中国が日本のEEZに弾道ミサイルを撃ち込んだ本当の「意味」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年8月23日 11時40分
![中国が日本のEEZに弾道ミサイルを撃ち込んだ本当の「意味」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_381595_0-small.jpg)
写真説明 2022年08月05日 cns2022-08-05-10 台湾島周辺で空前規模の実戦的合同演習 東部戦区(10) 中国人民解放軍東部戦区は4日、兵力を動員し、台湾島周辺海空域で空前の規模の実戦的合同演習訓練を実施し、予定の海域で長距離火力の実弾射撃に成功した。写真は東部戦区ロケット軍がミサイルで台湾の外海の予定海域を火力突撃の様子〔新華社=中国通信〕
作家で自由民主党・参議院議員の青山繫晴が8月23日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。中露、北朝鮮を前にした日本の防衛戦略のあり方について解説した。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2022/08/jpp042606861RS.jpg)
台湾島周辺で空前規模の実戦的合同演習 東部戦区〔新華社=中国通信〕=2022年8月5日 中国通信/時事通信フォト
中国が日本のEEZに弾道ミサイルを発射 ~撃つ前から着弾地点を計算できる弾道ミサイル
飯田)日本は中国やロシア、北朝鮮を目の前にしているなかで、今後どうしていけばいいのか。中国は国内の弱いところを、例えば外に打って出ることによって強さに変えていく可能性はあるのですか?
青山)可能性があるのではなくて、やっていますよね。
飯田)実際に排他的経済水域(EEZ)にミサイルを撃ち込んできました。
青山)それがあったので私は真珠湾へ行き、アメリカのインド太平洋軍司令部、太平洋艦隊司令部の将軍たちと議論しました。日本では公共放送でも「(中国が撃ったミサイルが)落ちた」と言っています。しかし、米軍には釈迦に説法なのですが、米軍が何を言ったかは基本的には言えませんけれど、現実に意見が一致するのは、弾道ミサイルなので撃った瞬間どこに落ちるかわかるということです。撃つ前から計算できるのが弾道ミサイルの特徴です。
狙いをすませて与那国島と波照間島の目の前の海に撃ち込んだ中国軍
飯田)放物線を描いて飛んできますからね。
青山)そうです。狙いをすませて与那国島と波照間島の目前の海に撃ち込んでいるのです。これは史上初めてのことです。大事なことは、弾頭が核兵器を積めるくらいのものなのかどうかということです。もちろん、「未確認」と言っておかなくてはいけないけれども、基本的には核弾頭を積めるものだと思わなくてはいけません。そうすると、事態はまったく変わってきます。
飯田)核兵器を搭載できるものであれば。
青山)もう1つ、極めて危険なのが、台湾へは下院議長が行っただけですよね。ペロシさんという有名人ですけれども、大統領に何かあったときは代わりの大統領になる、3番目のポジションだということをよく言われます。しかし実権力としては、大統領制のなかで下院議長はあくまで下院議長にすぎないのです。
ペロシ下院議長の訪台で軍事演習し、手の内を見せてしまった習近平氏の焦りと中国軍幹部の憤り
青山)それなのに、あんなに興奮している。残念ながらまだ接触できていませんけれども、中国の軍部からすれば、「なぜ手の内を全部見せなくてはいけないのか」と思っているのです。
飯田)下院議長が台湾へ行ったことだけで。
青山)ミサイルを撃ち込むだけでなく、いざとなったときに台湾の周りをぐるりと囲むように封鎖するのだとか。あるいは南の東沙諸島という無人島に、監視兵がいる台湾領があるのですが、そこを爆撃する可能性が高いとか。それから台湾周辺のどの辺りに、中国の弱い空海軍を配置するのかということが見えてしまう。
飯田)弱い空海軍。
青山)つまり、手勢として足りないわけではなく、能力が低い。進水したばかりの「福建」という3隻目の空母にしても、電磁式カタパルトを入れたのはいいけれど、あれだけ電気を消費するのに、動力は原子力ではなく通常動力です。おそらく電磁式カタパルトで戦闘機を発進させると、電気がなくなってしまうのです。「そのあとどうするのか」ということです。
日米、英独にとっては重要な情報を提供され、備えやすくなった
青山)軍部としては、そういう実態を踏まえて、とにかく負けないようにしないといけません。負けてしまったら本当にとんでもないことになりますから。そのために考えてきた布陣を、習近平国家主席の焦燥感のために見せてしまったわけです。
飯田)密かに練ってきたものを。
まずは弾薬の補充から整備しなくてはならない自衛隊の実態
青山)日米にとって、あるいは英独にとっても重要な情報を提供してもらったので、備えやすくなりました。備えやすくなったのだけれども、自衛隊は防衛予算が足りないので弾がない。
飯田)弾がない。それは最近報じられるようになりましたね。
青山)長年言ってきましたけれども、やっとです。弾がないだけではなく、あえて言うと、例えば青森県に大湊という海上自衛隊の拠点がありますが、クーラーがないのです。
飯田)クーラーがない?
