待望のフルトン戦実現か 井上尚弥「2階級で4団体統一」への道のり
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年1月20日 17時20分
![待望のフルトン戦実現か 井上尚弥「2階級で4団体統一」への道のり](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_413559_0-small.jpg)
【ボクシング 世界バンタム級4団体王座統一戦 井上尚弥対ポール・バトラー】 4団体統一王者となった井上尚弥はベルトを抱えてガッツポーズ =13日、東京都江東区・有明アリーナ(代表撮影)
話題のアスリートの隠された物語を探る「スポーツアナザーストーリー」。今回は、スーパーバンタム級2団体王者、スティーブン・フルトン(米国)との対戦が合意に達したと報じられた、ボクシング・井上尚弥選手のエピソードを紹介する。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2023/01/10000000000000089964_20230120161524071080_P221214000038RS.jpg)
【ボクシング 世界バンタム級4団体王座統一戦 井上尚弥対ポール・バトラー】4団体統一王者となった井上尚弥はベルトを抱えてガッツポーズ=2022年12月13日、東京都江東区・有明アリーナ(代表撮影) 写真提供:産経新聞社
『色々と噂が飛び交っている まじでやれるんか!?!? やってやろうじゃねぇか!!!』
~井上尚弥ツイッター(2023年1月19日のツイート)より
日本時間の1月19日、複数の米メディアが報じた「井上vsフルトン戦」合意のニュース。試合を配信するスポーツ専門局「ESPN」は「5月に日本で開催予定」と具体的な日程まで報じていますので、かなり実現性は高いとみられます。
現在スーパーバンタム級(以下、Sバンタム級)で2本のベルトを持つフルトンは、WBC王座を1度、WBO王座を2度防衛。プロでの戦績は21戦全勝(8KO)という無敗のチャンピオンです。
2人の対決は、かねてからボクシングファンの間で「屈指の好カード」「ぜひ観たい」と言われていたもので、井上本人もツイッターでさっそく反応。スーパーバンタム転向の初戦が、いきなりタイトルマッチになる可能性が高まってきました。
昨年(2022年)12月13日、WBOバンタム級王者、ポール・バトラー(英国)との統一戦をKOで制して、アジア人として史上初となる4団体完全統一を果たした井上。快挙達成からちょうど1ヵ月後の1月13日、全ベルトの返上と、1階級上のSバンタム級への挑戦を表明しました。
「バンタムではもう戦いたい相手がいない」と言っていた井上にとって、タレント豊富なSバンタム級への転向は予定の行動で、すぐにでもこの階級の王者との対戦が観たいところですが、「初戦からいきなりタイトルマッチは難しいだろう」と言われていました。
現在Sバンタム級では、2人の王者が2本ずつベルトを分け合っています。1人が、WBC・WBO王者のフルトン。もう1人がWBAスーパー王者とIBF王者のムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)です。
井上としてはこの2人を倒せば、目標とする史上初の「2階級で4団体統一」が達成できるのですが、マッチメイクはそう簡単にはいきません。アフマダリエフは手を負傷したため、昨年6月から戦線を離脱。復帰してもまずマーロン・タパレス(フィリピン)と防衛戦を行う義務があり、その前に井上と対戦することはできないのです。
またフルトンも、WBC・WBO統一戦を戦った宿敵、ブランドン・フィゲロア(米国)との再戦が報じられていました。フィゲロアはフルトンに敗れたあと階級を上げ、現在WBC世界フェザー級1位。このカードは「WBC世界フェザー級暫定王座決定戦」として2月25日に米国で行われる予定でした。
しかしフルトン陣営は、階級を上げてフィゲロアと戦うより、Sバンタム級王者として井上と戦うことを優先させた模様です。井上と戦わないままフェザー級に移ると「逃げた」という印象を持たれるのも、フルトンとしては不本意なのでしょう。井上にとっても、フルトンがフェザー級に上がる前に倒せばいきなり2本のベルトを手にできるわけで、願ったり叶ったりです。
フルトンは昨年6月、ESPNの取材で、ファンが望む井上との対戦についてこう語っていました。
『(井上戦は)とてつもないことだとは思わない。(俺がフェザー級に移る前に)間に合うようであれば現実的だと信じている。俺はビッグファイトをためらわないし、多くの人が見たいと思っている』
~『J-CASTニュース』2023年1月19日配信記事 より
フルトンはこれ以前にも、井上との対戦について何度か言及しています。2021年には、こんな挑発的な発言も。
『もし俺が奴との試合を分析するなら、俺が圧勝する。俺には小柄すぎるし、背も低すぎる。リーチも及ばないから、ずっとパワーショットを受け続けることもない』
