アメリカでの党派性の高い情報の分断がツイッターによってさらに高められていく
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年11月2日 11時30分
![アメリカでの党派性の高い情報の分断がツイッターによってさらに高められていく](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_396072_0-small.jpg)
国際政治学者で慶應義塾大学教授の神保謙が10月31日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。イーロン・マスク氏が買収を完了したツイッターについて解説した。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2022/10/24905704_sRS.jpg)
※画像はイメージです
情報がどのようにレビューされているかを確認するためには有効なSNS
飯田)アメリカの起業家イーロン・マスク氏がツイッターの買収を完了させました。皆さんもツイッターはとりあえず見ているのではないでしょうか。
神保)日常でつかず離れずツイッターを使う感じですよね。
飯田)情報収集としても使う部分はありますか?
神保)フォローの仕方によって、集まる情報の質が決まります。佐々木俊尚さんもよくおっしゃっていますが、項目に従ってグループをつくったりフォローする性質を決めていくと、自分の欲しい情報が集まってくるのです。ニュースソースとして、それがどのようにレビューされているかを知るにあたり、非常に有効だと思います。
情報戦においてツイッターが持っている役割は破壊的
飯田)一方で、ロシアによるウクライナ侵攻などでも話題になりましたけれども、ツイッターを使った情報戦なども行われます。この認識は高まっているのですか?
神保)もちろんあると思います。情報をどのように整理して出していくかによって、戦況に関する認識、あるいは倫理や規範について、どちらが正しいのかを測ることができる。情報戦の主戦場を誰が握るのかということなので、その速報性と普及力において、ツイッターが持っている役割は破壊的だと思います。
飯田)ツイッターの持っている役割は破壊的。
神保)ツイッターのアクティブユーザー数は月間で3億人くらいという情報が、2019年にツイッター社から公式発表されています。得意とするのはニュースメディアとしての速報性と普及力なので、世界的な社会インフラになっているということです。それが今後どのように変化するのか、とても興味があります。
AI機能を使って創作するようなbotの問題
飯田)他のSNSと比べると、社会や政治などに与える影響が大きいように見えるのですが、いかがですか?
神保)各国政府もそうですが、あらゆる有力政治家は自らの主張や弁明をいち早く正式に伝える手段として、また記者会見よりも正確に伝えられるということにおいて、ツイッターの有効性は大きいと思います。もう1つは、いまツイッターの問題はいくつかあると思うのですが、botと呼ばれるようなものの問題があります。アカウント自体がフェイクであり、アルゴリズム等を使って情報を収集し、AIの機能を使って創作するというような……。
飯田)プログラムに従って勝手に文章をつくったものを流すという感じですよね。
神保)そのアカウントのフォロワーが増えると、あたかも影響力がある人のように振る舞えるところがある。
イーロン・マスク氏が問題視するツイッターのコンテンツポリシー ~人権侵害や攻撃性のあるツイートを監視しているグループが削除したりアカウントを凍結
神保)もう1つ、イーロン・マスク氏が問題視しているのは、ツイッターのコンテンツポリシーです。人権侵害や攻撃性のあるツイートを監視しているグループが(ツイートを)削除したり、悪質な場合はアカウントを凍結したりするということです。
飯田)ツイッター内で監視して。
神保)これはツイッターの公共性、社会インフラとしての役割を担うために重要だと言われてきたポリシーなのですけれども、どうもイーロン・マスク氏はこのポリシーに批判的です。凍結された人のなかにはトランプ前大統領もいるということで、こうしたことが「ツイッターの空間は必ずしも自由ではない」と主張しています。だから買収を完了した日の彼のツイッターは、まさにツイッターロゴの鳥ですけれども、「鳥は自由になった」と言ったわけです。
アメリカの党派性の高い情報の分断がSNSによってさらに高められていく ~自分の好きな情報しか入らない
飯田)昔からツイッターに限らず、SNSの運用元による「私たちはプラットフォームであって、場を用意しているだけだから責任はない」というような主張と、「社会的に問題があることを野放しにするのはよくないだろう」という主張が常にぶつかり合いますよね。
神保)まさにフェイスブックのケンブリッジ・アナリティカの件もそうだったのですが、特定の「いいね」や友達リストなどによって、アメリカの党派性の高い情報の分断が、SNSによってさらに高められていくということです。
飯田)党派正の高い情報の分断が。
神保)右と左に山があるとすれば、両方の山が高くなっていくという効果を持つと、その人には好きな情報しか入らないのです。新聞を広げれば、いろいろな一面の情報が入ってくるのですけれども、自分のポータルになったものには、自分の好きなものしか入らない。他のものは見えないので社会の分断が広がっていくということだと思います。
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