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医療現場における「医師の働き方改革」への現状と今後

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年4月22日 11時20分

医療現場における「医師の働き方改革」への現状と今後

東京都医師会理事で「葛西中央病院」院長の整形外科医、土谷明男氏が4月15日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。医療界の働き方改革について解説した。

ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」

医療現場における働き方改革への取り組みはこれから

飯田浩司アナウンサー)2024年の「医師の働き方改革」施行を目指して、現場でも取り組みが行われているということですが、周知は進んでいるのでしょうか?

土谷)なかなか進んでいないですね。先進的に取り組んでいる病院もありますが、まだごく一部です。医療界全体としての取り組みはこれからというところです。

飯田)これまでは現場が無理をして回してきた現実がありますが、今後はその無理が法律的に効かなくなってくるので、どうするのか、というところです。例えば泊まり勤務や残業などについては、強制的に規制される形になりますか?

土谷)規制されるのは連続勤務時間です。「連続ではこの時間までしか働いてはいけません」と。あるいは勤務と勤務の「インターバルの時間をきちんと守ってください」という規制も入ってきます。

デジタル化によって逆に増えてしまった医師の仕事

飯田)書類関係の仕事が多いということですが、デジタル化によって勤務時間が減るというような、理想的な展開になるのでしょうか?

土谷)実は逆に手間取っています。例えば、今回の新型コロナウイルスの流行で、厚労省は「HER-SYS(ハーシス)」という仕組みをつくりました。コンピューター上に患者情報を入力するのですが、ハーシスの入力は夜中でもできますので、診察や対人の仕事が終わったあとにやることになります。そのために「夜の12時を過ぎてもやっています」とか、「夜中の2時に終わったよ」という話はよく聞きます。

飯田)その分、医師の仕事が増えている。

土谷)デジタル化を進めていると言いますが、逆に手間がかかっています。産業界においてはデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進し、「デジタル化によって働き方を変えるのだ」と言っていますけれども、まだまだそこまでは辿り着いていないのです。デジタル化によって逆に手間がかかっているのが医療界の現状だと思います。

飯田)逆に手間がかかっているのが現状。

土谷)いまはもちろん過渡期だと思います。このまま進んでいけば、5年後なのか10年後なのか、50年後なのかはわかりませんけれども、いい方向に進んで欲しいと思います。

土谷明男氏、飯田浩司アナウンサー

今後は待ち時間が長くなることも

飯田)今後の課題、あるいは皆さんに向けて訴えたいことなどがありましたら、お願いします。

土谷)「医師の働き方改革」と言っても、いまは時間外の労働時間の規制になっています。医療を受ける人からすると、「お医者さんが働く時間が減れば、見てもらう時間も減るのではないか。単純に待ち時間が長くなるのでは」という懸念もあると思うのですが、その通りだと思います。

飯田)待ち時間は長くなる。

土谷)「医師の働き方改革」は2年後から始まるわけですけれど、その前から徐々に進んでいくと思いますので、いままでのように医療を受診できる状況ではなくなってくるかも知れません。

飯田)それを考えたら、逆算すると「病気にかからないためにはどうすればいいのか」とか、「発症を防ぐためにはどうすればいいのか」というところに、我々は力を入れていく方向になるかも知れないですね。

土谷)そうですね。病気にならないように健康を意識する、医療リテラシーを向上していくということも、強く勧められるのではないかなと思います。

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