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コロナ禍の教育環境で学ぶ子どもの「将来的な不安」

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年3月16日 11時20分

コロナ禍の教育環境で学ぶ子どもの「将来的な不安」

東京都医師会理事で「かずえキッズクリニック」院長の小児科医、川上一恵氏が3月9日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。コロナ禍の教育環境で育たなければならない子どもの将来への危惧について語った。

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

給食の時間も黒板に向かい黙って食べる

飯田浩司アナウンサー)私も7歳の子どもがいまして、小学校1年生なのですが、コロナ禍の学校しか知らないのです。学校生活もいろいろなところで変わってしまっていますよね。

川上)感染予防という目的で、人が集まる行事がすべて中止になっていると思います。しかもそれが2年続いています。

飯田)給食は黙って食べろと言われています。昔であれば、縦に並べている机を横にして、6人くらいの班をつくり、そこで「おいしいね」などと言いながら食べていました。それがいまは「黙って食べなさい」と。班もつくらず、みんな前を向いて黒板を睨みながら食べている。

川上)学校はいざというときに備えて、給食の際も子ども同士の間隔を1メートル以上開けるように机を配置し、前を向かせています。一方向を向いていれば飛沫も飛ぶ方向が決まっていますので、そのなかで食べるようにしています。「默食」という新しい言葉もつくられてしまいました。

理科の実験や家庭科の調理実習もできない

川上)運動会や学芸会、修学旅行。授業のなかでも図工の時間や理科の実験、家庭科の調理実習などもできなくなっています。

飯田)そうなると、カリキュラムにも影響が出て来ますね。

川上)学校で生活におけるいろいろなスキルを身につけることができなくなっています。この余波は小学生だけではなく、高校生にまで及んでいます。

新行市佳アナウンサー、川上一恵氏、飯田浩司アナウンサー

中学や高校の3年間、ほとんど何もできずに終わってしまう

飯田)中学や高校になると、在学期間が3年間しかない。そうすると、ほとんど何もできずに終わってしまうという状況がこれから出て来ますか?

川上)すでに出ています。特にコンタクトスポーツと言われるような運動部の合宿ができないので、中学生、高校生は合宿での楽しい思い出がないのです。しかもマスクをしているから、友だちの顔がわからない。小さいお子さんだと、マスクでお友だちの気持ちが読めない。それをどう補って教えるかという問題も出ています。

小学生が転びやすいという現象も

飯田)コンタクトスポーツも含めて、運動もやりづらくなると、体力面も影響を受けるのではないですか?

川上)体力的にも落ちていると言われています。小学生が転びやすいという話を聞きます。統計が出るのは数年あとになるので、運動能力測定で数字が出るかと言うと微妙ですが、現場の養護教諭さんに話を聞くと、実感として子どもたちがよく転ぶということをおっしゃっていました。

飯田)社会科見学的な、「近所の公園まで歩いて行きましょう」ということもできなくなってしまうわけですよね。

川上)遠足もほとんどやっていません。

子どもの将来を考えて、コロナ禍の教育を考え直すべき

飯田)大人のイメージだと学校は「勉強するところだろう」と思うけれど、それだけの機能ではないわけですよね。社会性を身につけられないという状況は10年後、20年後にかなりの影響を受けそうな気がしますが。

川上)想像するととても怖いです。そこを考えて、私たちはいまから動いておかないと、本当に困った状態になってからでは遅すぎることになります。回復するためにも、また20年、30年かかってしまいます。いまの状況がすぐに終わることもなさそうですので、そろそろ私たちは子どもの育ちというものを考えるべきではないかと思います。

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