~『THE ANSWER』2021年6月9日配信記事 より
井上の優秀さは認めながらも、体格差があるので自分には勝てないだろう、と豪語したフルトン。井上は身長165センチ、リーチ171センチ。対してフルトンは、身長169センチ、リーチ179センチとどちらも上回っています。
確かに、ライトフライ級からプロでのキャリアをスタートさせた井上と、スーパーバンタム級で戦ってきたフルトンでは体格が違います。しかし「井上のパンチ力とスピードは別格」とみる専門家は多く、元WBA・IBF世界ライトフライ級統一王者の田口良一氏は、井上vsフルトン戦が実現した場合の展望について、こうコメントしています。
『両者が対戦すれば井上が勝つと思う。彼のパンチ力は規格外。さらに3階級上のライト級の選手もKOできるレベルだ。階級を上げたことによって、よりパワーを爆発させられる』
~『サンケイスポーツ』2023年1月20日配信記事 より
また井上自身も、昨年、米国の老舗ボクシング雑誌『リングマガジン』電子版のインタビューで「階級を上げるごとに、より支配的と思える力を発揮してきたのはなぜか?」という問いにこう答えています。
『やはり減量から解放されたというのが大きいのでしょう。自分も含め、日本人ボクサーは減量し過ぎているというのはあるかもしれませんね。だから階級を上げていくにつれてパワーが増していく。スーパーバンタム級に上げたら、まだパワーが増しそうな気はしますし、より強いパンチが打てるんじゃないかと思っています』
~『Number Web』2022年9月6日配信記事 より(元のインタビューは米『リングマガジン』電子版)
また、フルトンについては、こう語っています。
『フルトンはテクニックがある選手ですね。自分の距離をしっかりとキープして戦う選手。ただ、フィゲロア戦しか見てなくて、あの試合は乱戦だったので、だからまだ何とも言えないところではあります。対戦したら、すごい技術戦になりそうだなというイメージはあります。やり易くはないんじゃないですか。リーチがありますし、距離の遠さをどれだけ感じるかというところかと思います』
~『Number Web』2022年9月6日配信記事 より(元のインタビューは米『リングマガジン』電子版)
フルトンは高いディフェンス力を持つ選手ですが、井上には踏み込みの速さという武器もあり、増量してもスピードが維持できるベストウェイトのSバンタム級なら、体格の差はあまり問題にならない気もします。
黒人選手との対戦は初めてになりますが、それも井上にとっては「楽しみ」の1つ。フルトンに勝ったあと、防衛戦を終えたアフマダリエフを撃破すれば、Sバンタム級でも4本のベルトが揃います。本人は慎重姿勢ですが、大橋ジム・大橋秀行会長はさらに上の「フェザー級でも」と意欲を見せており、井上の無双状態はどこまで続くのか? 「モンスター伝説」はまだまだ続きそうです。
外部リンク
この記事に関連するニュース
-
尚弥 ドヘニー戦後はグッドマン?アフマダリエフ?”相手不在”も当面はSバンタム級で「全力でこなす」
スポニチアネックス / 2024年7月16日 16時25分
-
井上尚弥「一発も触れさせないつもり」9月3日ドヘニーと対戦 相手が力不足の声に「楽しみに待っていて。あと2年はこの階級でやるつもり」
スポーツ報知 / 2024年7月16日 15時36分
-
大橋会長、尚弥の相手ドヘニーは「ネリ以上の怖さ」 Sバンタム級あと2年OK「限界超える減量ではない」
スポニチアネックス / 2024年7月16日 15時24分
-
井上尚弥戦「熱望」のWBOフェザー級王者、もし対戦したら? 「井上が試合終了間際に仕留める」米メディア分析
J-CASTニュース / 2024年6月26日 16時30分
-
井上尚弥 元世界王者がフェザー級転向に慎重論「バタバタ倒すのを見たいなら、再来年まで我慢」
東スポWEB / 2024年6月25日 5時7分
ランキング
-
1ハム清宮が2打席連続アーチ 衝撃の4安打に新庄監督は拍手…止まらぬ打棒に敵地騒然
Full-Count / 2024年7月21日 20時9分
-
2【F1】角田裕毅は〝奇策〟1ストップ作戦で9位入賞!レッドブル緊急昇格へ猛アピール
東スポWEB / 2024年7月21日 23時51分
-
3【体操】宮田笙子のパリ五輪出場辞退 ダルビッシュ有との〝比較論〟が脚光「無期限謹慎を食らった」
東スポWEB / 2024年7月21日 18時17分
-
4大谷翔平、日本人初4年連続30号は144m超特大弾 本拠地どよめき…日米通算250号王手
Full-Count / 2024年7月22日 9時32分
-
5ストレッチャーで運ばれ途中退場したバレー日本代表の高橋健太郎 パリ五輪まで約1週間ケガの状態を明かす
日テレNEWS NNN / 2024年7月22日 10時41分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)