恩師である高崎一郎との出会い 朝妻一郎
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年4月15日 18時20分
黒木瞳がパーソナリティを務めるニッポン放送「あさナビ」(3月28日放送)にフジパシフィックミュージック会長の朝妻一郎が出演。音楽業界に入るまでの経緯と自身の著書について語った。
黒木瞳が、さまざまなジャンルの“プロフェッショナル”に朝の活力になる話を訊く「あさナビ」。3月28日(月)~4月1日(金)のゲストはフジパシフィックミュージック会長の朝妻一郎。1日目は、音楽業界に入るまでの経緯と自身の著書について—
黒木)いろいろな素晴らしいヒット曲を世に送り出されてきた朝妻さんですが、著作権というものが認知されていなかった時代、1966年に音楽出版ビジネスのキャリアをスタートされて、今日まで洋楽、邦楽問わず無数のヒット曲を世に送り出されて来ました。音楽出版ビジネスのパイオニアでいらっしゃいますけれども。
朝妻)偶然、この業界に入ったのですが、当時、著作権というものがまだ一般的ではなかったので、私などでも、見よう見まねで勉強できたのですね。入るのが5年遅ければ、他の方によって音楽出版ビジネスが確立していて、私の出番はなかったのかも知れません。
黒木)そうなのですね。
朝妻)1966年という時期が、そういう意味では本当によかったのだと思います。
黒木)ニッポン放送でもアルバイトをしていらしたということですが。
朝妻)ニッポン放送に高崎一郎さんというディスクジョッキーで制作のプロデューサーがいらっしゃったのですけれども、高崎さんのアシスタントをしていました。電話リクエストの選曲をしたり、あるいはケン田島さんや三木鮎郎というディスクジョッキーがいらっしゃったのですけれども、その方々の番組の選曲構成など、いろいろな仕事をくださいました。
黒木)高校時代から選曲をしていらしたのでしょう。
朝妻)高校3年のときには既にやっていましたね。いろいろな方から「お前、洋楽にくわしいじゃないか」と言われて、レコードの解説の仕事をくださるようになって、いまの音楽評論家のような仕事が始まったのです。
黒木)ポール・アンカは私も大好きです。「ゴールデンボウル」という連続ドラマがあって、出演していましたが、そのドラマはポール・アンカの曲で全部構成されていたのです。ポール・アンカの曲の力が素晴らしく、作品を盛り上げてくれました。
朝妻)ニッポン放送で放送されていた「ミラクルリズム」という番組があったのですが、そこでポール・アンカの「ダイアナ」を聴いて、「すごいな、こいつ」と驚いて、一挙に好きになってしまいました。その「ミラクルリズム」という番組が「友の会」の会友を募集するというので入ったのです。それが私が高崎さんと知り合うきっかけとなりました。
黒木)そんな朝妻さんですけれども、アルテスパブリッシングから『高鳴る心の歌 ヒット曲の伴走者として』というご本を出版されました。これは雑誌に書かれていた「あの日あの頃」という連載を……。
朝妻)「ミュージック・リポート」というレコード業界誌に連載していたものを今回まとめました。
黒木)音楽出版ビジネスについて、また、それぞれのヒット曲が生れた経緯などが書かれていますが、どのような方々に読んでいただきたいですか?
朝妻)音楽出版というビジネス自体がある程度確立してしまっているので、最初のころのいろいろな出来事をほとんどの方がおわかりになっていないわけです。音楽出版というビジネスがいまのようになるまでに、どういう道を辿ってきたのかということを、なるべく多くの方に知っていただきたいと思います。
黒木)どのような道を辿ってきたのか。
朝妻)いまいらっしゃる方も、これから入る方にも、「こういうことがあったのか」ということを勉強してもらうと役に立つのではないかなと思います。私はどちらかというと横を走っている伴走者で、メインのランナーではないと思うのです。だから著作権のビジネスに関しても、引っ張っていく方がたくさんいらして、その人たちの横を歩いていた、あるいは走っていたという感じだと思います。
朝妻一郎(あさつま・いちろう)/ フジパシフィックミュージック会長
■昭和18年 東京生まれ。
■昭和41年 株式会社パシフィック音楽出版に入社。
■昭和55年 常務取締役 就任。
■昭和60年 代表取締役 就任。
■昭和60年 合併により、「株式会社フジパシフィック音楽出版」と改称。代表取締役社長に就任。
■平成17年 代表取締役会長 就任。
■平成27年 株式会社フジパシフィックミュージックと改称。
■パシフィック音楽出版時代より、ザ・フォーク・クルセダーズの「帰って来たヨッパライ」、モコ・ビーバー・オリーブの「海の底でうたう唄」、加藤和彦・北山修の「あの素晴しい愛をもう一度」をはじめ、山下達郎、大滝詠一、サザンオールスターズ、オフコースなど多くのアーティストのヒットづくりに携わる。
■2022年2月28日に著書『高鳴る心の歌 ヒット曲の伴走者として』(アルテスパブリッシング)を発売。
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