーパー大回転で銅メダルの森井大輝 ~今後の競技生活にも意欲
新行)村岡選手がアルペンスキーに取り組むきっかけになった憧れの人である森井大輝選手は、滑降とスーパー大回転で銅メダルに輝きました。今大会で6大会連続出場となる41歳の森井選手の目標は、いままで手にしていない金メダルの獲得だったのですが、今回はその夢を惜しくも達成することは叶いませんでした。昨日(13日)は回転で5位入賞でした。
飯田)そうでした。
新行)森井選手は大会を振り返って、「たくさんの人に支えてもらってスタート台に立ち、メダルを獲れたことは嬉しかった。それでも何とか金メダルという形で恩返しをしたかったので、嬉しさと悔しさが入り混じった複雑な大会だった」と語っています。その一方で、「まだまだ早くなれるし戦えると思うので、1年1年チャレンジできれば」と、今後の競技生活にも意欲を見せています。
クロスカントリー男子20キロクラシカルで金メダルの川除大輝 ~オープン10キロリレーで師匠でもある新田佳浩選手とバトンをつないで滑る
新行)昨日の閉会式でも日本選手団の旗手を務めた川除大輝選手は、クロスカントリー男子20キロクラシカルで金メダルを獲得しました。昨日はオープン10キロリレーにも出場しまして、師匠でもある新田佳浩選手とバトンをつないで滑りました。今大会、金メダルを獲得した川除選手と、7大会連続でパラリンピックに出場し、これまで3つの金メダルを獲得して来た新田選手の2人でエントリーということで、1走と3走を新田選手、2走と4走を川除選手が担い、7位に入賞しました。
飯田)新田選手と川除選手で。
新行)川除選手がフィニッシュして仰向けに倒れた瞬間に、新田選手が走って来てお互い抱き合っていましたが、2人とも達成感ある笑顔だったように感じられました。新田選手はレースを終えて、「いろいろなバトンを渡せた。いろいろな意味でやって来た役割は果たせた」と語りました。
飯田)こうやって魂がつながるのだと。
新行)新田選手は、今回のパラリンピックを集大成に位置付けていたのです。
飯田)ここでそういう成長を見られたことが嬉しいと、インタビューで答えていらっしゃいます。
祖父の運転する農業機械に巻き込まれて左腕を損傷した新田佳浩 ~祖父に「負い目を感じさせないように」頑張って来た
新行)新田選手は3歳のときに、おじいさまが運転する農業用の機械に巻き込まれる事故で、左腕の肘から先を失いました。小学3年生からクロスカントリースキーを始め、長野パラリンピックから出場し続けて来ました。バンクーバー大会ではクラシカル2種目で金メダルを獲得し、その金メダルをおじいさまにかけてあげたのです。競技を続けて来た原動力の1つが、おじいさまに「負い目を感じないで胸を張って欲しいのだ」という思いもあったということです。
飯田)おじいさんに。
新行)その後、おじいさまが亡くなられて、一時、競技への熱を失ったときもあったのですけれど、「祖父のためではなく自分のために」と、ここまで続けて来ました。
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