岸田総理ならば「憲法改正も上手くいくのでは」と期待する「理由」
ニッポン放送 NEWS ONLINE / 2023年2月1日 17時15分
![岸田総理ならば「憲法改正も上手くいくのでは」と期待する「理由」](https://media.image.infoseek.co.jp/isnews/photos/nipponhoso/nipponhoso_415798_0-small.jpg)
ジャーナリストの佐々木俊尚が2月1日、ニッポン放送「飯田浩司のOK! Cozy up!」に出演。憲法改正について解説した。
![](https://news.1242.com/wp-content/uploads/2023/02/000121827RS.jpg)
2023年1月18日、挨拶する岸田総理~出典:首相官邸HPより(https://www.kantei.go.jp/jp/101_kishida/actions/202301/18koutsuanzen.html)
岸田総理「改憲は先送りできない」と答弁
岸田総理大臣は1月31日の衆議院予算委員会で憲法改正の具体的なスケジュールを問われ、「憲法改正は先送りできない課題との考え方に変わりはない」と考えを示した。
飯田)日本維新の会の藤田文武氏による、「具体的なスケジュールを決めるべきではないか」という質問に答えた形です。具体的なスケジュールはなかなか出されませんでしたが。
「原発と安全保障」に関しては評価できる岸田総理 ~経済対策はよくわからない
佐々木)いつもの岸田さんですね。岸田総理の場合、経済対策は「新しい資本主義」を筆頭に、何をやっているのかよくわからないところがあります。
飯田)経済対策は。
佐々木)一方、安保3文書で反撃能力を持つと決めたこと、あるいは原発の再稼働だけではなく、新しい原発を建設するというところまで踏み込むなど、原発と安全保障に関しては踏み込んだ政策を進めていると思うのです。「大きな仕事を2つしたな」と言えるのではないかと。
憲法改正も岸田総理ならば上手くいくのではないかという期待
佐々木)もしかすると、「憲法改正も本当に進めてしまうかも知れない」という期待を持っています。経済に関しては期待できないけれども、それ以外は期待できる首相なのではないでしょうか。
飯田)憲法改正に関しても。
佐々木)安倍さんがずっと憲法改正しようとしていた。安倍さんは、実際のところはリベラルな政治家だったと認識しているのですが、第1次安倍政権時代の「美しい国へ」という構想など、かなりタカ派の印象が強いのです。出自の派閥もそうですし。
飯田)そうですね。
佐々木)自民党が野党だった時代に出した、「自民党改憲草案」という謎のものがあったではないですか。あのイメージがあるので、安倍さんの改憲に関しては何となく警戒する感じが強かったのだと思います。
飯田)「安倍政権下での改憲は反対」と明確に言う政党もありましたからね。
佐々木)岸田さんはそれに比べると宏池会、いわゆるリベラルな派閥出身なので、イメージとしては悪くない感じがします。もしかするとうまくいくのではないでしょうか。
立憲民主党も憲法改正に歩み寄りの雰囲気 ~「反撃能力を持つな」とは言っていない泉代表
佐々木)立憲民主党も若干、憲法改正論に関して歩み寄りの雰囲気が出てきています。前の代表と比べると、泉さんは「議論しましょう」という姿勢です。決して対立を煽るだけではなく、きちんと議論するべきだと。旧来の立憲民主党とは違うスタンスになってきているので、「話が進むかも知れないな」という期待感があります。
飯田)代表質問で泉さんが登壇し、国際法違反かどうかという話も出て、いろいろ議論になっていました。あれもよくよく聞くと、泉さんが言っていたのは「反撃能力が相手国のミサイル発射阻止を目的とするならば、先制攻撃とみなされて国際法違反になるのではないか」と。反撃能力そのものの反対ではないように取れました。
佐々木)「反撃能力を持つな」とは言っていないわけです。
飯田)ただ、お仲間を配慮すると、こういう表現がギリギリなのかも知れません。苦しい胸の内も垣間見られるところがありましたが。
佐々木)「どの段階で反撃していいのか」という議論なわけです。相手が準備して、そのまま進むと戦争が不可逆的に始まる段階になるとしたら、その不可逆をどう判断するかということです。それ以前の段階で予防的に戦争を起こすのは、確かに国際法違反ではあるのですが。
飯田)相手が準備する前に仕掛けることは。
佐々木)準備を始めて、「間違いなく戦争を起こす気がある」という状況まで進み、そこで反撃することは国際法違反ではない。それは安全保障の専門家たちからも声が上がっています。
飯田)戦争を起こす気があるという状況になれば。
佐々木)泉さんの話は「少し違うのではないか」という批判も多くありますが、そこから議論をスタートさせるという意味では、ありなのではないでしょうか。
憲法改正の議論に参加できる余地が広まってきている立憲民主党
飯田)いままでであれば、「反撃能力を持つこと=9条違反・反対」というところから入るのが定型文でした。
佐々木)共産党は未だにそういうスタンスなのですが、立憲民主党はそこから離れつつあります。逆に立憲民主党が維新の会と協力するという話も出ているので、憲法改正の議論に参加できる余地が広まってきているのかなと思います。
党内で苦しい立場の泉代表
飯田)ただ、それに対して泉さんを批判する向きもあり、乃木神社に行っただけで批判されている。苦しい立場にいるのだなと個人的には思います。
佐々木)立憲民主党内でも、「枝野さんに戻せ」と言っている人もいるようですからね。でも立憲民主党に関しては、見えない支持者もいるはずです。どうしても声の大きい、左に寄りすぎた支持者の声ばかり目立ってしまうのですが、そうではない人に目を向けられるかどうかは、泉さんの今後の活躍にかかっていると思います。
飯田)かつて政権を獲ったときは、その担当能力に期待する穏健な人たちが必ずいましたよね。
佐々木)実務能力の高い人たちは、みんな立憲民主党から外れてしまいました。
飯田)問題はそこなのですよね。
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