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承認したあとで投与しながら薬の効果を見ていく 有事における「薬事承認」のあり方

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年7月13日 11時20分

承認したあとで投与しながら薬の効果を見ていく 有事における「薬事承認」のあり方

東京都医師会会長の尾﨑治夫氏が7月6日、ニッポン放送「モーニングライフアップ 今日の早起きドクター」に出演。有事での新型コロナ感染症の扱いについて解説した。

※画像はイメージです

治療薬やワクチンの「緊急承認」制度を創設する、「改正医薬品医療機器法」が参院本会議で可決・成立

飯田浩司アナウンサー)5月13日、治療薬やワクチンの「緊急承認」制度を創設する、「改正医薬品医療機器法」が参院本会議で可決・成立しました。今後、新たなウイルスが爆発的に感染拡大するパンデミックの際、「国産のワクチンや治療薬などを迅速に承認できるようにする」ということが報道されています。このような法改正をどのように評価されますか?

尾﨑)私は前から、新型コロナのパンデミックの状態は、平時の状態ではない。ウイルスとの闘いは戦争のようなものだから、有事の状態なのだと訴えてきました。

飯田)有事であると。

尾﨑)これまで、日本は医薬品などの薬事承認に関しては、慎重に安全性を重んじてきました。平時においては、それはとてもいいことだと思います。

飯田)平時においては。

尾﨑)ですが、新型コロナのパンデミックが起きているような有事の際は、ある程度の安全性が確認でき、効果が予測されれば、早く使えるようにすることが大事だと思います。そういう意味では、緊急承認制度が新設されたのはいいことだと思います。

承認されても2年間の間で効かないということになれば承認は取り消される

尾﨑)もし実際に使ってみて、予想された有効性がそれほどない、2年間の間に効かないということになれば、「承認は取り消されて使えなくなる」ということも書かれています。

飯田)効かなければ承認が取り消される。

尾﨑)有事の際は、安全性が確認されて、有効性がある程度期待できるのであれば、承認して使ってみるという考え方だと思います。

飯田)有事の際は。

尾﨑)塩野義製薬が緊急承認して欲しいと言っているプロテアーゼ阻害薬の経口薬や、富士フイルムのアビガン。また以前からある、抗ウイルス作用が期待される抗寄生虫薬のイベルメクチン。国産経口薬としては、この3つくらいがいま出ているわけです。そのなかで、塩野義さんが承認申請をしたという状態です。

新行市佳アナウンサー、尾﨑治夫氏、飯田浩司アナウンサー

まずは承認して実際に薬を使い、効果を見ていく

飯田)効果の部分が取りざたされていて、慎重に判断するのだという報道が出ていますが、その部分ですよね。

尾﨑)どのくらいこの薬を飲むとウイルスが減るかというデータもありますし、咽頭痛など、さまざまな症状が早めにおさまるというデータも出ています。しかし、二重盲検と言いますか、データを取っているときに有意差がはっきりしていないという話があります。

飯田)データを取ったときに。

尾﨑)いまのオミクロン株は、自然経過でも重症化しないで治ってしまうケースが多いのです。偽薬を飲ませた人と、正しい薬を飲ませた人で比較対照しても差が出ないのは、薬のせいではなく、オミクロン株による感染のためだと思います。

飯田)特性のようなものですね。

尾﨑)効く薬でも、あまり差が出ないような状態で治験が行われているので、これ以上の治験を繰り返しても、少なくとも日本国内ではあまりいいデータは出ないのではないでしょうか。

飯田)治験を繰り返しても。

尾﨑)それであれば、安全性についての確保が前提だと思いますが、承認して使っていただき、数多くの人で効果を見ていくということでもいいのではないかと思います。

飯田)相当な数の臨床データを得られますからね。

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