「鴨川でいちばんキラキラしてる!」元プロボディボーダー念願の店舗「Sola street」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年7月21日 17時20分
![「鴨川でいちばんキラキラしてる!」元プロボディボーダー念願の店舗「Sola street」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_374567_0-small.jpg)
それぞれの朝は、それぞれの物語を連れてやってきます。
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「Sola street」店主・園田桃子さん(写真:本人提供)
千葉・外房の鴨川市を流れる加茂川のほとりに、「Sola street(ソラ・ストリート)」という水色のドアのお店があります。店主の園田桃子さんは元・プロのボディボーダーで、いまは3人のお子さんのお母さんです。
桃子さんは、東京・府中の出身。高校時代、友達同士で出かけた湘南の海でサーフィンと出会いました。あっという間にその魅力に引き込まれ、1人で大きなサーフボードを抱えて始発電車で海へ出かけては、どんどん腕を磨いていきました。
しかし、大学の卒業旅行で訪れたハワイで、その大きな波の前に力不足を痛感します。
そのとき、波打ち際でボディボードを楽しむ子どもたちの姿を見て、「これなら私でもできるかも知れない」と、サーフィンからボディボードへ転向を決意。丸の内OLをしながら資金を貯め、アメリカ・カリフォルニアへ武者修行の旅に出ました。
アメリカでは、午前中は語学の勉強を行い、午後はひたすら波乗りの生活。週末は現地でコンテストに出場し、実力をつけていきました。その甲斐あって帰国後、日本国内の大会では連戦連勝、上位の常連となります。1997年にはついに、プロのボディボーダーとなりました。
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いまも海に入る園田桃子さん(写真:本人提供)
プロになったことでスポンサーも付き、手厚いサポートを受けられるようになった一方、スポンサーさんのイベントなどに割く時間も増えていきました。
スポンサーとなったアパレル会社とは、展示会やカタログづくり、さらにはモデルとして撮影にも携わるようになり、肝心の練習時間が取れないジレンマに陥ります。
「ああ、海のそばで暮らしたい!」
桃子さんがそう思い始めたころ、サーフボード職人のご主人も同じことを考えていました。実は桃子さんの祖母は、千葉・鴨川の出身。さっそく鴨川の町を訪れると、どことなく懐かしい空気が感じられました。
「何だか、おばあちゃんに呼ばれているような気がする」
桃子さんはご主人と一緒に東京を離れ、海が目の前にある鴨川へ移住することにしました。鴨川でプロのボディボーダーとして現役を続けながら、インストラクターやウェブメディアでの連載も手掛けていきました。
一方、プライベートでは3人のお子さんに恵まれたことで、次第に生活の中心が子育てへと移行していきます。
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「Sola street」外観(写真:本人提供)
いまから4年ほど前に子育てが一段落し、自分の時間が持てるようになった桃子さんは、近所の雑貨屋さんでパートを始め、だんだんと接客の楽しさを感じるようになります。かつて遠征先でも、競技だけでなくショッピングも楽しんでいたことを思い出しました。
桃子さんは50歳目前で、1つの決心をします。
「いまやれることは、いまやっておきたい。そうだ、自分のお店を持とう!」
桃子さんが開きたかったお店は、大人の女性が楽しめる小物や洋服のセレクトショップ。さっそく自分の好きな小物や、昔のスポンサーさんの伝を辿って洋服を集め、ついに2019年6月、念願のお店「Sola street」のオープンにこぎつけました。
最初はどんなお客様が来て下さるか不安だったという桃子さん。しかし、その不安は杞憂に終わりました。何と、地元の皆さんが大勢お店にやって来て、洋服が飛ぶように売れていったのです。
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ミニマルシェ開催中の「Sola street」
実は、鴨川の辺りでお洒落な洋服を買おうとすると、1時間くらい車を飛ばして山を越え、東京湾岸のショッピングモールまで足を伸ばす必要がありました。いまでは鴨川はもちろん、館山や勝浦、南房総一帯から、桃子さんのお店を目指してお客様が来てくれると言います。
先日、ある旅の途中の女性が立ち寄って、嬉しいことを言ってくれたそうです。
「鴨川でいちばんキラキラしているお店ですね!」
まずは10年……という気持ちで始めた「Sola street」ですが、4年目に入った現在は、もっと長く続けたい気持ちが強くなってきました。長く愛されるには飽きられないようにしたいと、個人のデザイナーさんを訪ね歩いて洋服の仕入れを行うなど、お店のブラッシュアップにも余念がありません。
桃子さんは現在も毎朝、海に入ってからお店を開きます。
「平日の朝は、いつもの仲間たちと会えるのが楽しいんです!」
そう力強く話す桃子さんの瞳は、真夏の太陽と同じくらい、まぶしく輝いています。
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