オーストラリア新政権を「試している中国」 南シナ海で中国・豪州両軍機接近
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年6月8日 17時40分
25日、教師や学生代表との座談会で重要演説を行う習近平氏。習近平(しゅう・きんぺい)中国共産党中央委員会総書記・国家主席・中央軍事委員会主席は25日午前、青年節(5月4日)を前に北京市の中国人民大学を訪れ、思想政治科目のスマート教室、博物館、図書館を視察した。(北京=新華社記者/鞠鵬)= 配信日: 2022(令和4)年4月26日、クレジット:新華社/共同通信イメージズ
数量政策学者の高橋洋一が6月8日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。南シナ海で発生した中国軍とオーストラリア軍機の接近について解説した。
南シナ海で中国とオーストラリア両軍機接近、双方非難
中国国防省はオーストラリア軍のP8哨戒機が5月26日、南シナ海西沙(英語名パラセル)諸島付近の「中国領空」に接近したなどとして、「断固とした反対」を表明した。これに先立ち、オーストラリア側は中国軍の戦闘機「殲16」がオーストラリア軍機に近づき、危険な進路妨害を行ったと非難していた。
飯田)発生したのが5月26日です。6月5日の時点でオーストラリア側は、中国軍機が公海上空で異常な接近をしてきて危なかったということを公表しています。そこで中国側は、「公海ではなく、中国の海だ」と言っているということですが、行儀が悪いですね。
中国軍機が「チャフ」を放出
高橋)「中国軍機がチャフを放出」とあります。映画『トップガン』に出てきますが、チャフを出して、ミサイルを攪乱するのでしょう。エンジンのなかに入ってしまったという話ですが、危ないですよね。
飯田)高温でチャフのアルミ箔が溶けて付着すれば、最悪の場合、墜落の可能性もあります。
高橋)鳥が入るのも危ないのに。
飯田)バードストライクという。
高橋)危険ですよね。
オーストラリアの新政権を試している中国
飯田)オーストラリアは政治的なことを考えると、アルバニージー首相の労働党政権に交代したばかりです。
高橋)狙われているのでしょう。政権交代をして「わかっているだろう」と。前の政権より中国に近いと言われています。だから試しているのではないですかね。
飯田)中国としては「わかっているんだろうな」と。
高橋)哨戒機が南シナ海まで行くというのは、オーストラリアもしっかりやっているなと思いました。
カナダの哨戒機にも同様のことを行っている中国
飯田)オーストラリア側の発表では定期的なもので、「いつも通りの飛び方をしていたのに」ということも言っています。公海上であれば、妨害されるような謂れはないわけです。中国軍機はオーストラリア軍機だけではなく、それに先立って4月~5月にはカナダの哨戒機に対しても行っていたということです。
高橋)自分の海だということを言いたいだけでしょう。公海なのに、中国からすれば「南シナ海は全部俺のものだ」と。
飯田)九段線と呼ばれるもの。
高橋)哨戒機が行くのは、あそこに潜水艦がいるからでしょう。
飯田)「見ているぞ」と。
AUKUSの枠組みのなかで、最前線となるオーストラリアと中国
高橋)安全保障に関して、「AUKUS(オーカス)」という枠組みがありますが、オーストラリアと中国は最前線になります。中国の方もソロモン諸島などを押さえたいのでしょう。
飯田)ソロモン諸島はハワイやグアム、オーストラリアを結ぶ線のちょうど線上にあって、ここを分断する狙いがある。
高橋)第二次世界大戦で日本軍が撤退した戦略上の要所です。いよいよこういうものが本格化してきました。
飯田)最近、オーストラリアへのプレッシャーが強まってきています。日本としても、クアッドなどの枠組みのなかで対応していかなければならないですよね。
高橋)クアッドはまだ安全保障までいっていませんからね。とりあえず経済の話であり、インドもいます。これは「AUKUS」の話になっていく気がします。
飯田)まずはアメリカ、イギリスとのアングロサクソンのなかで。
高橋)ゆくゆくは原子力潜水艦が南シナ海まで行くということだと思います。
飯田)オーストラリア軍が空ではなく、海からパトロールをする。
対岸の火事ではない日本
高橋)日本の近くでそういうことが行われるのだけれど、本当は日本側もそれなりの備えがないといけないと思います。オーストラリアの方が強いとわかれば、中国は日本の方に来ますよ。
飯田)狙いやすい。
高橋)やりやすいし、アピールしやすいところに来ます。日本も対岸の火事ではないのです。いまは南シナ海ですけれども、いずれはオーストラリア、日本、台湾という話になります。そのうち、東シナ海に来るのではないかと予想します。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
都内で「クアッド」外相会合 共同声明には中国念頭に南シナ海への懸念を明記 「日米豪印で包括的協力進める」上川陽子外相
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月30日 15時30分
-
バイデン政権、クアッド枠組みの維持狙う トランプ氏返り咲きなら後退の懸念
産経ニュース / 2024年7月29日 20時58分
-
豪、トランプ陣営に接触=原潜計画の履行働き掛け
時事通信 / 2024年7月29日 6時23分
-
中国念頭の米海軍主催リムパック2024、太平洋は「不太平」の海に―中国メディア
Record China / 2024年7月27日 14時0分
-
米トランプ政権復活なら台湾危機も 日本は防衛力増強で備えよ エモット英誌元編集長
産経ニュース / 2024年7月24日 12時11分
ランキング
-
1家宅捜索の自民・広瀬めぐみ氏、赤ベンツで不適切交際やパリ視察で物議も 麻生派の1回生
産経ニュース / 2024年7月30日 12時22分
-
2「クリミア上陸作戦」で停戦交渉狙うウクライナ 秋に向け軍事攻勢へ、力の立場でロシアへ呼びかけ
東洋経済オンライン / 2024年7月30日 9時0分
-
3広瀬めぐみ参院議員の事務所捜索 特捜部 公設秘書の給与詐取疑い
毎日新聞 / 2024年7月30日 11時9分
-
4鉄筋が直撃した20代男性死亡 東京・麹町のビル工事事故、屋上から落下
産経ニュース / 2024年7月30日 16時16分
-
5女性殴った疑いで逮捕の男、顔写真が似た別人の免許証を提示…熊本県警が誤って氏名を公表
読売新聞 / 2024年7月30日 13時45分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください