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失業率は「半年前の経済状況」を反映している  失業率と数字の見方を高橋洋一が解説

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年4月27日 20時32分

失業率は「半年前の経済状況」を反映している  失業率と数字の見方を高橋洋一が解説

数量政策学者の高橋洋一が4月27日、ニッポン放送「飯田浩司のOK!Cozy up!」に出演。2.6%に改善された3月の失業率について解説した。

ニッポン放送「飯田浩司のOK!Cozy up!」

失業率と数字の見方

総務省が発表した3月の失業率は2.6%となり、前月から0.1ポイント改善した。

飯田)3月の失業率が2.6%に改善したということですが、足元の雇用はどのように見たらいいでしょうか?

雇用統計は「遅行指標」 ~半年ほど前の状況を反映している

高橋)失業率は特にそうなのですが、雇用統計は経済指標のなかでは「遅行指標」と呼ばれているのです。遅れて出てくるというものです。だから失業率統計のようなものは、半年ほど前の状況を反映している感じになるのです。

飯田)これは3月の数字だから。

3月の失業率は2021年10月~12月を反映したもの ~オミクロン株流行の前で景気もよかった

高橋)去年(2021年)の10月~12月くらいのものなのです。そのころは感染も少し落ち着いて……。

飯田)オミクロン株が流行する前ですからね。

高橋)オミクロン株の流行前で、経済もよかったでしょう。

飯田)秋口はよかった。

高橋)そういう数字が出てくるので、そのような解釈をするべきです。これを見て「足元」とおっしゃいましたが、足元ではなく、かなり前の話です。

飯田)前の経済状況が反映される。

高橋)ですので、「よくなっている」ということではなく、「よくなっていた」と読むのが普通です。「去年の秋口は経済活動も多かったな」ということです。

これから先は厳しくなる

飯田)逆に言えば、これから先を考えると1月~3月は……。

高橋)1月~3月は行動制限をしたし、規制しましたので、あまりよくないはずです。ただ、そのときは雇用調整助成金によって少し抑えていた。そういうことがなくなる半年先を見ると、かなりキツくなるのではないでしょうか。

半年後にGDPギャップが大きいと失業率が上がる

飯田)確かに休業者数を見ると、去年1年間の数字として210万人と出ていますが、相当高いという指摘もあります。一昨年(2020年)よりはましだけれども。

高橋)前を見ているだけなので、雇用の話は先を見るのが難しいのです。他の数字で見ていくのですけれども。

飯田)他の数字というと?

高橋)基本的には、総需要と総供給の需給ギャップ(GDPギャップ)がいちばん大きいです。これが足元の話になるので、半年後くらいに「GDPギャップが大きいと失業率が上がる」という形になります。

統計方法を変更

高橋)次にGDPギャップが出てくるのは、ゴールデンウィークのあとです。1月~3月の数字が出てくるのは。ここはあまりよくないはずです。しかし、そのために統計のやり方を変えたりしています。

飯田)統計の方法を変える。

高橋)いろいろと変えているので、変な感じはしますね。見かけの数字はいいような気はしますが、統計を改定するときはそうなのです。

飯田)いい数字が出るように改定するから。中身の要素を変えるのですか?

高橋)中身や計測のやり方を少し変えるので、大変なのです。「前の通りだといい数字が出てこないはずだ」ということだけ申し上げておきます。

飯田)物価に関しても、携帯電話料金の下押し分がなくなるという。

高橋)4月からですね。5月に発表されるのですが、コアコア(生鮮食品及びエネルギーを除く総合)は0.5%くらいかも知れません。いまマイナス1%なので、マイナス1%が0.5%くらいにはなると思います。

飯田)少し水面には顔を出すけれど。

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