松本剛・今川優馬 BIGBOSSチルドレンが語る「家族への感謝」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年5月13日 17時25分
![松本剛・今川優馬 BIGBOSSチルドレンが語る「家族への感謝」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_360710_0-small.jpg)
【プロ野球西武対日本ハム】 ヒーローインタビュー後、写真撮影に応じる日本ハム・松本剛 =ベルーナドーム
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、北海道日本ハムファイターズで奮闘する2人の「BIGBOSSチルドレン」、松本剛選手・今川優馬選手と「家族」にまつわるエピソードを紹介する。
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【プロ野球西武対日本ハム】ヒーローインタビュー後、写真撮影に応じる日本ハム・松本剛=2022年4月12日 ベルーナドーム 写真提供:産経新聞社
現在、パ・リーグ最下位。早くも自力優勝の目が消滅してしまった北海道日本ハムファイターズ。BIGBOSS・新庄剛志監督が就任時に宣言した「優勝は狙いません」の通りになっているわけですが、選手個人はタイトル争いを演じるなど、楽しみな要素はいくつもあります。
代表格は、打率と盗塁数でリーグ1位の松本剛。そして、本塁打数で山川穗高に次いで2位タイにつける今川優馬(※記録はいずれも5月12日時点)。松本はプロ11年目の28歳。今川は2年目ですが、大学~社会人経由の25歳。そう呼ぶのは年齢的に失礼かも知れませんが、2人はよく「BIGBOSSチルドレン」として名前が挙がる選手です。
松本剛は開幕1ヵ月の時点で打率4割台をキープ。さすがに研究され、一時は3割5分台まで打率を下げますが、5月11日のオリックス戦では、プロ初の4安打をマークして3割8分台に再上昇。さらにその試合で盗塁を2つも決めてみせました。
5月12日の時点で、打率.382、12盗塁はいずれもリーグトップ。出塁率.438、得点圏打率.500は、いずれもオリックス・吉田正尚に次ぐリーグ2位。一時的な好調ではなく、コンスタントにヒットを重ね、いまや“チームの顔”として堂々たる成績を残しています。
プロ11年目の松本剛は過去、規定打席に達したことは、2017年の1度だけしかありません。そのときの打率は.274。3割を打ったことが1度もない選手が、いったいどうして急に覚醒できたのか? その原動力の1つが、昨年(2021年)10月に誕生した長女です。
『僕が働かないと家族に迷惑をかけてしまう。野球をやっているっていつになったら(娘が)わかってくれるかなとすごく考えて。5歳くらいになったら理解すると思う。最低でもそこまでは頑張りたい』
~『サンケイスポーツ』2022年5月2日配信記事 より
松本剛と同様、家族の力を武器に奮闘を続けるのが地元・札幌出身の25歳、今川優馬です。豪快なフルスイング、そしてインタビューやSNSで「執念!」という言葉で締めくくることでも知られるスラッガーです。
ルーキーイヤーの昨年(2021年)は13試合に出場し、打率.071とプロの壁にぶつかりながらも、「執念先輩」の異名通り、不屈の精神で挑んだ今季は既に6本塁打を放っています。
4月28日のオリックス戦では、プロ入り初の1試合2本塁打を含む4打数4安打と大暴れ。この試合で勝利投手になった伊藤大海とともに、「道産子2人によるお立ち台」を実現して話題となりました。
今川は、6人兄弟の長男坊。大学時代は家計を助けるため、札幌市内の焼肉店でアルバイト。そのお金で弟たちは野球道具を購入していたそうです。
「家族を早く楽にさせてあげたい」という責任感から、早くにプロ入りを希望していた今川。しかし、東海大四高では高3の春、ダイビングキャッチをした際に骨折。懸命のリハビリで夏の甲子園では代打で打席に立ったものの、プロのスカウト陣へアピールするまでには至りませんでした。
大学(東海大北海道キャンパス)時代は4年春にリーグの首位打者、ベストナイン、特別賞を受賞する活躍でチームを全日本大学野球選手権へと導きながら、部内の不祥事で出場辞退。またも全国の舞台でアピールは叶わず、プロ志望届を出しても指名漏れと、ここでも挫折を味わいました。
社会人野球・JFE東日本時代は1年目からチームの主力打者として活躍し、都市対抗野球優勝に大きく貢献。優秀な新人選手に贈られる若獅子賞も受賞と大いにアピールします。ところが……ドラフトに直結する社会人2年目は、コロナ禍によって全国大会が開催されず、アピールの場を奪われてしまいました。
度重なる不運に見舞われた今川。苦境を乗り越え、2020年のドラフト6位で悲願のプロ入りを果たした、まさに「執念の男」です。だからこそ、プロ入りが決まった際には、こうコメントしました。
『家族なしでは、ここまでこられなかった。家族全員で、つかんだ夢』
~『日刊スポーツ』2020年11月27日配信記事 より
振り返れば昨年、ホームランでプロ初安打を記録した札幌ドームでの試合には、仕事で来られなかった弟(次男)を除く家族全員がスタンドに集結。大切な家族が見守るなかで放った、記念すべきプロ初アーチでした。
そして、勝負のシーズンとなった2年目のいまも、今川は折に触れて家族への感謝を言葉にしながらプレーを続けています。例えば、5月5日のこどもの日には、自身のSNSでこんなコメントをしています。
『兄弟とは昔から仲良しでした! それも両親がたくさん愛情を注いでくれたからだと思ってます。そんなこどもの日が両親の結婚記念日。両親の出会いに感謝です』
~2022年5月5日付 今川優馬インスタグラム より
さらに、5月8日の母の日のあとには、こんな言葉を記しています。
『昨日は母の日でした! 日頃の感謝の気持ちを込めてピンクの道具を使わせて頂きました! 小さい頃からたくさん応援してくれたお母さんに楽しく野球してる姿をこれからも見せていきたいです! いつもありがとう』
~2022年5月9日付 今川優馬インスタグラム より
常に感謝の気持ちを全面にしてプレーする姿は、北海道のファンにも認められつつあり、ファンも急増しています。
今季はおそらく、次世代を担う才能を発掘する年と位置付けているBIGBOSS。結果を出しつつある松本剛・今川優馬が真のタレントになれるかどうか? そして、2人に続き飛躍を遂げる選手が現れるかどうか? 「期待値で魅せるBIGBOSS野球」から、ますます目が離せません。
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