「はやぶさ2」採取のリュウグウの砂からアミノ酸! 研究者が語る、発見までの経緯とその重要性
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年6月19日 11時30分
![「はやぶさ2」採取のリュウグウの砂からアミノ酸! 研究者が語る、発見までの経緯とその重要性](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_368395_0-small.jpg)
土田晃之がパーソナリティ、新内眞衣がパートナーを務めるラジオ番組『土田晃之 日曜のへそ』(ニッポン放送・毎週日曜12時~)の6月12日(日)の放送の中で、未だに謎の多い “生命の起源”の解明に繋がる可能性がある発見について、その重要性に迫る一幕があった。
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顕微鏡(左)でりゅうぐうの試料を調べる岡山大の研究者。モニター(手前)に試料が映し出されている=2021年6月2日、岡山大惑星物質研究所=鳥取県三朝町、山陽新聞/共同通信イメージズ 提供元: 山陽新聞 写真提供:共同通信社
同番組内で放送中のコーナー『宇宙のへそ』では、毎週、つい「へーそーなんだ!」と言いたくなる宇宙ニュースや宇宙雑学を紹介しているが、この日は、日本の探査機「はやぶさ2」が小惑星「リュウグウ」から持ち帰った石や砂から“アミノ酸”が23種類発見されたというニュースを取り上げた。
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番組では実際にこの研究に参加している岡山大学「惑星物質研究所」の小林桂教授が電話出演し、アミノ酸発見までの経緯や今回の発見の重要性について詳しく解説した。
新内:まずは、改めて、今回のアミノ酸発見までの過程について教えてください。
小林:皆さんよくご存じかと思うのですが、「はやぶさ2」という日本の小惑星探査機が2014年に地球を出発しまして、2018年に小惑星「リュウグウ」――この「リュウグウ」というのは、C型の小惑星と言われておりまして、非常に炭素や水を含んでいると考えられているんですが――そこに到着して、様々な観測を行った後、2019年の2月と7月の2回に分けて、リュウグウの表面から試料を採取することに成功しました。そして、2020年の12月に(試料の入った)カプセルを地球に投下して、無事にそれが回収されました。その後、回収されたカプセルは、相模原の宇宙航空研究開発機構(JAXA)で開封され、その結果、5.4グラムの試料が回収されたことが分かりました。2021年6月に約16粒、約55ミリグラムの試料が我々、岡山大学「惑星物質研究所」に運ばれてきて、分析がスタートしました。
2014年に「はやぶさ2」が地球を出発してから約8年。今回の“アミノ酸発見”のニュースが報じられたのが2022年ということを考えると一つの発見に対して、膨大な年月と費用、人材が費やされていることが分かる。とんでもない労力が注がれている今回の発見の重要性について小林教授は――
新内:アミノ酸が見つかったということは珍しいことなんですか?
小林:我々としましては、(リュウグウには)初めからアミノ酸などの有機物が含まれているだろうと予測はしておりました。ただ、これまで隕石などからもアミノ酸が検出されていたんですが、隕石というものは地球の環境に自然に落下してきたものです。そして、地球というのは生命の星ですから、非常にアミノ酸が多く存在していて、やはり落下してきた隕石というのはどうしても(地球の環境に触れてしまうことで)汚染される可能性が非常に高い。これまで見つかってきたアミノ酸というものが、本当に宇宙にそもそもあったのか、ということに関して、いささか問題があったが、今回、地球の環境に触れない試料――「はやぶさ2」が採取した小惑星の試料からアミノ酸が検出されたということは、太陽系の地球の他にもアミノ酸が存在しているということを非常に強くサポートする結果だと考えられています。
土田:だって隕石って地球に落っこちているって訳ですもんね。
新内:そうですよね。地球に触れているってことですもんね。
土田:触れてないものからアミノ酸が出てきたっていうのは確かに凄いことですもんね。
小林:その通りですね。
最後に新内から「宇宙でアミノ酸が見つかったってことは宇宙人とか宇宙に生命があったりするんですか?」という質問に対して、小林教授は――
小林:我々、人類の科学の非常に大きな命題と言いますか、ターゲットというのは、やはり“生命の起源”ということになるんですが、今回の(アミノ酸の)発見というのは、直接的に生命の起源そのものに結び付くとまでは言えません。
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……と説明したが、「一つの可能性として、宇宙空間で生命に必要なたんぱく質を構成するアミノ酸が見つかっていますので、生命を構成するような物質が宇宙で形成されて、それが何らかの形で生命そのものへと発展していったのではないかということがイメージしやすくなったのが、非常に大事なことだと思っております」と改めて、今回の発見の重要性を力説した。
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