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鉄道150年! 草創期から続く「宇都宮の駅弁」製造現場に密着してみた

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年10月17日 11時55分

鉄道150年! 草創期から続く「宇都宮の駅弁」製造現場に密着してみた

【ライター望月の駅弁膝栗毛】
「駅弁」食べ歩き20年・5000個の放送作家・ライター望月が、自分の足で現地へ足を運びながら名作・新作合わせて、「いま味わうべき駅弁」をご紹介します。

いっこく野州どり弁当

令和4(2022)年10月14日で、日本の鉄道は150年の節目を迎えました。草創期から旅のお供として、日本の鉄道文化の一翼を担ってきたのが「駅弁」。その発祥の地には、諸説ありますが、栃木県・宇都宮駅の駅弁は、古くから“発祥の地”と云われてきました。今回は鉄道150年の節目に合わせ宇都宮の駅弁屋さんを訪問。鉄道と共に歩んできた、駅弁の歴史に思いを馳せてまいります。

E5系新幹線電車「はやぶさ」、東北新幹線・宇都宮~那須塩原間

「駅弁屋さんの厨房ですよ!」第37弾・松廼家編(第1回/全6回)

鉄道150年の令和4(2022)年、東北新幹線(大宮~盛岡間)は、開業40周年の節目を迎えました。白と緑の新幹線は最高時速210km、大宮~盛岡間を3時間17分で結び、東北地方に新幹線時代の到来を告げました。いまは「はやぶさ」号が、最高時速320km、東京~新青森間を最速2時間58分で結び、さらに青函トンネルで津軽海峡を越えて、北海道まで3時間台で到達します。

宇都宮駅

東北新幹線「やまびこ」をはじめ、多くの列車が停まる宇都宮駅。明治18(1885)年7月16日の開業と共に駅弁が誕生したと言われており、“駅弁発祥の地”とする説があります。現在は、明治26(1893)年創業の松廼家(まつのや)が、日本鉄道構内営業中央会に加盟する駅弁屋さんとしては、宇都宮だけでなく、栃木県内唯一の業者として孤軍奮闘中。「駅弁屋さんの厨房ですよ!」第37弾は、宇都宮駅弁「株式会社松廼家」に注目します。

いっこく野州どり弁当

●ブランド鶏「いっこく野州どり」でバージョンアップしたロングセラー駅弁!

宇都宮駅で長年親しまれてきたロングセラー、松廼家の「とりめし」。この駅弁が、平成31(2019)年春に、地元のブランド鶏を使った「いっこく野州どり弁当」(850円)として、大きくリニューアルされました。今回は、宇都宮駅西口にある松廼家の本社工場でこの駅弁の盛り付けの様子を見せていただきます。松廼家によると、従業員さんは総勢30名ほど。少数精鋭で“発祥の地”の駅弁の灯を守っています。

「いっこく野州どり弁当」の製造風景

北関東産のコシヒカリを丸いガス釜で炊いて作られた茶飯が、十分に冷まされた上で手際よく折箱に詰められていきます。この茶飯の上に「いっこく野州どり」のそぼろと玉子そぼろが敷き詰められて、彩りが一気に華やかな雰囲気となりました。

「いっこく野州どり弁当」の製造風景

ここにリニューアルの際に加わった煮玉子や、いっこく野州どりのつくね寄せ、香の物としてわさび菜漬けが載せられていきます。

「いっこく野州どり弁当」の製造風景

●噛めば噛むほどうま味が出る「いっこく野州どり」!

最後に「いっこく野州どり」の照り焼きが載せられて、あっという間に盛り付け完了。フタをしてからスリーブ式の包装が施され、割り箸とお手拭きが挟み込まれて、自慢の「いっこく野州どり弁当」の完成です!

「いっこく野州どり弁当」の製造風景

ここから宇都宮駅構内の駅弁売店までは歩いても2~3分といったところ。昔ながらの駅弁屋さんの立地です。その昔は駅弁の売れゆきに応じて、急いで追加生産し、駅へ持って行ったような風景が目に浮かびます。

いっこく野州どり弁当

【おしながき】
・茶飯
・いっこく野州どりの照り焼き
・いっこく野州どりのつくね寄せ
・いっこく野州どりのそぼろ
・玉子そぼろ
・煮玉子
・わさび菜漬け

いっこく野州どり弁当

ふたを開けると照り焼きのテカリと玉子そぼろの華やかさに気持ちが上がります。松廼家によれば、長年の鶏肉の仕入れ先が、美味しいブランド鶏「いっこく野州どり」を開発したことが「いっこく野州どり弁当」としてリニューアルするきっかけになったとのこと。もも肉を使用していますが、「ももとむねのいいトコどり」といった味わいが楽しめて噛めば噛むほどうま味が出る鶏肉だと言います。確かに鶏肉は程よい歯ごたえが美味しさのカギですね。

E231系電車「湘南新宿ライン」快速列車、東北本線・宇都宮~雀宮間

宇都宮から大宮・東京方面の東北本線(宇都宮線)は、東京経由(上野東京ライン)で東海道本線・沼津まで、新宿経由(湘南新宿ライン)で横須賀線・逗子まで直通運転が行われています。2000年代に入ってグリーン車が連結されたことで、駅弁も食べやすい環境となりました。そんな宇都宮の駅弁は、鉄道草創期からどのように続いてきたのか。次回からは、松廼家の6代目社長さんにお話を伺ってまいります。

連載情報

ライター望月の駅弁膝栗毛

「駅弁」食べ歩き15年の放送作家が「1日1駅弁」ひたすら紹介!

著者:望月崇史
昭和50(1975)年、静岡県生まれ。早稲田大学在学中から、放送作家に。ラジオ番組をきっかけに始めた全国の駅弁食べ歩きは15年以上、およそ5000個!放送の合間に、ひたすら鉄道に乗り、駅弁を食して温泉に入る生活を送る。ニッポン放送「ライター望月の駅弁膝栗毛」における1日1駅弁のウェブサイト連載をはじめ、「鉄道のある旅」をテーマとした記事の連載を行っている。日本旅のペンクラブ理事。
駅弁ブログ・ライター望月の駅弁いい気分 https://ameblo.jp/ekiben-e-kibun/

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