青山)青森県は涼しいはずだからという理屈ですが、いったい何年前の話だということです。この気候変動のなか大汗をかいて、一生懸命仕事をなさっているのだけれども、全体的に「いざ」というときの体制ができていない。見せかけだけです。だけと言ってはいけないけれども、見せかけ中心です。
飯田)有事の際の体制が。
青山)米軍もいままでは黙ってきたけれども、今回のように台湾危機が目の前にきたらどうなのか。独裁者の焦燥感は、ウクライナ侵攻でのプーチン大統領を見ても、どんな判断ミスが起こるかわかりません。ロシアは二度と元のロシアには戻れませんよね。
飯田)そうですね。
青山)それなのに注意する人もいない。そっくりなわけです。今回のペロシ下院議長の訪問だけで、こんなに焦って手の内まで見せてしまうわけですから。そう考えたら「弾がない自衛隊」を何とかしなくてはいけない。本当は防衛費の増額は宇宙、サイバーのためなのですけれども、まずはここから考えなくてはいけないのです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
山上信吾 日本外交の劣化 日本外務省は問題点だらけ 内向き志向、交渉力・発信力の低下 本省勤務にしがみつき…永田町をチョコマカする〝内交官〟たち
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月26日 6時30分
-
[スキャナー]韓国・申源湜国防相、日米韓の安保協力は「重要」…共同訓練の枠組みは大筋合意
読売新聞 / 2024年7月24日 5時0分
-
山上信吾 日本外交の劣化 「日中友好」お経の如く唱えた時代は去ったはず 中国大使の恐喝、水産物輸入禁止、スパイ容疑の拘束…外務省人生に達成感なし
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月23日 11時0分
-
ペロシ元下院議長、ハリス氏支持表明
共同通信 / 2024年7月23日 4時49分
-
バイデン氏、近く大統領選撤退の可能性 民主党重鎮、ナンシー・ペロシ元下院議長「断念する決断に近づいている」 米紙報道
zakzak by夕刊フジ / 2024年7月19日 11時34分
ランキング
-
1死亡は駐在所勤務26歳 山形県警「職場のリーダー」
共同通信 / 2024年7月27日 23時16分
-
2東京など33都府県に熱中症警戒アラート 今日28日(日)対象
ウェザーニュース / 2024年7月28日 6時45分
-
3雄のアフリカマナティー死ぬ 国内1頭に、三重・鳥羽水族館
共同通信 / 2024年7月27日 17時54分
-
4口論となった40代元妻宅に窓から侵入「元夫が自宅に入って来た」通報され逃走…駐車中の車内で発見 酒酔いの54歳の男「間違いない」
北海道放送 / 2024年7月28日 8時57分
-
5宿泊施設から予約情報盗みフィッシングメール 「見分け困難」
毎日新聞 / 2024年7月28日 8時30分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)