2022年、映画業界を数字で振り返る
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2022年12月31日 11時30分
【Tokyo cinema cloud X by 八雲ふみね 第1094回】
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信する「Tokyo cinema cloud X(トーキョー シネマ クラウド エックス)」。
2022年も残すところ、あと数時間。今年も洋画・邦画を問わず、数々の話題作が劇場公開されました。
コロナ禍の影響で、映画館の休館や営業時間の短縮といった制約を受けた過去2年間と比べ、感染症との付き合い方も変化してきた2022年は、観客動員も上向き傾向に。エンタメならではの華やかさが戻りつつあります。
そこで今回は、2022年に公開された映画にまつわる話題を、数字とともに振り返ります。
187億円突破!『ONE PIECE FILM RED』 ~2022年国内興行収入No.1
2022年、興行収入1位に輝いた映画と言えば、『ONE PIECE FILM RED』。
12月26日現在、8月6日に公開以来、全国映画動員ランキングトップ10に20週連続でランキング入り。興行収入は187億円を突破しています。
本作の舞台となるのは、世界中が熱狂する歌姫・ウタが初めて公の場に姿を現すライブが行われる、とある島。彼女が“シャンクスの娘”という衝撃の事実から、物語は動き出す……。
夢、冒険、友情。観客を感動へと導くさまざまな要素が詰まった「ONE PIECE」シリーズですが、『ONE PIECE FILM RED』を驚異的な大ヒットへと導いた最大の魅力は、やはり音楽。
ウタ役は、ボイスキャストを名塚佳織、歌唱キャストを歌手のAdoが担当。さらに世界の歌姫・ウタの楽曲として、主題歌を中田ヤスタカが手掛けています。
劇中歌(6曲)はMrs. GREEN APPLE、Vaundy、FAKE TYPE.、澤野弘之、折坂悠太、秦基博が手がけ、歌姫が歌うにぴったりの豪華歌唱楽曲の提供が実現しました。
劇中でも“別次元”と評されるウタの歌声は実に力強く、映画館で観れば、臨場感も高まって心打たれること間違いなし。「世界を歌で幸せにしたい」というウタの言葉どおり、勇気とパワーを受け取った人も多いのではないでしょうか。
2023年、年が明けてもまだまだ快進撃が続きそうな『ONE PIECE FILM RED』。興行収入、そして観客動員数がどこまで伸びるのかも気になるところです。
36年ぶり!『トップガン マーヴェリック』 ~トム・クルーズ人気は不動です
10年以上のロングタームを経て、名作映画の続編が次々と公開された2022年。『ゴーストバスターズ/アフターライフ』や『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』など、映画ファンにとっては見逃せないものばかりでしたが、そのなかでも注目を集めたのが『トップガン マーヴェリック』。
世界中で大ヒットを記録し、世界興行収入は1850億円超え。前作『トップガン』から36年の時を経ても変わらない、主演トム・クルーズの人気ぶりを見せつけてくれました。
かつてアメリカ軍のエースパイロットだったマーヴェリックが、新世代のパイロットチームとともに極秘ミッションに挑む姿を描いた本作。前作をまったく観たことがない人も、観たけど内容を忘れちゃったなぁ……という人も、すんなりとストーリーに入り込んでいける脚本は秀逸の一言。
そして何よりも圧巻なのが、CGなしで出演者が実際に戦闘機に乗り込んで撮影した飛行シーン。言葉では表現しきれない前代未聞の映像は、スクリーンだからこそ体感できる迫力が伝わってきます。5月27日に公開された本作ですが、DVD&Bru-layも発売されたいまでも、まだまだ劇場公開中。
そしてトム・クルーズと言えば、2023年は待望の『ミッション:インポッシブル』シリーズ最新作『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』が公開。トム・クルーズ旋風が、ますます吹き荒れそうです。
3年ぶり! 映画イベントもリアル開催が充実
2020年に新型コロナウイルスが発生して以来、その在り方が大きく変化したイベント業界。特に、多くの来場客を見込む大型イベントにおいては、オンラインや規模を大幅に縮小したスタイルでの開催が目立ちましたが、2022年にはリアルイベントが徐々に復活。イベント開催時の謳い文句に“3年ぶり”というワードを見かけることが度々ありました。
