20代も注意!「骨粗しょう症」になる傾向が強い人の特徴とは 整形外科医が解説
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年1月23日 12時0分
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1月18日(水)、埼玉協同病院・整形外科部長の仁平高太郎先生が、ジャーナリストの笹井恵里子がパーソナリティを務めるラジオ番組「ドクターズボイス〜根拠ある健康医療情報に迫る!〜」(ニッポン放送・毎週水曜21時~21時20分)にゲスト出演。「骨折」をテーマに、骨粗しょう症に注意した方がいい年齢、骨折や骨粗しょう症になる傾向が強い人の特徴、骨を丈夫にする運動や食事、女性は年を取ると骨折が多くなる理由などを解説した。
『たとえ骨が折れても、しばらく固定していればまた元どおりになる』と軽く考えていないだろうか。骨密度や骨量は20代前半がピークで、それ以降は若い頃の貯金で生きているという。男女ともに50代以降は、重いものを持ったとき、しりもち、くしゃみなど、日常動作でポキっと骨が折れてしまうことがある。どうすれば丈夫な骨を維持できるのか、骨折治療経験が豊富な仁平先生に聞いた。
■20代から「骨折」や「骨粗しょう症」を意識してほしい
笹井:日常動作で「骨折」が起きることがあるのですか?
仁平先生:そうです。特に、骨がスカスカな「骨粗しょう症」の患者さんには、それがあり得ます。
笹井:大体、何歳ぐらいから骨粗しょう症に注意した方がいいのでしょうか?
仁平先生:骨粗しょう症はご高齢の方の病気なんですが、実は、若い時の蓄積がとても大切です。
笹井:若い時の蓄積。
仁平先生:20代が骨の量のピークで、そのピークの値が低い方は40歳、50歳になっても低いということが分かっています。ですから、「ピーク時の値を高くする」ことが大事です。
笹井:若い時にしっかりと丈夫な骨を作り、ピーク時の値を高くするということですね。
■若い時の“骨量のピーク”が低いと「骨粗しょう症」になる傾向が強い
笹井:“骨の量のピークを作る”には具体的にどうすればいいのでしょうか?
仁平先生:「適度な運動」「偏食のない食事」はもちろんですが、最近問題となっているのが、「若い女性の無理なダイエット」です。ダイエットすることで20代の骨のピークがとても低いピークとなってしまいます。低いピークの方は後からどんなに努力しても、骨粗しょう症になってしまう傾向が強い、という報告があります。
笹井:ピークを作り、それを維持することが大事なのですね。
仁平先生:そうです。
■骨を丈夫にする運動
笹井:骨を丈夫にするには「運動」が大事だそうですね。
仁平先生:研究では、「運動することで骨の密度が維持され、増えることもあり得る」という報告があります。
笹井:どんな運動をするといいのでしょうか?
仁平先生:骨に対する「適度な衝撃」が必要です。
笹井:衝撃?
仁平先生:「ジャンプ」や「エアロビクス」などです。ただ、そこまでの運動はちょっとできないな……という方は、「かかと落とし」がお勧めです。立った姿勢でつま先立ちになり、かかとをトン、トン、トン……と着く感じです。これを1~2分ぐらいすると、骨全体、体全体の骨に衝撃が加わるので、良い結果が出るという報告があります。
■骨を丈夫にする食事
笹井:食事ではよく、「骨にはカルシウム」と聞きます。
仁平先生:そうですね、カルシウムが大事なのは皆さんご存知だと思いますが、同時にもう一つ大事な栄養が「ビタミンD」です。ビタミンDは「魚」や「きのこ」に含まれているので食事から取れます。
ビタミンDを取るためのもう一つの方法が「日光浴」です。日光浴をすると、皮膚でビタミンDが作られます。最近は紫外線対策をしっかりされている方が多いので、逆に紫外線が足りていない方がいます。ガイドラインでは「15分程度日光浴すること」が推奨されています。
笹井:こうした生活習慣以外に、気を付けた方がいいことはありますか?
仁平先生:まずは、骨粗しょう症の治療をしっかり受けることです。痛くなかったりするので、皆さん治療がおざなりになり、2~3か月薬を飲んでやめてしまう方が多いです。
骨粗しょう症の治療は、ほぼ一生ものです。こまめにしっかり、治療を続けることが大切です。
笹井:痛くないからと、治療をさぼってはいけませんね。
■女性は年を取ると骨折が多くなる
笹井:「女性は年を取ると骨折が多くなる」という話があり、気になります。
仁平先生:これは、女性ホルモンが影響しています。骨粗しょう症も女性ホルモンの影響で女性に多いです。
笹井:女性ホルモンの低下が、骨にどう影響するのですか?
仁平先生:女性ホルモンが低下すると、骨の量が低下します。そして、骨粗しょう症に直接いたります。
笹井:では、ある程度の女性ホルモンがある間は、ホルモンに骨が守られている、ということでしょうか?
仁平先生:そうです、そういう一面もあります。
笹井:女性は年を取ってからは、より注意が必要ですね。
仁平先生:特に閉経後、注意してほしいです。子宮や卵巣を取った方は、取った後も閉経と同じ状態となっていますので、早期から骨粗しょう症に注意してください。
この他にも番組では、本人が気付かないうちに骨折している“いつのまにか骨折”の症状、骨粗しょう症になった原因が分かる検査、関節・筋肉・神経といった運動器が衰えている7つのサインなども紹介した。
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