権田修一と遠藤航……かつてW杯の舞台に立てなかった男たちの「逆襲劇」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年11月24日 19時20分
【サッカーカタールW杯2022 ドイツ代表対日本代表】後半 必死の守備を見せる日本・権田修一ら =ハリファ国際競技場
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、サッカーW杯カタール大会のグループリーグ初戦、ドイツとの試合で歴史的勝利を収めた日本代表の「守備の立役者」、GKの権田修一選手とボランチの遠藤航選手にまつわるエピソードを紹介する。
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「今度は監督としてこのドーハで、我々が目標とすることを達成して、『ドーハの歓喜』に変えたいと思っています」
~『日刊スポーツ』2022年4月2日配信記事 より
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この言葉は、ドイツやスペインと戦うことが決まった組み合わせ抽選後に森保一監督が発したもの。まさにその『ドーハの歓喜』が実現! サッカー日本代表がW杯優勝4回を誇る世界的強豪ドイツ相手に歴史的白星を収めた。
「フットボールは単純なスポーツだ。22人の選手たちが90分間ボールを追いかけ、最後はドイツが勝つ」……かつてイングランドの英雄ゲーリー・リネカーが発して有名になったこんなサッカー格言があるほど、世界のどの国よりも粘り強いと言われてきた「ゲルマン魂」の国・ドイツ。そのお株を奪うような後半での逆転劇は「見事」と言うほかない。
ゴールを決めた堂安律や浅野拓磨、キレキレのドリブルを見せた三笘薫ら攻撃陣にスポットライトが当たりがちだが、あのドイツの猛攻を後半、無失点に抑えた守備陣の健闘こそ讃えたい。なかでも、「マン・オブ・ザ・マッチ」のゴールキーパー・権田修一、そしてボランチの遠藤航の2人は、過去のW杯で「代表に選ばれながら出場ゼロ」という悔しさを経験し、成長するために海外移籍を選択。そんな苦労を経て、ついに掴んだ快挙となった。
前半、PKを献上して失点を喫してしまったものの、後半にビッグセーブを連発。ドイツの猛攻を1失点に抑えて勝利を呼び込んだ権田にとって、今大会は2014年ブラジル大会に続いて2度目のW杯。だが、ブラジル大会のときは第3GKの立ち位置で出場機会はゼロ。4年後、ロシア大会では代表入りもできなかった。
そこで権田選手はポルトガルリーグへの移籍を決断。原動力となったのは、キーパーの地位をより高めたい、そのために自分自身が成長し続けたい、という思いだ。
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「僕がサッカーを始めた頃に、(川口)能活さんがアトランタ五輪でブラジル相手にあれだけ(決定機を)止めていた映像を見て、『キーパーってすげえな』って思いました。子どもたちや普段サッカーを見ない人たちが見るのがワールドカップなので、『うわ、キーパーってかっこいいな』と思ってもらうのに一番説得力があるのは、シュートを止めてゴールを守る姿だと思います」
~『サッカーダイジェストWeb』2022年11月17日配信記事 より
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W杯予選では楢崎正剛が持っていた「代表戦出場7試合連続完封」という記録を塗り替え、「9試合連続完封」という新記録を樹立。だが、その成績はあくまでも「対アジア」でのもの。今回のW杯では「世界のゴンダ」を目指す戦いがまだまだ続く。
一方の遠藤は、ロシアW杯で代表入りしながらピッチに立つことができなかった。その悔しさが次の4年間の原動力となり、海外で揉まれる決断に至った。
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『移籍を決断した理由としてはロシアW杯での経験が大きかったかもしれません。試合に出られなかった悔しさ、日本代表としてベスト8に行けなかった悔しさを経験し、どうしたらあの舞台に立てるのかを考えた結果、ヨーロッパでチャレンジしたい思いが強くなりました』
~遠藤航オフィシャルブログ(2018年7月23日投稿記事 より)
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ベルギーリーグを経て、世界最高峰のドイツリーグに挑戦すると、1年目にチームの1部昇格に貢献。3年目からはキャプテンに就任するなど、文字通り中心選手へと飛躍。さらに、1対1を表す「デュエル」の勝利数で2季連続リーグトップ。サッカーの本場で「デュエルキング」の異名を持つまでに至ったのだ。
その「デュエルキング」ぶりをまさにドイツ戦で発揮。1対1の場面で何度もボール奪取に成功し、日本のピンチを未然に防いでいた。大会直前のリーグ戦で相手選手と激しく接触して脳しんとうを起こしていただけに体調面が心配されたが、その不安も見事に払拭してくれた。
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『前半は厳しい戦いになりましたが、後半はシステム変えて自分たちも前向きに2点取る姿勢を見せられたと思いますし、個人的にはこの4年間やってきたこととブンデスでやってきたことを証明できたと思います』
~『サンスポ』2022年11月24日配信記事 より
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2大会連続でのベスト16進出へ。そしてその先、目標と掲げるベスト8へ。次戦は27日、コスタリカ戦だ。
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