映画業界でも外国人観光客の入国制限緩和に伴い、各国からの映画人の来日が増加。華やかな空気が戻りつつあります。
そんななか、「第34回東京国際映画祭」は3年ぶりにレッドカーペットを開催。そして、テクノロジーとポップカルチャーの祭典「東京コミックコンベンション2022」も、同じく3年ぶりのリアル開催が実現しました。
「東京コミコン2022」にはヘイデン・クリステンセン、ジェームズ・マカヴォイをはじめ、豪華12名ものハリウッドスターが参加。そして、この日を待ちわびたコスプレイヤーが集結。思い思いのキャラクターに扮装し、3年ぶりのリアル開催を楽しむ姿も。
また『ブラックアダム』の公開記念イベントや『END OF LOYALTY(原題)』の上映会が行われ、映画ファンにとってはいち早く情報をキャッチできる場として盛り上がりました。
その一方で、混雑を避けるために間隔を大きく取って展示ブースを設置したり、会場全体の通路を広くしたりと、コロナ対策を万全に行っていることが見受けられたのも印象的でした。
2023年は、5月5日~7日まで「大阪コミコン2023」が開催されることも決定。コロナが収束し、いまよりももっと人々が交流できる場が増えるといいですね。
さて、2022年もニッポン放送 NEWS ONLINE「Tokyo cinema cloud X」をご愛読いただき、誠にありがとうございました。
なかなか終息しない新型コロナウイルスに加えて、インフルエンザの流行。そして世界を見渡せば、まだまだ紛争が続いています。2023年は、これまで以上に安心して暮らせる世の中になるといいですね。
皆さまにとって素晴らしい1年になりますように! 来年もよろしくお願いいたします。
『ONE PIECE FILM RED』
大ヒット公開中
原作・総合プロデューサー:尾田栄一郎(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
監督:谷口悟朗
脚本:黒岩 勉
音楽:中田ヤスタカ
キャラクターデザイン・総作画監督:佐藤雅将
美術監督・美術設定:加藤浩
色彩設計:横山さよ子
CGディレクター:川崎健太郎
撮影監督:江間常高
製作担当:吉田智哉
声の出演:田中真弓、中井和哉、岡村明美、山口勝平、平田広明、大谷育江、山口由里子、矢尾一樹、チョー、宝亀克寿、名塚佳織、Ado、津田健次郎、池田秀一、山田裕貴、霜降り明星(粗品・せいや)、新津ちせ
主題歌:「新時代(ウタ from ONE PIECE FILM RED)」Ado (ユニバーサル ミュージック)
劇中歌 楽曲提供:中田ヤスタカ、Mrs. GREEN APPLE、Vaundy、FAKE TYPE.、澤野弘之、折坂悠太、秦基博
(C)尾田栄一郎/2022「ワンピース」製作委員会
配給:東映
『トップガン マーヴェリック』
大ヒット公開中
ブルーレイ+DVD、4K UHD 発売中
監督:ジョセフ・コシンスキー
脚本:クリストファー・マッカリー
製作:ジェリー・ブラッカイマー、トム・クルーズ、クリストファー・マッカリー、デヴィッド・エリソン
出演:トム・クルーズ、マイルズ・テラー、ジェニファー・コネリー、エド・ハリス ほか
日本語吹替版:森川智之、宮野真守
主題歌:レディー・ガガ「Hold My Hand」
サウンドトラック収録曲:ワンリパブリック「I Ain’t Worried」、ケニー・ロギンス「Danger Zone」 ほか
原題:Top Gun: Maverick
配給:東和ピクチャーズ
(C)2022 Paramount Pictures.
連載情報
Tokyo cinema cloud X
シネマアナリストの八雲ふみねが、いま、観るべき映画を発信。
著者:八雲ふみね
映画コメンテーター・DJ・エッセイストとして、TV・ラジオ・雑誌など各種メディアで活躍中。機転の利いた分かりやすいトークで、アーティスト、俳優、タレントまでジャンルを問わず相手の魅力を最大限に引き出す話術が好評で、絶大な信頼を得ている。初日舞台挨拶・完成披露試写会・来日プレミア・トークショーなどの映画関連イベントの他にも、企業系イベントにて司会を務めることも多数。トークと執筆の両方をこなせる映画コメンテーター・パーソナリティ。
八雲ふみね 公式サイト http://yakumox.com/
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