感染再拡大、なぜ行動制限しなくていいのか 「後手に回っている」岸田政権の新型コロナ対応
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年7月14日 17時30分
![感染再拡大、なぜ行動制限しなくていいのか 「後手に回っている」岸田政権の新型コロナ対応](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_373514_0-small.jpg)
ジャーナリストの鈴木哲夫が7月14日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。感染が再拡大する新型コロナウイルスへの政府の対応について解説した。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2022/07/vlcsnap-2022-07-09-09h40m37s326RS.jpg)
2022年7月9日、記者の質問に答える岸田総理~出典:首相官邸ホームページ(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202207/09bura.html)
政府、新型コロナ感染急拡大にまん延防止等の行動制限を否定
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新型コロナウイルスの感染が再拡大するなか、7月13日の記者会見で松野博一官房長官は、現時点でのまん延防止等重点措置など行動制限の適用を改めて否定した。
これだけ感染が再拡大しているのに、なぜ行動制限しなくていいのか ~政府の説明が足りない
飯田)東京都医師会なども「行動制限まではまだいいのではないか」ということも言っているようですが。
鈴木)なぜ行動制限をしなくていいのでしょうか。素人のような言い方をしますが、常に新型コロナは一貫して医学的、公衆衛生学的な判断基準のようなものが、セットで示されないといけないのではないでしょうか。ムードだけで「こうしよう」と決まるのは違うと思います。
飯田)そうですね。
鈴木)今回の場合も、これだけ感染者数が再び増えている。「それでも行動していいですよ」という、その説明に納得できるものがないのです。足りない気がする。
飯田)説明が足りない。
鈴木)「行動制限はしませんよ。でも気をつけてくださいね」と言いますが、感染者数は増えている。リスナーの皆さんはどう感じているのでしょうか。結局、自分で決めるしかないのかなと思います。
飯田)自己判断に委ねる。
鈴木)国民任せ、現場任せのようなものを感じるのです。この2年間で親しい病院の先生も増えて、今回も取材していますが、病床はあっという間に30%、40%、50%となってしまいますし、既に地域によってはひっ迫しているところもあるのです。
参院選前に法改正も含め、緊急時の医療体制について議論するべきだった ~先送りした結果が再拡大を招いている
鈴木)政府はやはり、この前の通常国会で、緊急時の医療体制をどうするのか考えるべきでした。医療法、医師法について強制力を行使した以上は、それなりのお金を病院にきちんと補填していくなど、緊急時の医療体制について、法改正も含めて議論すべきだったのです。しかし、明らかに秋に先送りしてしまったわけです。
飯田)「選挙のあとに」と。
鈴木)選挙を意識して。これは岸田さんの周りがはっきりとそう言っているけれども、「選挙を考えたらいまはできない」という判断もあると。そういうことが結局、「ほら、やらないうちにまた増えているでしょう」という話になるわけです。この辺りを政府は厳しく、自分たちにもう1回問い直して欲しいと思います。
前回の通常国会が法改正を含めて議論するタイミングだった ~岸田政権は後手に回っていると言わざるを得ない
飯田)厚労省のアドバイザリーボードなど、専門家の会議体のなかでも「感染症法の取り扱いをどうするか」、あるいは「保健所に皺寄せがいっている」ということは議論されていたはずなのですが、結局、提言や報道だけで終わっています。
鈴木)医師会も地域によっては違うのだけれど、この前の通常国会が、法改正も含めて議論するタイミングだったと思います。これを避けている状況では、岸田政権が後手に回っていると言わざるを得ないと思います。
飯田)予算案が史上最速で上がったということは、そのあと時間があったということなのですよね。
鈴木)やればできるでしょう。「2類か5類か」という判断も難しいけれど、「いまは時期尚早だ」と言うばかりではないですか。しかし中身について、なぜいまなのか、いまではないのかという話も、どうしてやらなかったのでしょうか。結局は繰り返しますし、保健所もいま大変ですよ。
飯田)これだけPCR検査で陽性者が出ている状況になると、容易に想像できます。
マスク着用に関して、政府が方針を打ち出すべき
鈴木)道徳で「マスクをしましょう」と言うのではなく、科学的に考えてマスクをするべきなのです。最初のころからそうだけれども、換気ができていて1人なら、マスクは外してもよかったのではないでしょうか。
飯田)外で歩くときとか。
鈴木)人がいなければね。でも、そこでもみんなマスクをしているというのは、公衆衛生学的な対応、説明が足りなかったのだと思うのです。それをまたいま、繰り返している感じがします。はっきり方針を出すべきなのは政府です。自治体に任せてしまっている感じがします。
飯田)折に触れて聞かれた際に、「子どもが外を歩くときにはマスクはいりません」というようなことは言うけれど、恒常的にアナウンスしているかというと、そんなことはない。
コロナ禍で失職した人にとってカップ麺の20円の値上げは死活問題
鈴木)参議院の争点も、個人で争点を決めるべきだと思いますが、私個人の考えではコロナ対策だったのです。コロナ難民の救済。物価高が重なり、困っている人はたくさんいるのです。新宿で炊き出しがあるではないですか。
飯田)ホームレスの方などに。
鈴木)あそこの列が倍になっていました。コロナ禍で仕事を失った若い人たちが並んでいるのです。物価高がいま起きているでしょう。仕事を失った人にとっては、カップ麺の20円の値上げは死活問題なのです。私は、これはコロナ難民だと思うのだけれども、そういうものと医療体制です。感染者数が減ったときにこそ議論ができるはずなのに、残念ながら遅れていると思います。だから繰り返して「やるべきだ」と言い続けるしかないのだけれども。
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