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「農業は高齢化と後継者不足が悩みなのではない。正しい理解が足りていない」 日本の農業の実態と可能性をジャーナリストが解説

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年11月16日 16時15分

「農業は高齢化と後継者不足が悩みなのではない。正しい理解が足りていない」 日本の農業の実態と可能性をジャーナリストが解説

ジャーナリストの佐々木俊尚が11月16日(水)、ニッポン放送『飯田浩司のOK! Cozy up!』に出演。日本の農業について「世間に様々な誤解や認識のズレがあり、その発展を阻んでいる。正しい農業の実態、そして将来の可能性を理解してほしい」と訴えた。

※イメージ

11月15日に農林水産省が発表した「食品価格動向調査」によると、最新の野菜小売価格は、調査対象の8品目のうち、ダイコンやネギなど5品目が前週比で1~5%値下がりした。この食品価格動向調査から、「農業の実態についての正しい理解」へと話題が移った。

ジャーナリストの佐々木俊尚は「後継者不足で農家が高齢化しているのが、大きな問題だと思っている人が多いが、それは50年前から『三チャン農業』(「じいちゃん」「ばあちゃん」「かあちゃん」により営まれる農業)という言葉があるように当たり前の実態で、喫緊の農業の課題はそういうことではない」と指摘した。

福井県や長野県など農業地で多拠点生活をしている佐々木によると「そもそも専業農家は極めて少ない。たとえば市役所に勤めていて農業もしているといった兼業が多い。田んぼや畑を手放したい人がいる一方で、譲り受けたり買ったりする人も多い。個人で農業する人もいるが、農業法人や企業として可能性を見出している人もいる。これが実態だ」とした。

そうして農業を始めた人が、野菜の卸し先としてどこを見据えているのか。これまでのようにJAに納める場合もあるが、食産業からの要請も増えている。たとえば、直接ある程度の量の野菜が入ってこないと困るのが、大手スーパーや居酒屋チェーンなどだ。個人農家や農業法人では、こうした産業と契約して野菜作りや流通経路の開拓に取り組むことで、栽培のスケジュールや栽培量などの予想が立てやすくなり、安定供給が出来る。また、予測が出来れば、不作でも対処できる。

佐々木は「どういう季節にどのくらい作物ができ、提供出来るのか、作り手・買い手ともにしっかり計画を立て、流通するよう努力している。こうした実態をしっかりともっと多くの人が理解することで、その先に農業の発展があるのではないか」と、いつまでも“農業は高齢化していて可哀そうと思い込んでいる人”に対し、反対に警鐘を鳴らした。

佐々木は「もう一つ買い手として『個人で頑張っている農業従事者への応援消費』もある。よって現状農業は、『大規模農業』と『個人の応援消費』の二面で進んでいる」と、締めくくった。

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