「核」に対して慎重になりつつあるロシア その背景を国際政治学者が指摘
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年8月5日 11時35分
国際政治学者で、慶應義塾大学教授の神保謙が8月5日(金)、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』に出演。ロシアの核使用の可能性について、NPTの再検討会議でロシアが慎重な方向に振れていると指摘し、ウクライナ侵略の数ヶ月が、ロシアにも核の重さを再認識させたと指摘しました。
8月6日の広島原爆の日を前に、ロシアのガルージン駐日大使が4日に広島市の平和記念公園を訪れ、原爆慰霊碑に献花した上で、ウクライナでの核兵器の使用を否定した背景について解説した。
「ウクライナ侵略の数日後にプーチン大統領がロシアの戦略核部隊を特別警戒態勢に上げ、あからさまな核の脅しをNATO側にかけるなど、ロシアは核保有国で最も核を使い易い国になっている。核兵器を使う準備があるとか、世界の終わりに導くつもりか、という脅しが一方にあって、他方で今、ニューヨークで開催中のNPT(核拡散防止条約)の再検討会議ではロシア側の発言は慎重な方向に振れている。
それは不思議な現象だが、ウクライナで戦争が起きているにも関わらず、アメリカのバイデン大統領側もロシア政府側も、2026年に延長しなければならない新START条約(新戦略兵器削減条約)の見直しにまんざらでもない雰囲気になりつつある。それだけ核というものが重い問題なんだと再認識する数ヶ月だったのかもしれない」と語った。
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