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“最期”を自宅で迎えるための「在宅診療所」の選び方

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年12月5日 12時0分

“最期”を自宅で迎えるための「在宅診療所」の選び方

11月30日(水)、「しろひげ在宅診療所」(東京都江戸川区)山中光茂先生が、ジャーナリストの笹井恵里子がパーソナリティを務めるラジオ番組「ドクターズボイス〜根拠ある健康医療情報に迫る!〜」(ニッポン放送・毎週水曜21時~21時20分)にゲスト出演。東京都内で常時1000人以上の在宅患者を診療し、年間200人もの看取りを行う山中先生に、在宅診療所の見極め方を聞いた。

現在は8割近くが病院で最期を迎えているが、超高齢社会の日本では今後、病院だけでは受け入れきれない。また内閣府が行った調査によれば、最期を迎えたい場所は住み慣れた「自宅」を希望する人が半数を超えている。

■在宅診療所の見極め方

山中先生:私は『在宅診療の質をしっかり保ちたい』と思ったのが、しろひげ在宅診療所を開いた理由ですが、介護職、薬局さん、ヘルパーさんとか、そういうところからの紹介がすごく多いんです。

笹井:はい。

山中先生:なぜかと言うと、うちの診療所では「常勤ドクター」と「常勤スタッフ」ですべて構成しています。これが意外と当たり前のようで難しく、昼間働いているドクターが夜勤を担当するんです。

そうすることで、常に患者さんの環境を、常勤ドクターや常勤看護師で共有しているので、本当に患者さんや、その家族の思いを踏まえた夜間対応ができる。それが在宅診療に大事だし、必要のない救急搬送をしたりとか、家族の思いに沿わない処置をしたりとかが少なくなります。

ですがやっぱり、医師のワークライフバランスを考えると、夜間に非常勤のドクターを使ったり、コールセンターだけになったりします。「常勤のドクターが日中と夜間で揃っているか」というのは、一つの大事なポイントなのかなと思います。

笹井:呼んだら来てくれる・来てくれないというのは、どうやって見極めればいいですか?

山中先生:在宅診療所はこの20年間で本当に増えていますが、在宅看取り率は15%前後から変わっていません。

笹井:そうですよね。

山中先生:実際には在宅診療も訪問看護も増えているのに、結局最後は病院に送られてしまう環境が続いています。これは、在宅診療の質が成熟していないからです。

笹井:はい。

山中先生:お医者さんも人なので、当然、昼働いた人がずっと夜も働くのは難しいことです。私も2年間ほどやって、ちょっと死にかけました(笑)。でも、昼働いているドクターに診てもらえる安心感って、絶対にあるじゃないですか?

笹井:そうですね、いつも同じ先生に繋がる方がいいですよね。

山中先生:なので、「コールセンターだけのクリニックなのか」、「常勤のドクターがどれだけいるか」、それぞれの病院で出ている「在宅看取り率はどれくらいか」を確認することも大事だと思います。

日中外来をしながら在宅診療をやっているけど、ドクターが1人しかいないと、それは、呼ばれても行けるはずがないので。

笹井:そうですよね。

山中先生:そういうクリニックもあるので、その辺の見極めは大事だと思います。素直に、「非常勤と常勤の先生の比率を聞く」というのもいいと思います。

笹井:なるほど。

山中先生はユニークな経歴で、学生時代、歌舞伎町で女性たちのスカウトをする仕事をし、その後医師になり、ケニアでエイズ対策プロジェクトを立ち上げ、2009年には三重の松阪市長に当選。そして2018年10月、しろひげ在宅診療所を開院した。

番組後半、笹井が「先生はどうして在宅医療の道に進まれたのですか?」と質問。山中先生は「そうですね、話すと3時間25分ぐらいかかってしまうんですが……」と笑いを交えつつも、「もちろん病院にいた時も、病院で最期をちゃんと迎えさせてあげると幸せそうに感じるんですが、家にはお孫さんがいたり、本当に愛する家族がいるので。ちゃんとした形でサポートしてあげると、亡くなった時に笑顔になったり、亡くなった後に写真撮影会が行われたり。みんなが幸せそうに最期を迎えられる瞬間があるというのは、亡くなった人も、その後で生きていく人にとっても、これ以上ない幸せなのかなと思っています。そこに私たちもご縁の中で関われる、こんな幸せな仕事はないんじゃないか」と、思いを語った。

この他にも番組では、「お一人様とお金について」「介護の負担」といったテーマも取り上げ、解説している。

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