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エネルギー危機のいま、日本の石油・エネルギー業界に求められるもの 石油連盟会長・木藤俊一

ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年1月24日 17時45分

エネルギー危機のいま、日本の石油・エネルギー業界に求められるもの 石油連盟会長・木藤俊一

石油連盟会長の木藤俊一氏が1月24日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。2023年の石油・エネルギー業界の課題と展望について解説した。

※画像はイメージです

石油連盟会長に聞く、2023年の石油・エネルギー業界の課題と展望

飯田)今後のエネルギー全般の供給、また脱炭素の動きなどについてお聞きしたいのですが。

木藤)脱炭素の大きな流れ、潮流は変わらないと思います。しかしながら、いま地球上に必要とされている大量のエネルギーを、一気に化石燃料なしで賄うことは不可能だと思います。

化石燃料を使いながら、徐々に低炭素にしていく

木藤)化石燃料はエネルギー効率もよくて運びやく、貯蔵しやすい。そして安価であるという便利なエネルギーです。それほど便利なエネルギーを地球環境問題、気候変動問題という新たな命題によって変えようとしているのが、いまのチャレンジなのです。

飯田)新たな命題によって変えようと。

木藤)そうは言っても、みんなで石器時代に戻るとか、不便な生活をするわけにはいきません。やはり現在の世の中で使われている化石燃料を上手に使いながら、低炭素にしていき、CO2排出量をできるだけ下げていく。こうしたプロセスを経て、最終的には実質的に排出しない状態をつくりあげていくのだと思います。

石油製品を製造する過程のなかで、アンモニアや水素を扱う石油産業こそカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの中心的なプレイヤーになるべき

飯田)そのためには相当な技術革新が必要だと思いますが、具体的にどんな動きをされていますか?

木藤)最近、水素やアンモニアが脚光を浴びています。化学反応式で言うと、どちらも炭素の「C」が含まれていませんので、燃やしても炭素が出ないということです。

飯田)燃やしても炭素が出ない。

木藤)これを誰が大量につくるのかということになりますが、我々石油産業は石油製品を製造する過程のなかで、アンモニアや水素を既に取り扱っているのです。大きなエネルギーを生み出すインフラ、あるいは長年の知見も持っておりますので、我々石油業界こそがカーボンニュートラル実現に向けた取り組みの中心的なプレイヤーとして、責任を担っていかなければならないと思っています。

石油に頼らず、CO2を排出させずに新たなエネルギーをつくる

飯田)いままでは副産物の扱いだったものが、メインに躍り出るかも知れないのですか?

木藤)石油からつくるとCO2が排出されますので、石油に頼らずにつくるということです。なかなか難しいですね。

飯田)難しそうですね。

木藤)空気中にあるCO2をキャプチャーするとか、あるいは「CCS」と呼ばれる技術で、(CO2を)地中に閉じ込めて固定化してしまう。もしくはリサイクルするなど、さまざまな方法でCO2を排出せずに新しいエネルギーをつくる。それにチャレンジすることになるわけです。

エネルギーを供給する使命を果たしながら、次のエネルギーへの取り組みを行う

飯田)一方、この1年間でエネルギーの大切さが身に染みた人も多いと思います。全世界で見ると化石燃料がなければ立ち行かず、むしろ世界中で奪い合いが始まったようにも見えますが、いかがですか?

木藤)そうですね。私たちは既存の石油を中心としたエネルギーを供給する事業者として、災害時には特にエネルギー供給の最後の砦を担い、国民生活や経済活動を支えていく。その使命を果たしながら、次のエネルギーへの取り組みをしっかり進めなければいけません。

飯田)供給する使命を果たしながら。

木藤)石油業界は、既に政府が立ち上げたグリーンイノベーション基金なども活用させていただきながら、CO2フリー水素あるいは合成燃料などの取り組みを、いま積極的に進めているところです。

ガソリンエンジン車にも使える合成燃料 ~既存のインフラを有効活用できる

木藤)それは日本の技術でやれるのではないかということです。ちなみに合成燃料とは、CO2と水素を合成してつくる新しい液体燃料です。

飯田)そうなのですね。

木藤)これをつくることができると、現在のガソリンエンジン等の車にも使えるのです。既存のインフラを有効活用できるため、大変期待されている技術です。こうしたものに関しても、我々が早く開発して量産体制をつくる必要があると考えています。

飯田)確かに一気に電気へ移行したり、水素自動車に移行することになると、「私たちがいま使っている車は使えなくなってしまうのか」と思いますけれども、燃料が変わるだけでエコになるなら、入り口としては有望ですよね。

木藤)そうですね。大事業ですので、1つの企業や1つの業界でやれる課題ではありませんが。

飯田)日本全体を巻き込んでいかなければならないですか?

木藤)そうですね。

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