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「小規模保育」実践に立ち塞がった「20人の壁」とは

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年12月12日 10時50分

「小規模保育」実践に立ち塞がった「20人の壁」とは

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」(12月11日放送)に、認定NPO法人フローレンス会長の駒崎弘樹が出演。フローレンスの取り組みについて語った。

ニッポン放送「すくすく育て 子どもの未来健康プロジェクト」

淵澤由樹(アシスタント):今回は、小規模保育について伺います。

駒崎:フローレンスの女性社員が結婚、出産し、育休を取って会社に戻ってくるときに、「ごめんなさい代表、戻れません」と言われたことがありました。話を聞くと、保育園に空きがないから仕事に復帰することができない。そこで私は「自分たちが保育園をつくればいい」と考え、役所に電話しました。しかし多くの規制があり、特に重要だったのが、「子どもが20人以上いないと認可されない」という点です。まさに20人の壁でした。20人と言うと、広い敷地が必要になりますし、物件を借りるにも高い。「だから保育園が増えないのだな」と感じました。

淵澤:なるほど。

駒崎:一方で空き家、空いているマンションは意外とあります。20人ではなく、9人くらいであればできると思いました。そこで厚労省に電話し、「20人」の理由を聞いたのです。厚労省の人は、「なぜかはわからないのですが決まっています」と。「これは理由がないな」と感じたので、当時の政府の方にプレゼンを行い、「試しに9人の保育園をやらせてください」とお願いしたら、「いいですよ」と返事が返ってきました。

淵澤:9人の保育園。

駒崎:東京都江東区のデザイナーズマンションで、空いている一室を使い、9人の保育園を始めました。空いている家を使うので「おうち保育園」と名付けました。9人の定員に二十数人の申し込みがあり、保育士さんも手厚い保育ができるということで、大勢来てくれました。

自見はなこ:保育士さんも喜びますよね。子どもたちと向き合う時間はもっと取りたいと思っているでしょうし、ベストマッチだと思います。

駒崎:政治家や官僚の方々が、大勢視察に訪れました。待機児童対策特命チーム(当時)の村木厚子さんが、「なぜ気付かなかったんだろう。大きな保育園はつくりにくいけれど、小さい保育園はつくりやすい」と、当時の法案に「小規模保育」を書き足してくれたのです。その法案が通り、約70年ぶりに大きく変わることになりました。20人の壁が突破されて、19人以下でも保育園として認められることになり、これが国策化されました。2010年、「おうち保育園」は1園だけでしたが、2021年には約7000ヵ所にもなりました。民間で実験的に始めた方法をパクっていただくことで、世の中全体が変わっていきました。

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