再開した浪江町での酒づくり 「鈴木酒造店」5代目蔵元の念願
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年3月21日 22時29分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(3月7日放送)に鈴木酒造店5代目蔵元の鈴木大介が出演。酒蔵と浪江町への思いについて語った。
黒木瞳がさまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。3月7日(月)~3月11日(金)のゲストは鈴木酒造店5代目蔵元の鈴木大介。1日目は、浪江町への思いについて—
黒木)鈴木酒造店は福島県浪江町の沿岸部の請戸地区にある酒造店。地域の方々に親しまれて来ました。しかし、2011年の東日本大震災の津波で蔵はすべて流され、しかも原発事故で避難指示が発令され、鈴木さんは山形県長井市に避難されました。その後、長井市で酒づくりを再開。そして、2021年の3月、浪江町の「道の駅なみえ」に新しい醸造所を完成。浪江町での酒づくりが再開したのですね。
鈴木)2021年の3月から再開いたしました。
黒木)感慨深かったのではないですか?
鈴木)震災のあと、浪江町で酒づくりをやりたいというのは念願でしたので、いろいろな関係者のご努力によって、できるというのは感慨無量です。
黒木)「磐城壽(いわきことぶき)純米吟醸大漁旗ラベル」、飲ませていただきました。
鈴木)ありがとうございます。
黒木)すうーと体に入って行く感じで、雑味がなくさっぱりしていて、いくらでも飲めてしまうような味わいだったのですけれども、それは合っていますか?
鈴木)水がきれいなところなので、その水のきれいさを表現したいというのと、原料米はコシヒカリなのですけれども、雑味の出ない処理をしているものですから、黒木さんがおっしゃる通り、きれいでのど越しがよい、やわらかいお酒になっているかなと思います。
黒木)お酒は福島県浪江町請戸地区では、特別なお酒なのですって?
鈴木)私が幼少のころからなのですけれども、もともとは海鮮問屋を先祖が営んでいて、その過程で酒蔵を始めました。ずっと港町に隣接するような酒蔵だったもので、漁師さんたちが漁の具合を尋ねるのに「酒になったか」と聞くのですよ。「魚獲れたか」と直接聞くのではなくて。
黒木)「酒になったか」と。
鈴木)地元の漁協組合から大漁のときには大漁祝いとして、船主さんにお酒が進呈されたのです。
黒木)祝い酒なのですね。ということは浪江町の方々、漁師の方々は2021年3月に再開されて、喜んでいらっしゃるのではないですか?
鈴木)我々の請戸地区というのが、水産業しかいま残っていないような状況なものですから、それ以外のものが1つ浪江に戻って来たということで、漁師さんたちにはすごく喜んでいただいています。私たちも請戸の人たちが頑張っていることは励みになります。お互いに励まし合っているというよりは、「いいものを世の中に出して行こう」というような感じです。
黒木)地元の方々は「鈴木さんがいらっしゃるから、自分たちも頑張って行ける」とおっしゃっているではないですか。それはうれしいお話ですよね。
鈴木)本当にありがたいことです。やはりお酒というのはお祝い事で、みんなで喜びを分かちあって飲むのがいいことだなと思うのですけれど、震災があって、原発事故があって、コミュニティがなくなってしまいました。
黒木)そうですね。
鈴木)すべてなくなったような町なのですが、何かしら新しいものが出て来るというその喜びがあります。そのときには、うちの酒がそこにまた出て行く、そして人の輪ができるというのが、自分たちにとってうれしいことです。そうなって行きたいと思います。
鈴木大介(すずき・だいすけ) / 鈴木酒造店代表取締役
■山形県長井市にある「鈴木酒造店」の5代目蔵元。
■もともと鈴木酒造店は、福島県浪江町の沿岸部にある請戸地区で江戸末期から酒造りをしてきた酒蔵。代表銘柄の「磐城壽(いわきことぶき)」は、“日本一海に近い酒蔵” として請戸の漁師をはじめ、地域の人々の暮らしに欠かせない祝い酒として親しまれてきた。
■しかし2011年の東日本大震災の津波ですべてを流失。また、福島第1原発の事故により、浪江町から避難を余儀なくされる。
■その後、鈴木さんは「浪江の酒を復活させて欲しい」と言う周囲の声を受け、2011年12月から、山形県長井市の老舗酒蔵を引き継ぐ形で酒造りを再開。素直に水のよさと米のよさを表現しながら、日本酒が持つ可能性を追求している。
■浪江町にある「道の駅なみえ」の敷地内には鈴木酒造店の酒蔵が設置されていて、2021年から再び浪江での酒造りを実施。製造工程を見学することができ、お酒の販売はもちろん、利き酒も楽しめる。
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